[メイン] GM : "日常"とは?
ただあるがままを受け入れ、やがて死を迎えることが幸福?
それはきっと違う。
さぁ、運命の歯車を壊す時が来た。
最悪のシナリオを討ち滅ぼすのです。

ダブルクロスthe 3rd edition
『Silence of the Sheep』
"ダブルクロス"─────それは"裏切り"を意味する言葉。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : opening『Hello, "Overed"』 登場:全員

[メイン] 歳納京子 : 31+1d10 登場/リザレクト (31+1D10) > 31+10[10] > 41

[メイン] ボンドルド : 34+1d10 登場/リザレクト (34+1D10) > 34+9[9] > 43

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 31 → 41

[メイン] system : [ ボンドルド ] 侵蝕率 : 34 → 43

[メイン] 雪音クリス : 37+1d10 登場/リザレクト (37+1D10) > 37+3[3] > 40

[メイン] system : [ 雪音クリス ] 侵蝕率 : 37 → 40

[メイン] リセット・カラー : 44+1d10 登場/リザレクト (44+1D10) > 44+7[7] > 51

[メイン] ガユス : 28+1d10 (28+1D10) > 28+4[4] > 32

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ここは北海道に位置する、日本的ハト派思想の強いUGN支部。
あなた達は、日常の護り手として任務を受けるべく、応接間に案内されている。
テーブルには茶菓子等が置かれてあり、連絡員が来るまでの間、待機するように通達されている。

[メイン] GM :  

[メイン] ボンドルド : 円卓を囲むように並べられているいくつかの座席。
その内の一つには、コホーコホーと、まるで映画に出てくるキャラクターのようなわざとらしい呼吸音を出しながら佇む何かが座していた。

[メイン] 雪音クリス : なんだ、アレ

[メイン] 雪音クリス : 目をパチクリさせながら、さながら宇宙大戦の黒兜を連想する男を遠巻きに眺める

[メイン] ガユス : 「……」
それの隣で、緑茶を啜りながら思わず黙り込む俺……ガユス・レヴィナ・ソレルは、その奇異な格好になにか言うべきか否か迷っていた。

[メイン] 雪音クリス : 「ハ、ハハ、なんだこれ」

[メイン] ボンドルド : よくよく見れば、無機質な仮面を被っていることが分かるだろう。
体格からして成人男性と思しき彼はその、目を見せるための穴さえない仮面を乗せた首を振って何かを探しているようで…

[メイン] 雪音クリス : 夢だろうか、夢だといいな
現実なんだよな畜生が

[メイン] リセット・カラー : 「こんにちは!」
物怖じせず話しかける

[メイン] ガユス : いや、まぁ、オーヴァードなんて奇人変人ばかりだ。人には色々都合があるものだ。おい、そっちお白髪女、そんなに物珍しそうに見るな。失礼に……。

[メイン] ボンドルド : 「!」
声に反応し、そちらに勢いよく振り向く。

[メイン] ガユス : ……すげぇな、あのちっちゃいの話しかけたよ。

[メイン] 雪音クリス : 「勇者かよ…」

[メイン] ボンドルド : 「おお、誰かそこにいるのですね…?しかも、随分と可愛らしいお客さまのようで…」

[メイン] リセット・カラー : 「はい!なにかお探ししてるみたいだったのでお手伝いできればと…」

[メイン] ボンドルド : 「実は私、恥ずかしながら…」

[メイン] リセット・カラー : 「?」

[メイン] ガユス : 「?」

[メイン] ボンドルド : 「仮面を前後逆に嵌めてしまったので外の様子が何も分からずに困っていたのです」
「助けてください」

[メイン] リセット・カラー : 「…………」

[メイン] ガユス : 「いや、つけなおせよ!」

[メイン] リセット・カラー : 「あっ!はい!」
わ、わたわた 背が高い…!

[メイン] ガユス : 「はっ……!」

[メイン] ボンドルド : 「そ、そんな手が…!」

[メイン] ガユス : し、しまった、思わず突っ込んじまった……!

[メイン] リセット・カラー : 「て、手伝って下さい!届かない…!」

[メイン] 雪音クリス : 「おい待て、つけたままだとデザイン的にえらい事になるんじゃ…」

[メイン] ガユス : 「つか、それ自分でつけたわけじゃねぇの!?」

[メイン] ボンドルド : 「人の気配を感じて慌ててマスクを被ったところ急に前が真っ暗になり、この上ないほどにパニックになっているのです」

[メイン] リセット・カラー : 「お、お茶目な人ですね…」

[メイン] ガユス : ……じゃあ、顔を隠したい理由があるってことか。

[メイン] 雪音クリス : 「…だとすると、付けたまま動かすしかねえか」

[メイン] ガユス : 思えば、確かに一番最初からこいつは部屋にいた。当然部屋に入った俺はビビって暫く何も言えなかった。

[メイン] リセット・カラー : 「大丈夫ですか…こう…ぐりんと言うか…ぐきんって中でなりませんか…」

[メイン] ガユス : 「まぁ、なりそうなデザインだよな……」

[メイン] 雪音クリス : 「全員でそっぽ向いてる内に付け直したらいいんじゃねえか?」

[メイン] ボンドルド : 「そっと…そっと回して頂ければそれで……この服、肩当てがどうにも邪魔で上に手を伸ばしづらくその状態で視力が奪われたものですからどうにも上手く行かず…」
申し訳なさそうな声で、段々と声を萎ませながら男は読めない表情を浮かべていた。

[メイン] 雪音クリス : 時間を確認して…

[メイン] リセット・カラー : 「ああ…」

[メイン] ガユス : 「じゃ、じゃあ……俺が回すよ……」

[メイン] 雪音クリス : 「そろそろ時間だしな、急いだ方が」

[メイン] 歳納京子 : そんな困惑が渦巻く中、ばーーーん、と扉が開く。

[メイン] ガユス : なんでそんな服をきてるんだとは5億回心中で叫んだが、後ろに回り込んでとりあえず、ゆっくりと仮面を回す。傍目から見ると首をへし折っているようにみえるかもしれないが。

[メイン] 雪音クリス : 「うおっ!?」

[メイン] ガユス : 「うわぁあ!?」

[メイン] ガユス : やべ、扉が勢いよく開いたから、勢いよくやっちまった!?

[メイン] ボンドルド : 「ああっ!?」
ゴキャッ!!という軽快な音が上がる。

[メイン] 歳納京子 : 「こんちゃ!まだ大丈夫だよ…………ね………?
 ……これは……一体……?」

[メイン] リセット・カラー : 「こ、こんにち…あっ!?」
やばい方向向いてる仮面

[メイン] 雪音クリス : 「うわっ、ちょっ…お前が急に入ってくるから!!」

[メイン] ガユス : 「ご、ごめん!」

[メイン] ガユス : 「だ、大丈夫!?」

[メイン] 雪音クリス : 「おい、ボン!生きてるか?」

[メイン] ガユス : 大丈夫じゃなかった場合、こんなことで殺人を犯したことになりかねない。

[メイン] 雪音クリス : いやまあ、《リザレクト》があるから死にやしないだろうが

[メイン] 歳納京子 : 扉が開いた先から現れたのは、厚手に帽子を被った、金髪の少女。
あと数分で時間だったが、それに間に合わせるためだったのか、汗がびっしょりと掻きながら。

[メイン] 歳納京子 : 「ええ~~~~!?!?
 く、首とかそこら辺大丈夫なの!?」

[メイン] リセット・カラー : 「ご、ごめんなさいえーっと…京子さん!ちょっと今凄い事になっちゃってて…」

[メイン] ガユス : 「わ、わからない! おい、アンタ、大丈夫か!」

[メイン] ガユス : 自分で首をへし折ったかもしれない相手に声をかける。テンパって頭つかんだまま。

[メイン] 歳納京子 : 別の意味で汗の量が凄いことになりながら。
ボンボルドに掛けより様子を見ようと。

[メイン] ボンドルド : 「……や」

[メイン] ガユス : 「!」

[メイン] 歳納京子 : 「!!」

[メイン] ボンドルド : 「おやおやおやおやおやおやおやおやおや」

[メイン] 雪音クリス : …後で、施設の管理者に説明しよう
ガユスが仲間殺しと間違われない様……に……

[メイン] 雪音クリス : 「…ダメだったか」

[メイン] リセット・カラー : 「なにこれ?」

[メイン] 歳納京子 : 「おやおやおやおや……?」
合わせて首を傾げる。

[メイン] ボンドルド : 「おーやおやおや、ガフッ……どうやら…今日の皆様は…他人を…慈しむ…愛に溢れた方々のようだ……」
「私には…それが……嬉しい……」

[メイン] リセット・カラー : 「そ、そうですか…!」
大丈夫そう!

[メイン] ガユス : 「それより自分の心配してくれよ!?」

[メイン] 雪音クリス : 「お、おう。なんかこう、色々と大丈夫か?」

[メイン] ガユス : 「首! 首大丈夫なのか!?」

[メイン] ボンドルド : 「悲しい話を…するのは…やめましょう……」
「子供達も見ているのですから…」
ガシッとガユスの手を掴み、硬い握手を一方的に行う。

[メイン] ガユス : 治癒エフェクトの訓練をしてないことを後悔したのは生まれて初めてだ。

[メイン] ガユス : 「あ、アンタ……!」
大丈夫なのか、頭がイったのか判別できねぇ……!

[メイン] 歳納京子 : ほ、褒められてる……のかな……?
と内心思いつつも。心配顔は変わらない。

[メイン] 雪音クリス : 「…よ、よし。取り敢えず大丈夫って話でいいんだよな!?」

[メイン] メイプルトリック : 「─────まぁ、これでもこの人は支部長さんだから、安心してよ」
へらへらと笑いながら、いつの間にか席に着いている少女。

[メイン] ガユス : 「支部長!?」
まず人間なの!? RBとかじゃねぇの!?

[メイン] 雪音クリス : 「……お前、この状況で良くもヘラヘラって──」

[メイン] 雪音クリス : 「…おい、いつから見てた」

[メイン] メイプルトリック : 黒髪と、垂れ目が特徴的で、その手には紙パックの牛乳が。
頬杖を着きながら少しずつ飲んでおり。
そしてさらに、テーブルの上には資料が軽く並べてあり。

[メイン] 雪音クリス : ジト目で責めるように視線を向ける

[メイン] メイプルトリック : クリスを見て、にこっと悪戯っぽく笑う。

[メイン] メイプルトリック : 「まぁいいじゃないかそんな細かいことは~
 ほーらクリス、肩の力入り過ぎだよ?
 もーちょっとリラックスリラックス~」

[メイン] リセット・カラー : 「人に好かれる、って言う部分はとても支部長さんらしいと思いましたね」

[メイン] ガユス : 俺は好きか嫌いかでいうと怖いだよこいつ。

[メイン] 雪音クリス : 「…お前なぁ」

[メイン] ガユス : とりあえず、大丈夫そうと判断して、苦笑いでまた元の席にすわって、配られた資料に手をのばす。

[メイン] 雪音クリス : 額を押さえてしばし梅いた後席へと身を放る

[メイン] メイプルトリック : リセットに頷く。
支部長に選ばれる人間とは、オーヴァードとしての能力に優れているのみならず。
いわゆる、マネジメント能力の面でも高く評価された者が多い。

[メイン] 歳納京子 : 「な、慣れっこなの!?……まあ、メイプルトリックが言うくらいならそう……なのかな?」
じ~、っと、ボンボルドを見る。

[メイン] ボンドルド : 「おやおや…リセットさんはやはり優しいですね…」
「他の方々からも真面目に職務に取り組もうという強い意志を感じられます」

[メイン] メイプルトリック : 実際、ボンドルドの人柄によって、ここで初めて顔を合わせたであろう者達も
こうして、心の壁を作ることなく、交流をスムーズに行うことができた。

[メイン] 雪音クリス : 「誉め殺しか〜? ま、悪い気はしねえけどよっと」

[メイン] 歳納京子 : ……とはいえ、遅刻ギリギリになって少し焦ってはいたけど……
他のみんなのお陰で気は緩んだ……かな。
そーゆーところなのかなぁ~、支部長が凄いのって。

[メイン] メイプルトリック : やほ~、と見知った顔の京子に手を振り、飄々とした顔で笑いつつも。

[メイン] メイプルトリック : 「さて……それじゃあ本題に入るよん」

[メイン] 雪音クリス : 少し遠くにあった資料を手に取り

[メイン] リセット・カラー : 「はい!お願いします!」
びしっ

[メイン] 歳納京子 : 「天才ですから!」
ボンボルドの褒めにドヤっと胸を張るも、メイプルの本題に慌てて姿勢を正す。
メイプルトリックに、手を振り返しながらも。

[メイン] メイプルトリック : 「ちょいと肌寒い地域に来てもらったのはだねー……
 この北海道の東部に位置する、白兜村(しらかぶとむら)ってところに
 行ってもらおうかなーって思っててね」

[メイン] メイプルトリック : 「村全域に、微弱ながらも広範囲にレネゲイド反応が見られてるんだ」

[メイン] ガユス : やっと手元にきた資料で、隣の支部長さんの名前がボンドルドだと判明する……いやまぁ、たしかにあれで和みはした……か? わ、わからねぇ。

[メイン] 雪音クリス : 「…全域か、人口やら流通やら、感染に纏わる不安が大きいな」

[メイン] ガユス : 「しかも微弱で広範囲となると……調査が難航しそうだな」

[メイン] メイプルトリック : ガユスの言葉にこくりと頷く。

[メイン] 雪音クリス : …レネゲイドウイルス相手に、感染経路の心配などアホらしい気もするが
一度暴走されれば、手がつけられない

[メイン] メイプルトリック : 「人口密度自体は低いけれども、広範囲のレネゲイド反応となると……
 ちょ~っと、汚染は馬鹿にはできないね」

[メイン] 歳納京子 : 「……む、村全体にレネゲイド反応が……!?
 それって、感染してしまう人とかも、その分多いんじゃ……」

[メイン] メイプルトリック : そうだねぇ、と京子に頷く。

[メイン] 雪音クリス : 「…今のところ覚醒者は無し……だとこっちも、頭痛の種が減るんだが」

[メイン] リセット・カラー : 「うーん、北海道…都市部じゃないと交通網がなあ…」

[メイン] 雪音クリス : 「そいつは調査対象か?」

[メイン] メイプルトリック : 「現段階だと、そのレネゲイド反応を検知しただけでね
 できれば、そこらへんの調査もお願いしたいところかな」

[メイン] メイプルトリック : 「このレネゲイド反応の調査、及びその解決!
 ま、いつもの任務ってとこよん」

[メイン] 雪音クリス : 「オッケー……にしても、街中とはな…」

[メイン] 歳納京子 : これはウィルス。
例え少しでも漏れていれば、感染するケースは十分にある……
……それが広範囲となれば、何もわからない内に非日常に巻き込まれてしまうかもしれない。

[メイン] リセット・カラー : 「村、って言いますけど…全然栄えてない感じですかね?」

[メイン] メイプルトリック : 「そうだね、言っちゃなんだけど北海道の東側って
 まぁ、行けば行くほど何もないんだよね」

[メイン] リセット・カラー : 「そうですね…」
一回きょうだい皆で行ったけど…うん…

[メイン] メイプルトリック : 「この白兜村はでも、一応畜産業が盛んな場所ってくらいかな」

[メイン] ガユス : 「まぁ……行ったことはないけど、地図見るだけでも大体想像はつきますね」

[メイン] 雪音クリス : 「目的自体はハッキリしたか…」

[メイン] ガユス : 軽くグーグルマップで調べるだけでもわかるが、見事なまでに何もない。日本国内であることを疑うレベルで平野が広がっている。

[メイン] メイプルトリック : ははは、とガユスに笑う。
実際、何も無さすぎな場所であるため、ドライブにはもってこいなのだが。
やはり、積雪の問題もあり、常に快適に過ごせる場所というわけでもない。

[メイン] 歳納京子 : 「へえ~……」
都会生まれ都会暮らし、田舎経験のない京子には、少しワクワクさせる情報だった。

[メイン] ガユス : まぁ、歴史的に見れば日本ではなかった時期の方が長い、いうなれば未開地だったのだから当然かもしれないが。

[メイン] リセット・カラー : 「景色は良いんだけどねえ…景色しか無いと言うか…あ、ご飯は美味しかったよ?」

[メイン] メイプルトリック : 「コンビニとかすぐには見つからないと思うから
 ………頑張れ!説明は以上!」

[メイン] 歳納京子 : 先ほどまで深刻そうにうんうんと唸っていたが。
この話を聞き、仕事だというのに目をきらきらと輝かせる。田舎へのあこがれが強かった。

[メイン] 雪音クリス : 「調達に苦労しそうだなぁ…」

[メイン] ガユス : 「わかりました……俺から質問はないが、みんなは?」

[メイン] 雪音クリス : 面倒そうに頬を掻き、伸びをして

[メイン] リセット・カラー : 「はーい、事前準備をしっかりとー!ですね」
「寒暖差激しいから着たり脱いだりが楽な上着とか、携帯充電器とか、後は深夜出歩くならカイロそろそろ必要かも?」
割りと旅慣れしてる

[メイン] 雪音クリス : 「あたしからはねえ。調査段階で、対処の仕方も指定されてねえんだ。大した質問なんて残ってないさ」

[メイン] 歳納京子 : 「ううんっ!何も!
 何か質問があったら、現地で解消する!」

[メイン] メイプルトリック : うんうんとそれぞれの顔を見て頷く。
さすがに手慣れたメンバーが揃っただけある。

[メイン] 歳納京子 : まずは足を動かせ!それが天才流のやり方だ!と、自慢げな顔でありながら。

[メイン] ボンドルド : その間、マスクの位置と首の具合を調整しながら暫く周囲の様子を伺い沈黙を貫いていたは話の終着点を確認し、何度か頷き
そして綺麗に挙手をする。

[メイン] ボンドルド : 「すみません、私からは一つだけ…よろしいでしょうか?」
何かを見落とさまいとするように、あるいは大事なことを念押すように気迫を出しながら。

[メイン] メイプルトリック : 「? どぞどぞ~」
ボンドルドの方を向き、小首を傾げながら、手をひらひらと。

[メイン] ガユス : 視線を向ける、つっても隣だが。

[メイン] ボンドルド : コホーコホーと音を立てて、呼吸を整えた男は意を決したようにメイプルトリックの方へと視線を向けて。

[メイン] ボンドルド : 「首に巻きたいので湿布を一つもらえませんか?」

[メイン] ガユス : 「やっぱキツかったのかよ!?」

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス : middle『the challenging land』 登場:任意

[メイン] ガユス : 32+1d10 (32+1D10) > 32+6[6] > 38

[メイン] system : [ ガユス ] 侵蝕率 : 32 → 38

[メイン] リセット・カラー : 51+1d10 登場/リザレクト (51+1D10) > 51+1[1] > 52

[メイン] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率 : 51 → 52

[メイン] 歳納京子 : 41+1d10 登場/リザレクト (41+1D10) > 41+2[2] > 43

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 41 → 43

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス : 支部でバカみたいな数の申請書類にサインをして、軽く眼精疲労に悩まされたころ、ようやく車の手配が終わった。万一を考えて、頑丈なランドクルーザーを申請したのだ。

[メイン] ガユス : アホ程調査範囲が広いので、車もガユスとボンドルドで二台申請している。本当はもっと欲しかったが、免許持ってるのが二人だけだった。

[メイン] ガユス : 「……ほんっとうに何もねぇな」

[メイン] ガユス : 車高の高い運転席から、地平線まで続く国道を眺め続ける。道路脇には下向きの矢印が定期的に並んでいる。なんでも、積雪時には道路が見えなくなるから、そのためだそうだ。

[メイン] ガユス : 「お嬢さん方、車酔いとかは大丈夫か? まだ2時間はこのままだから、なんかあったらいってくれ。つっても、車停めて休憩する以外何もできねぇけどな」

[メイン] リセット・カラー : 「大丈夫です、これでも彼方此方行ったり来たりでしたので。ガユスさんこそ、長時間の運転に気をつけてくださいね?交代要員も居ませんし…」

[メイン] 歳納京子 : 「おお~~~、空気が当社比で美味い気がする!」

[メイン] 歳納京子 : そんなガユスの心配をよそに、勝手に窓を開いて、身を乗り出し続く地平線に目を向けている。
寒風も窓から入ってきそうだ。

[メイン] ガユス : 「俺は運転嫌いじゃないから大丈夫だ……つーか、楽しそうなのはいいけど、旅行じゃねーんだからな?」

[メイン] ガユス : 「仕事だぞ、仕事」

[メイン] リセット・カラー : 「あ、あはは…」

[メイン] ガユス : まぁ、そう強くいうわけでもない。まだ現地についてもいないし、ガユスだって気が緩んでいないわけではない。なにせ何もない。地平線まで続く空と大地があるだけだ。

[メイン] 歳納京子 : テンションが上がっているのか、あれはなに!?これはなに!?と、先ほどから二人に質問しまくっている。
時々建てられている矢印についても質問し、二人の経験に舌を巻いていた。

[メイン] リセット・カラー : 「………ふふ」
楽しそうな京子を見て

[メイン] 歳納京子 : 「うっ……すいません!
 確かに運転辛そうなのに、一人で回せないわけだし……」
リセットの言葉に、ハッと頷きつつ。

[メイン] リセット・カラー : 「大丈夫ですよ、折角北海道まで来たんですから、楽しめる内に…というか楽しいと思える内に楽しんでおきましょう」

[メイン] ガユス : 「いや、まぁ、気にしないでいいよ……」
普段だったら「かわいい女の子つれてドライブなんて約得役得」くらい冗談をいうところだが、なんか冗談あんまり通じなさそうなので言わないでおく。都会に残している彼女の耳に万一でも入ったらコトだし。

[メイン] ガユス : 「しかし、このド田舎でレネゲイド汚染……しかも微弱か。調査は時間かかりそうだな」

[メイン] ガユス : 「怪しそうなところ調べて回るだけでも移動移動移動で何時間かかることやら」

[メイン] 歳納京子 : 二人の言葉にやた!と、喜び、その勢いで天井に頭をぶつけつつも。

[メイン] 歳納京子 : 「あ、そっか……村って言っても、むしろこのひろーーーい場所含めて、村ってこともあるのか!
 点々とあったら、その度に動かないといけないわけだし……」

[メイン] ガユス : 「だからわざわざ車を二台申請したんだしな」

[メイン] リセット・カラー : 「移動手段と人出がたくさん必要だけどそこまで集められるような緊急事態でも無い…って感じだ…で、ですね」

[メイン] 歳納京子 : こちらに微笑むリセットに、へへへ~、と笑いつつも。
これが、田舎。果たして何もないのにこのテンションがいつまで続くのだろうか。

[メイン] 歳納京子 : 「……つまり、私たちは少数精鋭か!」
リセットの言葉に、目を輝かせてにやり、と。

[メイン] ガユス : 「まぁそういうことで……そんなことより、端末いじらなくていいのか? 電波はここから先、通ったり通らなかったりだぞ。バカほど金かかる衛星通信をずっと使うつもりのブルジョワなら別に強くはいわないけど」

[メイン] リセット・カラー : 「ああ、そういう事なら…」
ごそごそ、と積んでもらった自分と同じ位の大きさのトランクケースを開けて

[メイン] リセット・カラー : 「はい!」
ポケットワイファイ~

[メイン] 歳納京子 : 「ふぉっふぉっふぉっ、その程度の金であればいくらでも出そう」
ブルジョアの真似で、ないひげを触る。実際いくらくらいかかるのかは知らない。

[メイン] 歳納京子 : ……そういや、今まで気にしてなかったけどちっちゃいな……!?
と、隣に座る、トランクケースほどの少女を見つつ。
ケースには80㎝程と書かれていた。

[メイン] ガユス : 「ならいいけどよ……あと、ポケットWi-Fiは普通にこのへんの地域対応してないところ一杯あるからな……?」

[メイン] リセット・カラー : 「え」
そうなの

[メイン] 歳納京子 : 「おぉお、旅慣れしてる!……えっ」
ぱちぱち、と小さく拍手しつつ。顔がリセットと被る。

[メイン] 歳納京子 : 「……じゃあ今!繋がるうちに調べないと!」

[メイン] ガユス : 「ポケットWi-Fiは近所の基地局から電波拾うだけなんだから当然だろ!!」

[メイン] 歳納京子 : 焦った顔でリセットにわたわたと手を振る。

[メイン] 歳納京子 : そうだったんだ……って呆けた顔。
彼女は身近なものの仕組みを知らない若者だった。

[メイン] リセット・カラー : 「わ、わー…い、今のうちに前情報調べちゃいます!」
体がちっちゃいので端末が大きく見える

[メイン] 歳納京子 : 自分も端末を取り出し、リセットのWifiを借りながらぽちぽち。

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 : ・白兜村で起こったレネゲイド反応について
情報:UGN

[メイン] GM : 8

[メイン] 歳納京子 : ウィンドブレス+援護の風!

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 43 → 47

[メイン] 歳納京子 : 7dx+10=>8 (7DX10+10>=8) > 8[1,1,4,7,7,8,8]+10 > 18 > 成功

[メイン] GM :

[メイン] GM : ・白兜村で起こったレネゲイド反応について
村全体を覆うような形で、ブラッグドッグシンドロームが検出されている。
効果としては、静電気レベルの電気が大気中に纏っているような形となり、何かしらの作用によってその電気が人体等に放たれるといった、簡素なものとなっている。
特にこれといった実害性は無いものの、レネゲイド濃度で言えば、他地域よりも高くなっており、覚醒のトリガーと成り得るため無視はできないだろう。

[メイン] GM :  

[メイン] 歳納京子 : 「……え゛っ!?」

[メイン] 歳納京子 : 情報を他のみんなに送りつつも、書かれた事実に冷や汗をかきながら。

[メイン] 歳納京子 : 「こんな広い村全てに、レネゲイドが覆ってるの……!?」

[メイン] リセット・カラー : 「うわー………」

[メイン] ガユス : 「……通信妨害があったら衛星通信でも駄目かもな」

[メイン] リセット・カラー : 「実害軽微広範囲…UGNさん的にはとっても面倒な奴ですね…」

[メイン] 歳納京子 : ゴクリと息を飲む。
それが起きていること自体も危険だし、なによりそれを起こせる者の力が凄まじい。
相手も相応の侵食率を犠牲にしなくてはいけなそうだ。

[メイン] 歳納京子 : こく、とリセットに頷きつつ。

[メイン] 歳納京子 : 「それに……こんな広いなら、どこに居たって覚醒のリスクはある……
 ……それって、いいことでは無いよね」

[メイン] リセット・カラー : 「そうだね、意図してるのかそうでないかはわかんないけど、取り敢えず止めなきゃいけない」

[メイン] 歳納京子 : むむ、と腕を組み唸る。
この影響を受けてしまった人も……もしかしたら居るのかな……
……出来るなら、その前に着きたいけど……

[メイン] 歳納京子 : なにせ、覚醒はオーヴァードとジャームになるかの二択。箱を開くまでどちらになるかもわからない。
もし、ジャームになってしまえば……

[メイン] 歳納京子 : ……いいことでは、決してない。
それは、経験済みで。

[メイン] ガユス : 「まだ何もわかってないに等しい」

[メイン] ガユス : 「……思い詰めるのは、もうちょっと調べが進んでからにしとけ」

[メイン] ガユス : なにやらさっきより静かになった後部座席にそう声をかけて、眠気覚ましに買ったクソ苦いコーヒーを一口飲む。

[メイン] リセット・カラー : 「ですね、直近で何らかの怪我とかそういうのが起こっていない以上はそこまで焦らなくて大丈夫だと思います」

[メイン] 歳納京子 : 「むむっ……か、考えるくらい、いいじゃない……!人間だもの……!」
とはいいつつも、二人の言葉を受け取ったように、背を伸ばす。

[メイン] リセット・カラー : 「そんな風に、人をすぐ心配できる所はとても良い事だと思うよ?」

[メイン] 歳納京子 : リセットの言葉に目をぱちぱちとさせる。
考えすぎる、とは良く注意されているので、それ自体を褒められることは今までなかった。

[メイン] 歳納京子 : 「い……いやぁ!それほどでも……ある!」
鼻を高々と伸ばして鬱陶しいくらいにドヤ顔。

[メイン] 歳納京子 : 「そういうリセットちゃんはどうなのさ!
 なんかわかりそう〜?」
コロコロとテンションが変わり、ウザ絡みで肩を組む。

[メイン] リセット・カラー : 「わ、わ~えーっと」

[メイン] リセット・カラー :  

[メイン] リセット・カラー : ・白兜村での御伽噺、伝統、特産品等の記録
情報:UGN

[メイン] GM : 8

[メイン] リセット・カラー : (4+0)dx+4>=8 〈情報:UGN〉 (4DX10+4>=8) > 9[3,8,9,9]+4 > 13 > 成功

[メイン] GM :

[メイン] GM : ・白兜村での御伽噺、伝統、特産品等の記録
この地区では特にこれといった伝承はないが、古来よりずっと酪農で生計を立ててきた地域である。
そのため、ハッキリ言って何も無いに等しい村ではあるものの、緑豊かな牧草と、そこでのびのびと過ごす牛や羊達の姿はあるだろう。
白兜村産の羊肉は、特に美味いそうだ。

[メイン] GM :  

[メイン] リセット・カラー : 「羊さんが美味しいらしいです!」
観光気分 1名追加

[メイン] 歳納京子 : 「ジンギスカン!」
2名に増えた。

[メイン] ガユス : 「仕事だっつったろ!?」

[メイン] リセット・カラー : 「ごめんなさいっ!」

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン2] ボンドルド : middle 『rich nature』 登場:任意

[メイン2] ボンドルド : 43+1d10 登場/リザレクト (43+1D10) > 43+4[4] > 47

[メイン2] 雪音クリス : 40+1d10 登場/リザレクト (40+1D10) > 40+5[5] > 45

[メイン2] ボンドルド :

[メイン2] ボンドルド : 「時にクリスさん……アナタは、この北海道という土地のことをどれほど知っていますか?」

[メイン2] 雪音クリス : 「サッパリだな、飯とガッカリ名所の話くらいだ」

[メイン2] ボンドルド : 用意した車を走らせながら、ボンドルドは傍に座る少女にふとそんな質問を投げかけては、満足そうにそうですかと頷いていた。

[メイン2] ボンドルド : 「無理もありませんね…この広大な土地とそこにある歴史や自然も、自らの目と舌と鼻と耳と肌で感じねばその価値は計り知れないというもの…」

[メイン2] ボンドルド : と、ハンドルを切る。

[メイン2] ボンドルド : 「どうでしょう、ここは一つ年寄りを助けると思って長話に付き合って頂けませんか?」

[メイン2] 雪音クリス : 「年寄り…なのか? まあ、着くまで時間もあるし、暇つぶしなら大歓迎だ」

[メイン2] ボンドルド : 「なあに、人間であれば20年や30年も生きればそんなものですよ」
年寄り、という言葉は確かに少女には分かりにくかったと思い補足し

[メイン2] 雪音クリス : そういうもんかねぇ、と呟き
椅子へと深く沈む

[メイン2] 雪音クリス : 「で、長話ってなんなんだよ。ボン、北海道に纏わる話しか?」

[メイン2] ボンドルド : 「ええ。まさにその通りです」

[メイン2] ボンドルド : 大仰な咳払いを挟み。

[メイン2] ボンドルド : 「今、我々が踏み締めている北海道地方の巨大さは、その面積およそ8万平方kmを誇ります。東京都のおよそ40倍…と言えばなんとなく伝わるでしょうか」
「島国日本の中でも目を引く大きさの土地です」

[メイン2] 雪音クリス : 「伊達に地図にもでっかく載せられてねえよな……移動にも車がいるわけだ」

[メイン2] ボンドルド : こくこくと頷き(首が痛いので若干控えめに)、場合によっては同じ北海道の中でも飛行機で移動することさえあるといったような話を加え。

[メイン2] ボンドルド : 「そう言った北海道ですが…実は、ほんの150年前までは、いわゆる日本ではなかったのですよ」

[メイン2] 雪音クリス : 「……そういや、そんな話があったな」

[メイン2] ボンドルド : 「ご存知だったとは…クリスさんは賢いですね…」
「そう、ここ北海道という土地はそれまで、本土に住む人種とは異なる民族が支配し、独自の文化を作り上げていた土地なのです」

[メイン2] ボンドルド : 「少し乱暴な言い方をしてしまえば、ここは日本国が先住民を退けて占領した土地とも言えます」
「…もっとも、日本が手を出さなくとも今で言うロシアや中国といった他国が手を出していたことは想像に難くありませんが……要するに、そう言った国際情勢に呑み込まれた歴史があると言えます」

[メイン2] 雪音クリス : 「…まあ、なんとも。何処も頷きがたい事はあるもんだよな」

[メイン2] ボンドルド : 「悲しいことです…実に悲しいことだ」
「しかし、過去はあくまで過去。既に起きた事実。それ以上でもそれ以下でもありません…たったの150年といえばたったの150年ですが、それでも戦争をも2度超えた今、その恨みを持っているような人間はもうこの世にいないでしょう」

[メイン2] ボンドルド : 「そして今ある事実だけを言えば」
「そのようにして近代化や経済政策の為に開拓されて行ったこの北海道ではありますが、都市部の他にはまだこうして青々とした自然が残り、今我々のいる東部には世界の人々が認める知床半島という自然遺産が残っています」

[メイン2] ボンドルド : 「…っと、少し話が長くなりましたが……」

[メイン2] ボンドルド : 「つまりはね、クリスさん。私が言いたいのは、征服された過去から戦争を憎めと言うことでも、人の手の加わらない大自然を慈しめと言ったような説教くさい話ではなく…」

[メイン2] ボンドルド : 「そこに何があるかと言うことを知った上で、ご自身がどう判断するのかということが一番大切だと言うことです」

[メイン2] 雪音クリス : 「……ま、そうだな」

[メイン2] 雪音クリス : 「どう思うか、ねぇ」

[メイン2] ボンドルド : 「まあ、例えばもしかしたら『何やら恨み言を言っているオリジン:プラントだのレジェンドっぽいRB』が出てくるなんてこともあるかも知れませんしね」
「そういう時にただ殴り飛ばすのか、話を聞いてあげるかは、相手のことを知ってからの方が後腐れないでしょう?」

[メイン2] 雪音クリス : 「…ま、そうかもな」

[メイン2] 雪音クリス : 首飾りをチラリと見た後、外を見つめる

[メイン2] 雪音クリス : 「RB、ね。どういう事考えてんのか、あたしにもわからねえんだよな……」

[メイン2] ボンドルド : 「ちなみに何故こんな話をするのかと言えば、実は私はその昔、ロクに下調べもせずに向かったド田舎で何やら怪しげな石の祭壇的なモノをうっかり蹴り飛ばして叩き壊してしまった際に、何やらヤバげな邪神的なオリジン:レジェンドっぽいRBに取り憑き殺されかけた経験が………………ほう?」

[メイン2] 雪音クリス : 首元の”イチイバル“
それは、クリスの覚醒要因ともなった一種のEXレネゲイド

[メイン2] 雪音クリス : これと共振する事で、力を最大限に引き出すわけだが……

[メイン2] 雪音クリス : 「うんともすんとも言やあしない。隣人殿のお心は、どう探ったものかねぇ……」

[メイン2] ボンドルド : 「ふむ……」

[メイン2] ボンドルド : 「つまり……クリスさんはそのお方のことをもっと知りたいと?」

[メイン2] 雪音クリス : 「まあな、とはいえ。意志があるかも確かじゃねえんだが……」

[メイン2] 雪音クリス : 人に応えるからと言って、それが意志の証明とは限らない

[メイン2] 雪音クリス : 山彦の様なものかも知れないし、ただのプログラムである可能性も高い、が

[メイン2] 雪音クリス : 「散々世話になってるからな……呪わしくもあるが、言いたい事でもありゃ聞いてやりたい」

[メイン2] ボンドルド : 「おーやおやおやおや」

[メイン2] ボンドルド : 奇声を上げて、ガクガクとマスクを揺らす。

[メイン2] ボンドルド : 「では、それを叶える方法は簡単ではなくとも、単純なことですよ、クリスさん」

[メイン2] ボンドルド : 「調べましょう、聞きましょう、尋ねましょう」

[メイン2] ボンドルド : 「知りたいこと、それについてはそうするしかないのですよ」

[メイン2] 雪音クリス : 「……まー、その通りなんだが」

[メイン2] ボンドルド :

[メイン2] 雪音クリス : 要するに、対話方法を模索する他なく
現状は何もできないという結論が出ている

[メイン2] ボンドルド : ガクガクとマスクを揺らし、首が痛いので少し止まる。

[メイン2] ボンドルド : 「なあに、大丈夫ですよ」
「進んでさえいれば、いつかはたどり着くものです」

[メイン2] ボンドルド : 「我々の車がそろそろ白兜村に到着するように」
前を見据えて、この広大な大地にポツンと偏在する村の一つに目を向ける。
文化的にも地理的にも、本土の人間には異質に映るこの土地であっても向かえばたどり着くことは出来るし、物は上から下に落ちる。それは変わらない。

[メイン2] 雪音クリス : 「…ま、今は任務の事を調べるかね」

[メイン2] 雪音クリス : 端末を懐から取り出して──

[メイン2] 雪音クリス :  

[メイン2] 雪音クリス : 他組織の関与について 情報:UGN

[メイン2] GM : 8

[メイン2] 雪音クリス : 2dx+1 (2DX10+1) > 6[1,6]+1 > 7

[メイン2] 雪音クリス : 財産点っと

[メイン2] GM :  

[メイン2] GM : ・他組織の関与について
FHにおいては、特にこれといった大きな動きは見られない。
もちろん、水面下で動いている可能性も挙げられるが、今いるのは、地平線まで見える広大な大地の北海道。
隠れるための場所も無ければ、そもそも流通の面で言っても長期滞在に適していない。
また、他組織の関与という点で言えば、ゼノスの動きが見られる程度ではあるものの、本件に深く関わるといった様子も無いようだ。
どちらかというと、静観しているように見える。

[メイン2] GM :  

[メイン2] 雪音クリス : 「特に関与無し、か。まあ、外野を気にしなくていいのは当たりだわな」

[メイン2] ボンドルド : 「おやおやおやおやおやおや」
マスクをガクガクと揺らす。

[メイン2] 雪音クリス : 「ボン……それ、大丈夫か?」

[メイン2] ボンドルド : 「フフフ……」

[メイン2] ボンドルド : 「村に着いたら、湿布を交換していただけると助かります」

[メイン2] 雪音クリス : 「…いいけどよ、マスクも付け直した方が良いぞ。多分」

[メイン2] 雪音クリス :  

[メイン2] 雪音クリス :  

[メイン] GM : trigger『ようこそ白兜村へ』 登場:任意

[メイン] 歳納京子 : 47+1d10 登場/リザレクト (47+1D10) > 47+7[7] > 54

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 47 → 54

[メイン] ガユス : 38+1d10 (38+1D10) > 38+10[10] > 48

[メイン] system : [ ガユス ] 侵蝕率 : 38 → 48

[メイン] 雪音クリス : 45+1d10 登場/リザレクト (45+1D10) > 45+9[9] > 54

[メイン] system : [ 雪音クリス ] 侵蝕率 : 45 → 54

[メイン] リセット・カラー : 52+1d10 登場/リザレクト (52+1D10) > 52+2[2] > 54

[メイン] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率 : 52 → 54

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ─────ここは、白兜村。
緑が一帯に広がり、遠くにある山が薄っすらと見えるような、広大な平地と
ぽつぽつと、小さな家が立っている程度の、まさしく田舎村と言うような村。

[メイン] GM : 車を降り、手始めに牛や羊の、獣臭い匂いがあなた達の鼻を通るだろう。
そのくらいに、畜産業が盛んであるということの証だ。

[メイン] GM : その日は快晴。
されど、あなた達オーヴァードは、確かに察知する。
この周辺区域には、確かに通常よりも濃くレネゲイドが活性化しているということに。

[メイン] GM : 情報にあるような静電気現象は、現状は確認できない。

[メイン] 歳納京子 : 「……鼻を突き抜けるのは清々しい自然の香りで……むげっ」

[メイン] 雪音クリス : 「獣くさいな、オイ」

[メイン] リセット・カラー : 「あはは…面食らうよね…」

[メイン] 歳納京子 : 両手をいっぱいに広げて、息を思いっきり吸えば。
動物の香りが鼻いっぱいに広がる。
結構な匂いだったので、涙目で鼻を摘みつつ。

[メイン] ガユス : 「まぁ酪農地域特有の発酵臭だ……そのうち慣れるだろ」

[メイン] 雪音クリス : 昔いた場所よりマシだが
慣れないときついなこりゃ…

[メイン] ガユス : 言ってる本人がもうげんなりしている。マスクもってくりゃよかった。

[メイン] ガユス : ん……マスクっていえば……?

[メイン] ガユス : 「おい、ボンドルドはどうした?」

[メイン] ガユス : そう、クリスに尋ねる。確か一緒だったはずだ。

[メイン] リセット・カラー : 「た、たしかに…嫌になっちゃったのかな?お外…」

[メイン] 雪音クリス : 「ありゃ…さっき、湿布も変えたんだけど…」

[メイン] 歳納京子 : ガユスの言葉に、確かに……?とキョロキョロ。

[メイン] ガユス : 「まぁ……支部長だし、なんか色々準備とかあるのかもな……」

[メイン] ガユス : 「それに、もう……レネゲイドの気配はたしかに感じられる。広範囲の調査になるし、固まって動いちゃいつ終わるかわからない」

[メイン] ガユス : 「ある程度バラけて調べるぞ」

[メイン] 雪音クリス : 「りょーかいっと」

[メイン] 歳納京子 : ガユスの答えに、なるほど、と頷きつつ。

[メイン] 雪音クリス : 靴を地に打ち付けて整えて伸びをする

[メイン] リセット・カラー : 「了解です!その旨をボンドルドさんに伝えるの忘れないようにお伝えしておきますね」

[メイン] ガユス : まぁ、あいつならわかってそうだとは思うが……伝えるのは大事だな。

[メイン] 歳納京子 : 「む……わかった!」
京子自身、感覚が特別鋭いオーヴァードという訳では無いが、それでもより濃くレネゲイドが感じられる。

[メイン] 歳納京子 : ただ……情報にあった静電気は……今はない……のかな?
不振げに空を見つつ。

[メイン] 歳納京子 : ふわりと、金髪が風で揺れながら。
空に目を細めて────。

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 : ・レネゲイド反応について、またそれの出元
情報:UGN

[メイン] GM : 15

[メイン] 歳納京子 : 高い……

[メイン] 歳納京子 : 援護の風+ウィンドブレス

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 54 → 58

[メイン] 歳納京子 : 7dx+10=>15 (7DX10+10>=15) > 10[1,2,5,6,7,9,10]+1[1]+10 > 21 > 成功

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 大気中に漂う、ブラッグドッグシンドロームのレネゲイドは、微弱である。
しかし、あなたは「優秀」なオーヴァードであり、その調査を滞りなく進めることができた。

[メイン] GM : とは言えど、この作業で十数時間を消費することとなってしまった。
そのくらいにまで、この大地は広いのだ。

[メイン] GM : そして京子は、とある牧場へと足を踏み入れることとなるだろう。
レネゲイド反応は、微量ながらも、この辺りから高くなっていた。

[メイン] ガユス : 「ここか……」

[メイン] GM : 羊達が、のんびりと過ごしている場所であった。
そして近くには、こじんまりとした農家もあった。

[メイン] ガユス : 車で京子に指示されるままあっちこっち移動してやっとついた。

[メイン] ガユス : 流石に疲れた。車はいきなり止まらないし曲がらねぇんだよ。

[メイン] 歳納京子 : 「は、はぁ……はぁ……!
 お、お疲れさまぁ……」

[メイン] リセット・カラー : 「や、やっぱり広いですね…」

[メイン] 雪音クリス : 「…ついたか、流石にかかっちまったな」

[メイン] 歳納京子 : 最初の方は金髪が風で揺れて目を細めていたが、それどころでは無かった。
十数時間レネゲイド反応を確認し続けており、座席に持たれかけながら。

[メイン] 少年 : 小さな農家から、青髪の少年が出てくる。
その表情には、どこか疲労の様子が伺えるも、そのまま羊達を小屋へと入れる作業に取り掛かった。

[メイン] 歳納京子 : それほどに、この大地が広く、また調べるのに難しい証拠であった。
無茶な指示をした主は、運転手にありがと〜と感謝を述べながら、車から降りて。

[メイン] 歳納京子 : 「あっ、こんちは〜!」
と、人がいたのでまずは声をかける。

[メイン] 少年 : その声に、過剰にまでびくっ!?と反応し、驚いた顔を見せる。

[メイン] 少年 : 「わ……!?……あ、あれ……?どちら様、でしょうか……?」

[メイン] 歳納京子 : その言葉に、はっ、とした顔になる。
レネゲイドについては当然言えない。完全に無鉄砲の無計画で来てた。

[メイン] ガユス : 「どうも、東京の国際環境情報大学からきました」

[メイン] 少年 : 「と、東京!?」

[メイン] リセット・カラー : ささっと車内に隠れておく
私が居ると多分とても面倒な話になる

[メイン] ガユス : 「俺たち、サークルで酪農に関する研究を今しているんですよ。その一環でやってきました」

[メイン] ガユス : 「いや、本音はサークルの費用で北海道旅行をしたかっただけなんですけどね。ははは」

[メイン] 少年 : 「な、なるほど……それは、これはまた、遠いところからお越しになって
 お疲れ様です……」

[メイン] 歳納京子 : 助け舟を出したガユスに、きらきらと目を。
……救世主……!

[メイン] ガユス : 「いやいや、ごみごみした都会から開放されて、清々しい気分ですよ」

[メイン] 少年 : 「なるほど……そういうものなのですね……
 何もないところではありますが、ごゆっくり楽しんでくださいね」

[メイン] ガユス : 笑顔でそう応対する。これでも一応講師業もバイトでやってる。作り笑顔は慣れたもんだ。

[メイン] 少年 : ガユスらの目的が分かったようで、歓迎するようににこりと微笑む。
しかし、その顔にはやはり、疲れの色が見えた。

[メイン] 歳納京子 : 「わ、私もそんな感じで付き添い……だね!」
さすがに中学生が大学生と偽るのもアレだったので、そこら辺はボカす。
……身分を偽るのは毎度のことだが、やっぱりその辺は慣れない。

[メイン] 歳納京子 : 「ん……そっちこそ、疲れてるみたいだけど……お仕事?」

[メイン] 歳納京子 : と、やけにヘトヘトな様子の彼を見つめて。

[メイン] 少年 : 「……へっ!?あ、い、いえいえ!大丈夫です!」

[メイン] ガユス : 黙ってりゃバレないのに……慣れてねぇなと若干溜息。最近は年齢はみんな分かりづらいので、堂々としてりゃ案外バレないもんだ。

[メイン] 少年 : 「そう、ですね……」
牧草を見やりながらも。

[メイン] 少年 : 「……しばらく、僕一人でお世話、してますからね」
困り眉で、京子に小さく笑う。

[メイン] 歳納京子 : 「うぇっ……!?」

[メイン] 歳納京子 : ぱっと、後ろにある牧場に目をやり。

[メイン] 雪音クリス : 「…そりゃ、苦労してるな。どうしたんだ?」

[メイン] 歳納京子 : 「こ、こんなデカいのを……!?
 そりゃまた、お母さんとかお父さんは……?」

[メイン] 少年 : クリスの言葉に、微妙そうな顔を浮かべる。

[メイン] 少年 : 「……………ついこの間に、亡くしまして……
 ………ああっ、す、すみません、暗い話を!」

[メイン] 雪音クリス : 「…いや、こっちも不作法だったな」

[メイン] 少年 : 「えっと……ここから真っ直ぐ行った場所に民宿がありますので!
 それと、えっと、えっと……確か、そこで白兜産羊のミルクで
 作った、ソフトクリームなんかも、食べれると思いますし……」

[メイン] 少年 : 少年の顔には、引きつった笑顔が張り付いていた。
いわゆる、空元気というものであろう。

[メイン] 雪音クリス : ……遠回しに向こうへ行ってくれ、と言われてる臭いな

[メイン] 歳納京子 : 「……あ、こっちこそごめん!」
ぺこっ、と頭を下げつつも。心配そうに目をやる。

[メイン] 雪音クリス : ま、そりゃそうだ。唐突にやってきて地雷踏んづけた都会もんにしか見えんだろうし……

[メイン] 歳納京子 : ……親がいなくなった、そのどこか穴が空いた気持ち……その気持ちは……わかる。

[メイン] 雪音クリス : 「教えてくれてありがとな、まあ。さっきの詫びってわけでも無いんだが……」

[メイン] ガユス : 困った顔をする。話を聞きたいのだが、あまり突っ込んで聞ける雰囲気でもない。酪農業となると、朝から仕事ばかりのはずだ。時間を作ってもらって取材というのも難しい。

[メイン] 歳納京子 : 「…………ガユスさん、クリス……
 えっと、先に宿の方に向かってもらっても……いい?」

[メイン] 雪音クリス : 「手伝える事、なんかあるか? 言い訳程度に使った名目でも、守っておかないと煩い時もあってさ」

[メイン] 歳納京子 : 二人に顔を向けつつ、ググッと伸びをして。

[メイン] 少年 : 「て、手伝えること、ですか……!?
 そ、そんな、申し訳ないですよ……!
 それに、皆さんは旅行目的なんですし……」

[メイン] ガユス : 丁度提案しようとしたことを、クリスがしてくれて助かった。男の俺がいうより、年若い女性に言われる方が嬉しいはずだ。

[メイン] ガユス : 俺だったら絶対そっちのがいい。

[メイン] 雪音クリス : 「いいんだよ、何もしないと寧ろ、楽しめえねえし……」

[メイン] 歳納京子 : 「一人で足りてないんなら、私も……手伝うよ
 ……! クリスも手伝ってくれるのか!」

[メイン] 少年 : 「………!」

[メイン] 少年 : 驚いたように、目を丸くしながら
クリスと、そして京子の顔を見やり。

[メイン] ガユス : 「我々は酪農研究サークルですからね、現場のことはしかし知らないことばかりですから……よければ、お手伝いさせて頂けませんか?」

[メイン] 少年 : 「………なる、ほど……では……
 ……僕も、皆さんの研究のお手伝いということを兼ねて……」

[メイン] ガユス : 「はい、よろしくお願いします、北海道から手ぶらで帰るわけにもいきませんから」

[メイン] 歳納京子 : なにせ、みんなは数時間かけて疲労は溜まっている。
宿で先に休んでおいて、とも言おうとしたけれど。
やる気を見せているクリスに目をやりつつ。こくりと頷く。

[メイン] ガユス : そう、笑顔を向ける。あくまでこっちにも理由がある。利益があると提示すれば、向こうも安心するものだ。

[メイン] 少年 : あ、あははは……と困ったように笑いながらも。
どこか、心労が一つ消えたような表情となる。

[メイン] ガユス : 無償の厚意は胡散臭いが、そこに利益があるなら人は警戒心を緩める。詐欺の基礎だ。

[メイン] 雪音クリス : 「助かるよ、えーっと……」

[メイン] 少年 : 「では……明日、早起きとなってしまいますが……
 羊のお世話体験でも、いかがでしょうか……?」

[メイン] 少年 : あ、とクリスの方を向き。

[メイン] 雪音クリス : そういえば、勝手にいろいろ言っておいて名も訪ねていなかったな……

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「僕は、柏森 裕翔(かやもり ゆうと)と言います
 皆さん、よろしくお願いします」
ぺこりと、行儀よくお辞儀。

[メイン] 歳納京子 : 疲れが少し抜けたような顔に、にっ、と笑いつつも。
少年に目を向けて。

[メイン] 雪音クリス : 「っと、悪いな……」

[メイン] 雪音クリス : 「あたしはクリス、雪音クリスだ。んで、こっちは……」

[メイン] 歳納京子 : 「裕翔……うん、よろしくね!私は歳納 京子!
 天才って覚えてくれてもだいじょーぶ!」
びしっと、親指を立てながら。

[メイン] 歳納京子 : こちらを見たクリスに、にっ、と笑いかけて。

[メイン] 雪音クリス : 「…ナルシストの京子だ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : あ、あはは……と、どこか楽しそうに笑う。

[メイン] 歳納京子 : ニッと笑った顔が、うぎい!と頬を膨らませながらも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : そして少年は改めて3人へ頭を下げ、羊達のいる牧草へと歩き
笛を鳴らし、羊達を小屋へ入れる作業を始める。

[メイン] ガユス : 「ありがとうございます、遅れましたが、俺はガユスです。車もありますから、なにか運ぶ必要があれば気軽にいってください」

[メイン] ガユス : 自分の車だったら絶対嫌だが、これはUGNの車だ。少しくらい汚したってかまわない。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 作業中、ガユスにも、何から何までありがとうございます……と深々とお辞儀をする。

[メイン] ガユス : 「では、お仕事中お邪魔してすいませんでした。明日の早朝にまた」

[メイン] ガユス : そういって、明日の何時にだの、駐車はどこにすりゃいいかだの簡単に聞いて、仕事の邪魔にならないうちに引き上げる。

[メイン] 歳納京子 : てきぱきと手配するガユスに、目を送りながら。

[メイン] 歳納京子 : ちらりと裕翔の方に目を送る。

[メイン] 歳納京子 : 「あ、そうだ!
 ……裕翔の家に泊まったりとかって……出来る?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………へ!?」

[メイン] 歳納京子 : もちろん変な事するわけじゃないよ!って言い、手をわきわきとさせつつも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 目を大きく開け、驚き。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「あ、あまり家は、綺麗ではないので……」

[メイン] 歳納京子 : 「いやあ……付き添いで来たはいいものの、周りが大人ばっかりで居心地悪くてさぁ~……」
あはは、と笑いながら。

[メイン] 歳納京子 : 普通に嘘だった。だが。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……………へ?……?…………ん?
 えっと……?歳納さんが、うちに泊まりを……と?」

[メイン] 歳納京子 : ……疲れてるのは、一人で世話をする苦労だけじゃない。
きっと、心の疲れがたまっているせいも大きいと思う。

[メイン] 歳納京子 : それを見たのに、じゃあ明日会いましょう。
なんて、何となく気持ちが悪くて。

[メイン] 歳納京子 : 「そ!」
こくりと頷き。

[メイン] 歳納京子 : 「もちろん私は床で寝ます!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「!?!?!?!?!?
 あ、あれ!?皆さんがうちに、というのではなく!?
 ……!?!?!?!!」

[メイン] 雪音クリス : 「おい」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 現在、少年が一人暮らしをしている家に、少女が泊まりに来る。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ラノベみたいな出来事が起こってしまっている。

[メイン] 雪音クリス : グイ、と京子を引き寄せると。小声で語りかける

[メイン] 雪音クリス : 「何やってんだお前……まだ肝心の静電気の発生源も見つかってないんだぞ?」

[メイン] 歳納京子 : 「……はっ!」

[メイン] 雪音クリス : 「…後、奴さんかなり困ってるみたいだしよ」

[メイン] 歳納京子 : クリスの言葉に、目をぱちぱちと瞬かせて。
そうだった……!みたいな顔。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 顔を真っ赤にさせて狼狽えてる。

[メイン] 歳納京子 : 「あ、それならクリスも来る?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……!?」
それはそれで刺激的。

[メイン] 雪音クリス : 「騒がせて悪いな、柏森! こいつには明日までにしっかり言っておくから。また今度な!」

[メイン] 雪音クリス : そのままズルズルと車へと引っ張っていく

[メイン] 歳納京子 : 「あ、まだ返事を聞いてな……おわ~~~~!!」

[メイン] 歳納京子 : ずるずると地面に靴跡が擦られた様子を残しながら、腕を伸ばしていた京子は引っ張られていった。

[メイン] 歳納京子 : そして、も~~~、と不満げな声を漏らしたのだった。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ─────そして、あなた達は民宿に泊まることとなった。

[メイン] GM : レネゲイド濃度が通常よりも濃いということを覗けば、何の変哲の無い、平和な田舎村であった。

[メイン] GM : 手掛かりらしい手掛かりを掴めることなく、今日という日は終わり
明日に向けて、本格的にレネゲイド調査のために、就寝に入ることだろう。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :   

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ビリッ

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ビリッ

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ─────あなた達が熟睡する頃に放たれる、微量の電気。

[メイン] GM : それは、眠りを僅かに妨げていた。

[メイン] GM : ほんの僅か、深い睡眠に入る一歩手前の状態のまま。

[メイン] GM : それにあなた達が気づいたかどうか、それは

[メイン] GM : あなた達次第だろう。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] ボンドルド : middle 『メイドインホッカイドウ』
登場:任意

[メイン] ボンドルド : 47+1d10 登場/リザレクト (47+1D10) > 47+1[1] > 48

[メイン] 歳納京子 : 58+1d10 登場/リザレクト (58+1D10) > 58+10[10] > 68

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 58 → 68

[メイン] 雪音クリス : 54+1d10 登場/リザレクト (54+1D10) > 54+4[4] > 58

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド : 「起きてください。起きてください。皆さん、朝。朝ですよ、朝」

[メイン] ボンドルド : カンカンカン!と何やら手元の金属を鳴らし、くぐもった声で顔全体を覆うマスクの向こうから目覚めを呼び掛ける男がいた。

[メイン] ボンドルド :

[メイン] 雪音クリス : 「誰だテメェ!!!」

[メイン] 雪音クリス : 寝起きに見慣れぬ仮面の男
警戒、携帯、銃撃用意。後は引き金

[メイン] ボンドルド : 「誰だ…とは随分と不躾な……。若い子はそれくらい元気な方がよろしいですが…。私、私ですよ。ボンドルドです」
「昨晩からうなされていらっしゃったガユスさんがお目覚めになりそうにありませんので代わりにみなさんを昨日の少年の農場までお連れするのではないですか」

[メイン] 雪音クリス : 「…いや、ボンドルドって、いや確かに声は」

[メイン] 雪音クリス : 「…いや、格好変わりすぎだろ!?」

[メイン] 歳納京子 : 「ふぁ……あと5分……
 んにゃ……え、ボンボルド……?」

[メイン] 雪音クリス : 体格さえ変化している様に見える

[メイン] 歳納京子 : 目に少しクマを作った状態で、ぼさぼさの髪ながらも扉から出てくる。

[メイン] ボンドルド : 「どうにも昨晩、歳のせいか上手く眠れなかったものですから、首の疲れがどうしても取れなかったので外装を軽量のものに取り替えただけですよ」

[メイン] 歳納京子 : そんな京子の目に映ったのは、元気銃を持つクリスと……
声はボンボルドの……誰?マスクが違うよね?

[メイン] 歳納京子 : まだ夢でも見てるのかな……ごしごしと瞼を擦りながら。

[メイン] ボンドルド : 「おはようございます」
目の前に顔(というかマスク)を突き出す。

[メイン] 雪音クリス : 「…だからって、その不審者全開スタイルで来るか普通」

[メイン] 歳納京子 : 「眠れなかった……ん、そういえば私もそうかも……
 てか、銃はしまった方がいいよ!?クリス!」

[メイン] 雪音クリス : 「安心しろ、もうしまうから……」

[メイン] 歳納京子 : 「うひゃあっ!?!??!??」

[メイン] 雪音クリス : 騒がせて悪かったな、などと言いながら
銃をケースに収納し…

[メイン] 歳納京子 : 目の前に突き出されたフェイスに、一歩下がりつつ。
引きつった顔になりながら。

[メイン] 歳納京子 : 「まぁ、長旅で疲れてたのかもね~……
 それじゃあ、朝早くだけど……運転、お願いしてもいい?」

[メイン] 歳納京子 : こほん、と胸を叩きつつ。
ボンボルドに目を向けて。

[メイン] ボンドルド : 「勿論です……と、ああ…リセットさんもお目覚めにならないようですね」

[メイン] ボンドルド : そこで少しばかり俯き(少なくともマスクは下を向いているように見える)。

[メイン] ボンドルド : 「では、ガユスさんのことも心配ですし彼女もここで待っていてもらいましょう…力仕事を少年の前で任せるわけにも行きませんしね」
と言いながら何かを書き置き、その部屋を後にした。

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド : 『柏森 裕翔少年の農場について』を情報:噂話で調べたいですね

[メイン] GM : 8

[メイン] ボンドルド : 2DX>=8 (2DX10>=8) > 10[8,10]+10[10]+5[5] > 25 > 成功

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ・柏森 裕翔少年の農場について
羊を中心とした畜産業を稼業にしている。
裕翔の両親は先月、流行り病によって亡くしてしまった。
現在、裕翔一人で柏森家の牧場一帯を継いでいるといった状況だ。

[メイン] GM :  

[メイン] ボンドルド : 「と、いう訳で」

[メイン] ボンドルド : 「私が酪農サークルの責任者であるボンドルドと申します」
「今日は、私の生徒たちの頼みを聞き入れてくださり感謝の念に堪えません」

[メイン] ボンドルド : 黒いコートに身を包み、顔全体をマスクで覆った男は、そのように少年へと頭を下げた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「本当に来てくださるとは、ありがとうございます……
 僕は柏森 裕翔と申します、皆さんの研究のお役に立てるかどうかは
 正直なところ、僕自身未熟なので分かりませんが……
 本日は、よろしくお願いします」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 青髪の少年は、仮面の男に対して、一瞬不審に思うような表情をしつつも
都会とはそういうものなのだろうか?という高速理解で済ませたようだ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「東京って、すごいんですね……!」
意味ありげにそう告げた。

[メイン] 雪音クリス : 「いや、その……まあ、ああ、うん」

[メイン] 雪音クリス : 目を逸らしながら、硬く首を縦に動かした

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 現在、ここは羊達を住まわせている小屋の中であり
裕翔は今、ここで、羊達のミルクを搾取作業を始めようとしていたところだった。

[メイン] 歳納京子 : 「まあ……いないことも、ないんじゃないかなぁ……?」
と、ボンドルドをチラ見しつつも。

[メイン] 歳納京子 : 裕翔の仕草に、ちらりと。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 小屋内は、外の獣臭よりも濃く、羊達の匂いが充満していた。
裕翔は慣れっこの様子ではあるが、ここへ来たばかりの者達にとっては若干、キツい匂いであろう。

[メイン] 歳納京子 : 「ん、それって乳絞りってやつ?
 やり方……テキパキしてるね~、何かやれることってある?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 既に作業服に着替えてあった裕翔はそのまま、専用のバケツを用意しつつ。

[メイン] 歳納京子 : と、近づけば一層獣の臭さが増す。
……この時は、ちょっとあのマスクが羨ましいかも……!

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「あ、それでは皆さんも、このお乳搾り作業をお願いいたします!
 皆さんに合う作業服は、多分あると思いますので
 そちらに着替えてもらいまして……
 そこからの作業は、僕がやり方をレクチャーしたいと思います!」

[メイン] 雪音クリス : 「じゃ、サクッと着替えるか…」

[メイン] ボンドルド : 「ええ。ありがとうございます、裕翔さん」

[メイン] ボンドルド : 礼をするように頭を下げながら、目配せ(目は見えないが)するようにチラリと少女たちを見やる。
手順は、説明してある。

[メイン] 歳納京子 : 「んっ、OK! まっかせて!」

[メイン] 雪音クリス : コクリ、と頷き

[メイン] 歳納京子 : と、裕翔に頷きながら。
ボンボルドに頷いて。

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 : ・裕翔の侵食率、オーヴァードか否か

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 8

[メイン] 歳納京子 : 情報:UGNで

[メイン] 歳納京子 : おけー

[メイン] 歳納京子 : ウィンドブレス+援護の風

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 68 → 72

[メイン] 歳納京子 : 7dx+10=>8 (7DX10+10>=8) > 10[1,2,2,4,4,6,10]+6[6]+10 > 26 > 成功

[メイン] GM :

[メイン] GM : ・裕翔の侵食率、オーヴァードか否か
ブラッグドッグとブラム=ストーカーのクロスブリードである。
侵蝕率は136%。

[メイン] GM :  

[メイン] 歳納京子 : 「…………!?」

[メイン] 歳納京子 : まだ寝ぼけているのかと思った。……いや、そう思いたかった。

[メイン] 歳納京子 : 北海道の空の下、まだ寒いと言うのにたらりと、冷や汗が頬を伝う。

[メイン] 雪音クリス : ……危惧はしていたが、こう来たか

[メイン] 歳納京子 : ……本当に、そうだなんて。あの影響で覚醒した……!?
わかんない。でも、こんなに侵食率が高くなってる理由は……
……両親が居なくなっても、頑張ろうとしすぎた……?

[メイン] 歳納京子 : そんなの……あんまりだ……!!!
日常を失った……ばっかりなのに、それが原因で……"ジャーム"として見なされる……なんて……!

[メイン] 歳納京子 : ゴクリと息を飲みつつも。
その情報を、恐る恐ると2人につたえる。
……伝えなければいけないことだけれど、これを伝えるのは……あんまり、口が動きにくい。

[メイン] ボンドルド : 「おやおやおやおや」

[メイン] ボンドルド : ポン、と京子とクリスの肩に手を置き

[メイン] ボンドルド : 「どうしましたか?着替えはあちらに用意があるらしいですよ?」
「慌てることはありませんが、お待たせするのもなんです。早く着替えてしまいましょう」

[メイン] ボンドルド : と、いつもと変わらないスローな口調で伝えて指示された場所に向かうように、それとなく促す。

[メイン] 歳納京子 : 「……えっ……で、でも……」
目をぱちぱちとさせる。
……いつもと変わらない、でも冷静だ。

[メイン] 歳納京子 : 「…………」

[メイン] 雪音クリス : 「…そうだな」

[メイン] 歳納京子 : ボンボルドの、促す様子に、こくりと頷き。
続くようにして。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : そこは作業服姿の裕翔が、羊の乳搾り作業を途中までやっており。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 着替えてきたあなた達を見て、にこっ、と笑い。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「とても似合ってます
 ……これって、褒め言葉になってます、よね……?」

[メイン] 雪音クリス : 「まあな、んな事気にしなくてもいいんだぜ?」

[メイン] 歳納京子 : 「へへへ……うん、嬉しいよ!
 裕翔もさすが酪農家、様になってるねー」

[メイン] 歳納京子 : 親指をぐっと立てながら、にっ、とお墨付き。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子の誉め言葉に照れたように、頭の後ろを手で摩りながら、ぺこぺこ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……大勢で作業をするのなんて、久しぶりなので……
 なんだか……嬉しいですし、それに……楽しみです
 皆さん、改めてよろしくお願いしますね」

[メイン] 雪音クリス : 「ああ、世話になるよ。センセ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : お辞儀を一つと、そのまま3人を羊達の場所へと案内をし
搾乳のやり方を教える。
強く握り過ぎず、優しく搾り出すようにといった内容で、お手本を見せつつ指導をしていった

[メイン] ボンドルド : 「おーやっやっやっ!素晴らしい手際です!私も続かねば」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「い、いえ、そんなことは……」
少し頬を朱に染めつつも、嬉しそうに作業を続ける。

[メイン] 雪音クリス : 「優しく、優しく……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ボンドルドの不思議な笑い方も、きっと都会の流行りなのだろう、という認識をしたらしい。

[メイン] 雪音クリス : 手先に集中して、傷つけない様に弄っている

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「そうです雪音さん、その調子です……!」

[メイン] 歳納京子 : ふむふむ……と頷きその説明を受けつつ。
ちらりと、時々裕翔の様子を見ている。

[メイン] 歳納京子 : ……全然、衝動のままに動いてるって感じがしない……。
ジャームとは、思えないや……。

[メイン] 歳納京子 : そうしてよそ見をしているから、クリスとは違い、言われた通りに出来ず。
羊に、嫌がるような鳴き声を上げられる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「ああっ、歳納さん大丈夫ですか……!?
 む、難しいことがありましたら、何なりと相談してください……!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : あたふたと京子の方へと駆け寄りつつ、フォローに入る。

[メイン] 歳納京子 : 「うにゃ……難しいや、あはは〜
 ……そういえば、裕翔が世話を続けてるのって……やっぱり、お母さんとお父さんのため……だったり?」

[メイン] 歳納京子 : へへへ、ありがと!と、裕翔に、にっと笑いつつも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子の質問に、少し顔色を曇らせながらも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………はい、僕は……父さんと母さんが生きた証を
 失いたくないので……だから……」

[メイン] 歳納京子 : 「……うん、いい事だと思う」

[メイン] 歳納京子 : こくりと、青色の目を合わせて見つめながら。

[メイン] 歳納京子 : 「私も……お父さんを無くしてて、さ……気持ちはわかるから……
 だからこそ、1人で頑張ろうとしてる裕翔は天才ってことだよ!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………!……歳納、さん……
 ………へへ……ありがとう、ございます……」
恥ずかしくなったのか、頬を染めながら視線を逸らす。

[メイン] ボンドルド : そんなやり取りを見ながら、作業の合間に隙を見て2人の少女に近寄り

[メイン] ボンドルド : 「今はただ、楽しんでください」

[メイン] ボンドルド : 小声でそう告げ、すぐにまた離れ
「おーやおやおやおや!!!実に!実に素晴らしい状態の羊です!!!最高傑作とも呼べるでしょう!」
と酪農体験に戻る。

[メイン] 歳納京子 : 彼のそんな様子に、に〜っと笑いつつも。
裕翔とクリスに教わりながら、酪農体験を続ける。

[メイン] 歳納京子 : 「……!」

[メイン] 歳納京子 : 「……ボンボルド……さん」
…………さっきも、気にしそうだったら……こうして呼びかけてくれた……
……気を使ってくれた、のかな。

[メイン] 雪音クリス : 「…まだ、全部が終わったわけじゃねえし。刺激を与えるわけにもいかねえ」

[メイン] 雪音クリス : 「…今は我慢だ、京子」

[メイン] 歳納京子 : クリスに……こくり。

[メイン] 歳納京子 : ……まだ……何がわかった訳じゃ……ないもんね。
焦っても……仕方ない、のは……クリスに見抜かれちゃったか。

[メイン] 歳納京子 : 「……ありがとう……!あんまり不安になりすぎても……ダメだもんね」

[メイン] 雪音クリス : ……無理もねえがな。
なにもやらかしちゃいない奴が、危うく怪物の一歩手前となれば、顔に出ない奴は一握りだ

[メイン] 雪音クリス : 「…全く、やりきれねえ」

[メイン] 雪音クリス : 流行病、ね。気軽にやってくれるよ
こちとら、一人助けるのに必死こくのが毎日だってのに……

[メイン] 雪音クリス : パパとママ、それがいない気持ちなんざ
病共にはわかりゃしないだろう

[メイン] 雪音クリス : ……いや

[メイン] 雪音クリス : 「…その結晶のお前なら、少しはわかるか?」

[メイン] 雪音クリス : 真っ赤な首飾りへと声をかけ

[メイン] 雪音クリス : 答えなんぞあるわけもなく、独り言は羊の鳴き声の中に埋もれていった

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン2] ガユス : middle 『Nightmare』 登場:任意

[メイン2] ガユス : 48+1d10 (48+1D10) > 48+8[8] > 56

[メイン2] リセット・カラー : 54+1d10 登場/リザレクト (54+1D10) > 54+6[6] > 60

[メイン2] ガユス :  

[メイン2] ガユス : 一日中運転していた疲れに加え、本業のなんでも屋での仕事などでも疲弊していたガユスは……田舎の清廉な空気と旨い宿の飯を食い、温かい湯船に沈んでからぐったりとベッドで眠っていたが。

[メイン2] ガユス : 「う、ううう……」

[メイン2] ガユス : 悪夢にうなされていた。

[メイン2] ガユス :  

[メイン2] ガユス : 昔の夢だった。

[メイン2] ガユス : 男には妹がいた。憧れの先輩がいた。愛した女がいた。

[メイン2] ガユス : しかし、その全てを男は裏切った。

[メイン2] ガユス : その全てに男は背を向けた。

[メイン2] ガユス : 理由はいくらでもある。だが、端的にいえば……男は弱かった。

[メイン2] ガユス : それが全てだ。

[メイン2] ガユス : 死んだ妹が笑っている。

[メイン2] ガユス : 「アレシエル……」

[メイン2] ガユス : 裏切った女が笑っている。

[メイン2] ガユス : 「く、クエロ……」

[メイン2] ガユス : 今は亡き師が笑っている。

[メイン2] ガユス : 「ジオルグ……」

[メイン2] ガユス : 廃人になった友人が笑っている。

[メイン2] ガユス : 「ストラトス……」

[メイン2] ガユス : それらが、ガユスを責め立てる。言葉で責めるわけではない。皆笑っているだけだ。しかし、その笑みがガユスには何よりも痛烈な責め苦だった。

[メイン2] ガユス : こいつらはこんな風に笑わない。

[メイン2] ガユス : 絶対にだ。だからわかる。これが夢だって。

[メイン2] ガユス : 都合の良い夢だ、明晰夢だ。明晰夢でなくてもそう思うくらいには現実味がない。

[メイン2] ガユス : なのに俺は笑ってるアイツらを今見ている。俺が見たいだけなんだ。

[メイン2] ガユス : ああ、そうだ、笑っていてほしかったんだ。

[メイン2] ガユス : なのに、なのに。

[メイン2] ガユス : 「……クソが」

[メイン2] ガユス : 目を覚ます。全身に嫌な汗をかいている。

[メイン2] ガユス : 酷い倦怠感だ。

[メイン2] ガユス : 頭を振る。眼鏡をかけ直し、眉間を強く揉む。

[メイン2] ガユス : 「今、何時だ……」

[メイン2] ガユス : 普通に昨日約束した時間から遅刻している。部屋に残された書き置きから、ボンドルドが気を利かせてくれたことがわかった。

[メイン2] ガユス : しかし、そうなると。

[メイン2] ガユス : 「……リセットも、いるのか?」

[メイン2] ガユス : 居残りは、俺一人じゃないはずだ。

[メイン2] リセット・カラー : 物音に気づいて、こんこん と部屋へのノックを叩いて

[メイン2] ガユス : 「……開いてる」

[メイン2] リセット・カラー : 「あ、タイミング被っちゃいましたかね…」
えへへ…と言う顔で二人分のコーヒーを持ってきて部屋に入ってきた

[メイン2] ガユス : 「いや、ありがとう……」

[メイン2] ガユス : コーヒーは素直に助かる、少しでも早く夢の残滓を振り払いたい。カフェインの力を借りて、なんとか頭から嫌な夢を追い出そう。

[メイン2] ガユス : そうして、手を伸ばしたが。

[メイン2] ガユス : 「あっ……」

[メイン2] ガユス : うまく力が入らず、コーヒーを取り落としてしまう。なんてザマだ。

[メイン2] ガユス : 「すまねぇ、片付ける」

[メイン2] ガユス : ベッドから降りようとしたところで、膝をついてしまう。うまく体が動かない。

[メイン2] ガユス : な、なさけねぇ……たかが夢くらいで……!

[メイン2] リセット・カラー : 「………」
その様子を眺めて

[メイン2] リセット・カラー : 「え、えーっと…その…」

[メイン2] リセット・カラー : 「…新しいのを淹れてきますね、とてもお疲れみたいですから…」

[メイン2] ガユス : 「……いや、いい。自分でやる」

[メイン2] ガユス : コーヒーを片付けて、頭を振る。

[メイン2] ガユス : 「……ちょっと夢見が悪かっただけだ」

[メイン2] リセット・カラー : 「………」
実は聴いちゃってた…寝言…あんまり寝付けなかったのもあって

[メイン2] リセット・カラー : 「ガユスさん」
眠る事で休憩出来ないんなら…うーん…どうしたら良いんだろ…

[メイン2] リセット・カラー : 「ちょっと屈んで下さい」
………これ、やっちゃうかあ

[メイン2] ガユス : 「え?」

[メイン2] ガユス : 言われるがまま、呆けた顔で屈む。

[メイン2] リセット・カラー : 「せーのっ!!」
きっと右手を振りかぶって

[メイン2] リセット・カラー : パッシィィィィン

[メイン2] ガユス : 「!?」

[メイン2] リセット・カラー : 思いっきり はたいた
その右手の効果は心の乱れを整える手
怒ったり、悲しかったり何かも一時的に正常にできる

[メイン2] リセット・カラー : 「…ご、ごめんなさい…」
まあ、なんの説明もなしにやる事じゃないんだが

[メイン2] ガユス : 「いや、ありがとう……大分おちついた」

[メイン2] ガユス : 笑みを浮かべて、ズレたメガネを直す。まぁ、普通に助かった。これくらい気合が入ったほうが俺も楽だ。

[メイン2] リセット・カラー : 「…あ」
顔色が晴れたのを見て

[メイン2] リセット・カラー : 「………良かったです」
笑顔を返す

[メイン2] ガユス : 「リセットが見た目子供で助かったよ」

[メイン2] リセット・カラー : 「あ、アハハ…割りと気にしてるんですけどね…この体」
本当はもっとおっきくなりたいのだ

[メイン2] ガユス : 「……悪い、無神経だった」

[メイン2] ガユス : 彼女はRB……レネゲイドビーイングだ、その体躯は人間を模しているだけで、基本的には作り物だ。しかも、完璧ではない。

[メイン2] ガユス : 色々と気苦労があるの違いないだろうに……クソ、余計なことをいった。

[メイン2] リセット・カラー : 「いえいえ、合って数日の相手の頬を叩いた代償としてはこんな物かと…」

[メイン2] リセット・カラー : 「それで…こちらではどう動きますか?コーヒー飲みつつ決めちゃいましょうか」

[メイン2] ガユス : 仕事の話に逸らしてくれた気遣いに甘えて、立ち上がり。

[メイン2] ガユス : 「だいたい見当はついてる」

[メイン2] ガユス : 「何年も見なかった悪夢を都合よくみるのは妙な話だ、何かしら意識に影響がある何かがあったと見たほうがいい……しかし、人の意識に影響を与えられるエフェクトは限られている。だが、それらは基本的に強いレネゲイドを用いたエフェクトばかりだ」

[メイン2] ガユス : 「そんなものが使われているなら、もっとレネゲイド反応は強いはずだ」

[メイン2] ガユス : 「……しかし、レネゲイド反応が微弱なものでも、人の意識に影響を与えることが出来る手っ取り早い現象はいくつもある」

[メイン2] リセット・カラー : 「………うーんと…ソラリス何かはそういうの得意そうですけど…」

[メイン2] ガユス : 「もっと手っ取り早いものがある」

[メイン2] ガユス : 「電磁波だ」

[メイン2] リセット・カラー : 「電磁波…で人の意識に影響を与えれるんですか?」

[メイン2] ガユス : 「人の神経信号は電気信号だ。簡単に影響を与えられる」

[メイン2] リセット・カラー : 「なるほど、それなら…電磁波を…どうするんですか?」

[メイン2] ガユス : 「発生源を調べる、もともと、そういうものが観測されたから調べに来るとかいう話だったろ」

[メイン2] ガユス : 「まるで知らないそれなら手間がかかったが……」

[メイン2] ガユス : 「一度でも『喰らった』ならやりようはある」

[メイン2] リセット・カラー : 「ど、どうしてですか!?辿れちゃうんです?」

[メイン2] ガユス : 「けったいな病気にかかってるんでね」

[メイン2] ガユス : そういって、額に触れる。ガユスのシンドロームはブラックドッグとソラリス……電磁力の分析はお手の物。それだけなら信号を捉えるのは難しいかもしれないが、ソラリスのエフェクトによって体内の脳内分泌物を操作することで、『自分の体に起きたこと』をより精密に分析する事ができる。どれくらいの強さ、どれくらの時間、どれくらいの距離で。それだけわかれば十分だ。

[メイン2] ガユス : 無論、万能でもなければ確度も専用機材を用いたそれよりは劣るが……このだだっ広い北海道では確度が多少劣っても、あとは消去法でどうにでもなる。それだけの電磁波を発生させられるなにかのある場所なんて、そう多いわけがないのだ。

[メイン2] ガユス : 「得意分野は物理より化学なんだが……」

[メイン2] ガユス : 脳裏にちらつく、天才的な電磁異能力者の姿。

[メイン2] ガユス : クエロ。

[メイン2] ガユス : 「……」

[メイン2] ガユス : いや、今はいい。

[メイン2] ガユス :  

[メイン2] ガユス : 『例の電磁波の発生源を推察する』 知識レネゲイドで

[メイン2] GM : 8

[メイン2] ガユス : 2DX (2DX10) > 10[4,10]+1[1] > 11

[メイン2] GM :  

[メイン2] GM : ・例の電磁波の発生源を推察する
柏森 裕翔から発せられたものである。
しかし、不可解なことが他にもあることが分かった。
それは、眠りに着く際に、他のシンドローム反応を感じ取ることができたということだ。
謎の、ソラリスシンドロームのエフェクト反応。《眠りの粉》。
その発生源もまた、柏森 裕翔の近くにある。

[メイン2] GM :  

[メイン2] ガユス : 「……電磁波だけじゃねぇ、やっぱりな」

[メイン2] ガユス : 舌打ちをする。

[メイン2] ガユス : 「何かしらの睡眠薬が微量ながら『盛られ』ている」

[メイン2] ガユス : 「出元は……やっぱり、あの牧場か」

[メイン2] リセット・カラー : 「……って事はあの…裕翔くん?……皆今あっちじゃん!」

[メイン2] ガユス : 丁度、そこで端末がなる。ボンドルドからメッセージ。

[メイン2] ガユス : 「……向こうでもなにかあったらしいな、一度合流だ」

[メイン2] ガユス : 仔細はまだメッセージでは伏せられている、確信に近い『何か』があったが……下手に触れるわけにはいかないといったところか。

[メイン2] ガユス : 「いくぞ、リセット」

[メイン2] リセット・カラー : 「はいっ!」
一気に…事態が変わってきちゃった…!

[メイン2] ガユス : 長閑な北海道旅行、期待していなかったと言えば嘘になるが。

[メイン2] ガユス : まぁいい。

[メイン2] ガユス : 不都合な現実の方が……好都合な夢より億倍マシだ。

[メイン2] ガユス : 逃げるように、俺は寝室を後にした。

[メイン2] ガユス :  

[メイン2] ガユス :  

[メイン2] ガユス :  

[メイン] 雪音クリス : シーン名『現在相談中』登場:自由

[メイン] 歳納京子 : 72+1d10 登場/リザレクト (72+1D10) > 72+4[4] > 76

[メイン] 雪音クリス : 58+1d10 登場/リザレクト (58+1D10) > 58+5[5] > 63

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 72 → 76

[メイン] リセット・カラー : 70+1d10 登場/リザレクト (70+1D10) > 70+7[7] > 77

[メイン] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率 : 70 → 77

[メイン] system : [ 雪音クリス ] 侵蝕率 : 58 → 63

[メイン] ガユス : 56+1d10 (56+1D10) > 56+2[2] > 58

[メイン] system : [ ガユス ] 侵蝕率 : 56 → 58

[メイン] ボンドルド : 48+1d10 登場/リザレクト (48+1D10) > 48+6[6] > 54

[メイン] system : [ ボンドルド ] 侵蝕率 : 48 → 54

[メイン] ボンドルド :

[メイン] 雪音クリス : 暫し経ち、車の前で仲間を待つ

[メイン] 雪音クリス : そうして、飲み終わったジュースの缶を潰していると…

[メイン] 雪音クリス : 「…ん、来たか」

[メイン] リセット・カラー : 「………えーっと…」
牧場に向かっていた人たちの顔色を見て

[メイン] ガユス : 対するこちらも、決して良いとは言えない顔色で、ガユスは軽く頭を掻き。

[メイン] ガユス : 「今朝は悪かったな……それで、そっちは何があった?」

[メイン] ガユス : そう、端的に状況を尋ねた。

[メイン] ボンドルド : 「彼はオーヴァードでした。そして現在侵蝕率は136%を記録しています」

[メイン] 雪音クリス : 「奴さん、覚醒してたよ…ブラックドッグとブラムストーカーだ」

[メイン] リセット・カラー : 「……!!」

[メイン] 歳納京子 : 車の前、クリスと同じように待っていた。
ベンチに座りながらも、二人に顔を向ける。それは決していいものではないが。

[メイン] 雪音クリス : 潰した缶を八つ当たりの様にゴミ箱へと叩き込み

[メイン] ガユス : 「……即時確保が必要だな、そのために一度全員集めたわけか」

[メイン] ガユス : 「冷静な判断だ、流石だなボンドルド」

[メイン] 歳納京子 : クリスに小さく頷く。
それに、理由がそれ一つではないことも、また。

[メイン] ボンドルド : 「人口密集地でないこともある意味で幸いしました」
頷きながら、急ぎではあるが、一旦仕切り直した理由も軽く説明して。

[メイン] リセット・カラー : 「………あう」

[メイン] 歳納京子 : 「……確保……それは保護……っていう意味、だよね?
 もし今……確認したら……」

[メイン] ガユス : 「……彼が抵抗しなければな」

[メイン] 歳納京子 : と、まるで今にも不都合がありそうな、言いよどんだ様子で。

[メイン] 歳納京子 : 「…………」

[メイン] ガユス : 「……だが、一つ懸念がある」

[メイン] ガユス : 「例の静電気について調べたが、ソラリスのエフェクト……『眠りの粉』が同時に使用されていることを確認した」

[メイン] 雪音クリス : 「……なに?」

[メイン] リセット・カラー : 「あ!確かに!クリスさんはブラックドッグとブラムストーカーだって…」

[メイン] ガユス : 「あの牧場の少年が高度なレネゲイド隠蔽術をもっているわけでないのなら、他にもまだレネゲイド的な某かが潜んでいることになる」

[メイン] 歳納京子 : 「……!? じゃあ、また……別のオーヴァードが……?」

[メイン] ガユス : 「一番簡単に考えるならそうだが、モノである可能性もある」

[メイン] ガユス : 「意志なき何かの影響もありえるってことだ」

[メイン] ボンドルド : 「なるほど。では尚更、迂闊な真似は出来ませんね」

[メイン] 雪音クリス : 首元のアクセサリーが音を鳴らし…

[メイン] 雪音クリス : 「……ったく、込み入ってやがる」

[メイン] ガユス : ボンドルドに頷く。レネゲイドは知性体ばかりに宿るわけではない、無機物や伝承にまで伝染し、力を発揮する。

[メイン] ガユス : 「ジャーム一人を討伐して終わり……なんて、一筋縄で行く事件じゃなさそうだぜ」

[メイン] 歳納京子 : 「……あ、”遺産”とかも……そっか
 じゃあ、元々のこの静電気を解決するには、そちらも片づけないといけない……」

[メイン] 歳納京子 : ガユスの言葉に、どきり、と心臓が鳴る。

[メイン] 雪音クリス : 「……で、どうする」

[メイン] 雪音クリス : 「保護するにしろ、眠りの粉を巻いてる野郎が動くかもしれん。 まずはソイツを探るか?」

[メイン] リセット・カラー : 「…あ、でも…」

[メイン] リセット・カラー : 「ガユスさんが探ってみたら…裕翔くんの近くかららしい…んだけど」

[メイン] ガユス : 「ああ。発生源はあの牧場だ」

[メイン] リセット・カラー : 「え、えーっと………」
車内からのあの牧場の光景を思い出す

[メイン] リセット・カラー : 「…んんんん」
何にもなかったような…

[メイン] ガユス : 「現状だけで判断するなら……あそこは間違いなく黒だ」

[メイン] 雪音クリス : 「あの羊くらいしかいない牧場の何処にいやがるんだ…」

[メイン] ガユス : 「わからない。ただ……」

[メイン] ガユス : 「もう、迂闊に近寄るべきじゃないだろうな」

[メイン] ガユス : 「少なくともあの少年との接触はできるだけ避けるべきだ」

[メイン] 歳納京子 : ごくり、と息を呑む。
もし裕翔を覚醒させた原因があるのなら、それを調べなくてはならない、が。

[メイン] 歳納京子 : 「…………っ!」

[メイン] 歳納京子 : 思わず、ベンチからばっと立ち上がりつつ。

[メイン] 雪音クリス : 「!」

[メイン] リセット・カラー : 「…厳しいけど、そうなりますよね…」

[メイン] 歳納京子 : 「そ、それは……!確かに、裕翔が高い侵蝕率になったのは、その何かのせいかもしれないけど……
 私たちが近づかなかったら、もっと酷くなるかもしれない……じゃん!」

[メイン] ガユス : 「……元々、俺たちはあっちからみればただの旅行者だ。俺たちがいないほうがむしろ『日常』だ」

[メイン] ガユス : 「しかも、侵蝕率の値が値だ。万一もう理性を失っているのだとすれば、いつ何をしてくるかわからない」

[メイン] 雪音クリス : 「…刺激が少ないのは、紛れもなくそっちか」

[メイン] ガユス : 「ああ、触らぬ神になんとやらだ……」

[メイン] 歳納京子 : う……と、その言葉に顔を曲げながらも。

[メイン] ボンドルド :

[メイン] 歳納京子 : 「アイツは……理性を失ってなんか、ない……!
 ……ジャームとは、思えなかった……!」

[メイン] ガユス : 「……一見そう見えるジャームは何人も見てきたよ」

[メイン] 歳納京子 : ぎゅっと手を握りしめながらも、ガユスの顔を向けて、そう叫ぶ。
……我儘なことを……行ってしまっている。

[メイン] 歳納京子 : 「……っ……」

[メイン] 雪音クリス : 「……ま、そういうジャームもいるだろうな。まさしく世界は広い」

[メイン] 雪音クリス : その癖、何処もかしこも似たような事が起きて
泣きっ面を拝む羽目になるのは、狭いと思う部分だが…

[メイン] 歳納京子 : 理性があるように見えても、ただ取り繕っているだけかもしれない。
本当の所がわからないからこそ、侵蝕率という基準を設けて、それを越えたら凍結。……そのやり方は、エージェントである京子にもわかっている。

[メイン] 歳納京子 : ……私にも。
そうやって、凍結されてしまった友達がいる。わかってる。

[メイン] 歳納京子 : 握りしめる手を、よろよろと、弱くしながらも。

[メイン] 歳納京子 : 「…………フリーランスを続けてるガユスとか、支部長のボンボルド……
 それに、こうして今UGNとして仕事をしてくれてる、リセットやクリスには……悪いってわかってる、けど……」

[メイン] 歳納京子 : そうして、ぴしりと姿勢を正して。
……立ち上がったまま頭を下げる。

[メイン] 歳納京子 : 「決めるのは、もう少しだけ、待って欲しい……!!
 裕翔のことは、どうにかするから……………
 ……お願い、します………」

[メイン] ガユス : 「気持ちはわかる。しかし、確実な確保に動くためにも、彼に関して迂闊にこれ以上何かするのは……」

[メイン] ボンドルド : 「おやおや」

[メイン] ボンドルド : 「これ以上はただの口論になってしまいますね」

[メイン] ガユス : 思わず、苦い顔をする。ボンドルドの言うとおりだ。まだ、どれもこれも推論でしかない。

[メイン] ガユス : 「……すまない、俺も結論を急ぎすぎた。冷静じゃなかった」
すぐに、頭を下げる。

[メイン] 歳納京子 : ハッ、と瞳を見開いて。

[メイン] 歳納京子 : 「……あ、私も……言い過ぎた、ごめんなさい」
ぺこり。もう一つ、謝る。

[メイン] ボンドルド : 「偉いですね、お二人は」
「過ぎたことを謝れるのは美徳です」

[メイン] ボンドルド : トントン、と肩を叩き、寝不足で凝った首周りの筋肉をほぐす。

[メイン] ボンドルド : 「柏森 裕翔が推定ジャームであることは事実」
「ですが同時に、まだ推定でしかないこともまた事実」

[メイン] ボンドルド : 「そしてまだ我々にはこの地で果たすべき使命がある。ここで空中分解をする訳にはいきません」

[メイン] ボンドルド : 「なので、UGN支部長、ボンドルドの名において命じます」
「皆さまは、明日のこの時間までに各々の知りたいことを、各々の手段で調べてください」
「私はその結果だけを聞き届けます」
「そして、最終的な判断はそこで下しましょう」

[メイン] ガユス : 「……了解、我らが支部長」

[メイン] リセット・カラー : 「りょ、了解です…!」

[メイン] 歳納京子 : 「……!」
その提案に、目を大きくしつつ。

[メイン] 雪音クリス : 「ま、パーツが全部揃えば。自ずと出すべき答えも決まってくるもんだ」

[メイン] 歳納京子 : 「……わかりました!」
ぴしっと背筋を伸ばし、頷く。

[メイン] 雪音クリス : そう言うと、背を預けていた車から離れ

[メイン] 雪音クリス : 「じゃ、早速だ、こっちは取り掛かるよ」

[メイン] 歳納京子 : ……まだ、裕翔はジャームかもしれないし、そうでないかもしれない。
アイツの処分が決まるのは、私自身に懸かっている。

[メイン] 歳納京子 : その事実を確かめるように、ギュッと手を握り。

[メイン] 歳納京子 : 「……私も行ってくる!
 みんな、ありがと!」

[メイン] 歳納京子 : もう片方の手で手を振り、それと同時に走り出していた。

[メイン] ガユス : 二人を見送ると、ガユスは深く溜息を吐き。

[メイン] ガユス : 「俺はソラリスを発症してる……例のエフェクトの線から、第三者の可能性を詰めてみる」

[メイン] ガユス : 「ケツ持ちは頼んだ、支部長」

[メイン] ガユス : 今回、最悪の場合は何人か戦線から抜けることになる。その状態で侵蝕率が130%を超えているジャームを正面から相手するのは……非常に危険だ。

[メイン] ガユス : その時は増援が必要になる。どっちにしろ、時間は後一日必要だった。

[メイン] ボンドルド : 「ガユスさんには我慢してもらう形になりましたからね」

[メイン] ボンドルド : 「それぐらいはお安い御用ですよ」

[メイン] ガユス : 「アンタの采配は正しいよ」

[メイン] ガユス : そう言って、歩き出し。

[メイン] ガユス : 「『嫌な仕事』になりそうな場合は、向こうの面倒みてやってくれ」

[メイン] ガユス : 最後にそれだけ頼んで、ガユスもその場を辞した。

[メイン] ボンドルド : 「やれやれ……みんなの足が早いものだからすっかり残されてしまいましたね、リセットさん」

[メイン] リセット・カラー : 「ですねえ…即断即決、って感じで…」

[メイン] リセット・カラー : 「…皆上手く行けば…良いですね」

[メイン] ボンドルド : その言葉に、ガクガクとマスクを揺らし

[メイン] ボンドルド : 「私は、アナタの先行きも明るくあって欲しいと思いますよ」

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド :

[メイン] 歳納京子 : middle「突撃隣の晩御飯!!!」登場:任意

[メイン] 歳納京子 : 76+1d10 登場/リザレクト (76+1D10) > 76+4[4] > 80

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 76 → 80

[メイン] 雪音クリス : 63+1d10 登場/リザレクト (63+1D10) > 63+4[4] > 67

[メイン] system : [ 雪音クリス ] 侵蝕率 : 63 → 67

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 : ピンポーン、と立派な家のチャイムを鳴らす。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────はーい?……あ、歳納さん?」
玄関からそのまま出てくる。
この周辺地域では、そもそも怪しい人がいるという考え自体が無いためか、扉のロックもかかっておらず、そのまま開けられた。

[メイン] 歳納京子 : 家を見上げれば、大きすぎる訳では無いが、小さすぎる訳でもない。
家族三人暮らしであればそれこそ丁度いいサイズの家だろう。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「研究の方お疲れ様です、いかがなさいましたか?」

[メイン] 雪音クリス : …三人揃って家族、その為の家
そこに一人でいるってのは、全くどれだけ胸糞悪いだろうか

[メイン] 歳納京子 : 「おっす!私だけじゃないぜ!」
ひらひらと手を振りながら、片手には物が詰まったビニール袋を掲げ。
ちらりと後ろにいるクリスに目をやりつつ。

[メイン] 雪音クリス : 「よっ」

[メイン] 雪音クリス : 心の奥底の傷に湧く膿を他所へ捨て
今は笑顔を向ける

[メイン] 歳納京子 : 「えーとそれでさ、泊まりは色々問題で無理でも……
 ご飯くらいならどう?って思って!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「わ、雪音さんも、これはこれはどうもです」
へこへこと二人に頭を下げる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……むむ、ご飯……ですか……
 そうですね……手伝ってくださったお礼もしたいところでしたし
 どうぞ、上がってください」

[メイン] 雪音クリス : 「それじゃ、ありがたく…」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 特に嫌そうな表情もせず、穏やかな表情で二人を家の中に招き入れる。

[メイン] 歳納京子 : 「もちろん全部タダじゃないよ!
 道中色々と食材とか買ってきたしね……お、やりー!」

[メイン] 歳納京子 : 片手にぶら下げた袋をチラつかせつつ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「わっ……その袋、食べ物が入ってたんですね……!
 それは重かったでしょう……半分持ちますね」

[メイン] 歳納京子 : そして招き入れられ、お邪魔します!の言葉と共に、靴を脱ぎ、家へと進む。

[メイン]   : 「……メェ~……メェ~……」

[メイン]   : 奥で、羊の鳴き声が小さく聞こえる。

[メイン] 雪音クリス : 「ん…?」

[メイン] 雪音クリス : 「中にも羊がいるのか?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………あっ、え、えっと、はいっ
 小屋で飼育している羊達とは別で、ペットとして飼っている
 羊がうちにいまして……」

[メイン] 歳納京子 : 「ははぁーん、ストレスを和らげるための放牧ってやつですな?」
と、ニヤリと笑いつつ、冗談めかして。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「あ、あはは……そうですね……本当なら、放牧した方が良いのですが
 その……少し最近………調子が、良くないみたいなので」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子らから少し、視線を逸らすように。

[メイン] 歳納京子 : 「へぇー、ペットの羊!
 あのもこもこ……触ってみたいかも!……だめかなぁ〜?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「そ、それは、だめですっ……!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 大声で、食い気味に否定に入る。

[メイン] 歳納京子 : 乳絞りの時は乳を絞るだけに集中しすぎて、あんまり触れなかったやー、と思いつつも。
とさりと荷物を置きながら。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………あ、え、えっと、その……
 …………あ、あまり、ストレスを与えないように……と言いますか……」

[メイン] 歳納京子 : 「……へっ!?」
その勢いに、目を丸く。

[メイン] 雪音クリス : 「…心配なんだな、ソイツの事が」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………そう、ですね、それは、はい
 ……はなこって言うんですけど……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「僕が小さい頃、父と母にお願いして
 ペットとして飼うことを許してくれた子でして……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………そ、それよりも、晩御飯ですね!
 僕が用意いたしますので!お二人はこちらで休んでください!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 居間に二人を案内した後、台所の方へと小走りで向かう。

[メイン] 歳納京子 : あ……と、口を結ぶ。
……お母さんとお父さんにお願いしたいなら、大事にしたいのも当然か。
……ストレスをかけないように……っていうのは気になるし。

[メイン] 歳納京子 : 半ば置いていかれるように、居間のソファーに座りつつ。
クリスと目を合わせる。

[メイン] 雪音クリス : …そりゃあ大事だ
大事でない筈が無く、頷くほかない

[メイン] 雪音クリス : 「勝手に見る、わけにもいかないし。どうするかな…」

[メイン]   : ─────メェ~………メェ~………。
羊の声が、奥で、小さく聞こえる。

[メイン] 歳納京子 : 「…………」

[メイン] 歳納京子 : 「…………クリス、そもそもあの羊、なんで勝手に見ちゃいけないと思う?」
隣に座る彼女に、そわそわとした態度で。

[メイン] 雪音クリス : 「大事な物に勝手に触れるってのは、大体の人間の地雷じゃねえの?」

[メイン] 雪音クリス : それこそ、自身にもそれはある
母と父を弔う為に購入した仏壇に手を出すなら、親しき仲にも拳ありだ

[メイン] 歳納京子 : 「見ず知らずの人に汚されたくは無い……
 ましてや私たちはさっき知り合ったばっかりだしね」
こくりと頷きつつも。

[メイン] 雪音クリス : 「…どうする、事情話すか? もしもその羊がレネゲイド由来で調子が悪いなら、いっそ話した方が話は早く進むぞ」

[メイン] 歳納京子 : 「ただ、あんなに鳴いてるのは何かストレスを感じている証拠……とも取れないかな?
 今裕翔が台所にいるんだから、そのサインを聞き取れない……」
うむうむ、と頷き。

[メイン] 歳納京子 : 「あと私が気になる!
 ちょーーっと扉のそこから覗くくらいならバレないよ!」
舌をちろっと出しつつ。

[メイン] 歳納京子 : まぁ、気になるしね。
羊がいるとはいえ、こんな広い家に一人暮らしだし……。
……所々、家族の物っぽいところがある。

[メイン] GM : 台所では心地良い包丁のリズムが聞こえる。
裕翔はおそらく今、野菜等を切っているのだろう。

[メイン] 歳納京子 : 「……ちょーっと、見たらすぐ戻るから!ね!」
そんな裕太と同居している羊……気にならないはずがない。

[メイン] 歳納京子 : そんなことを言いながらいつの間にか、声のする扉の前まで来ていた。

[メイン] 雪音クリス : 「…話聞けよ、お前……」

[メイン] 雪音クリス : 頭を押さえて立ち上がり、止めようと京子の元へ歩き始める

[メイン]   : メェ~。

[メイン]   : メェ~。

[メイン]   : 羊の声。

[メイン] 歳納京子 : 「事情は……まだ話さなくてもいいと思う
 この事実を伝えても、まだ理解出来ないこともあるだろうし……」

[メイン] 歳納京子 : 結局は話さなくてはならないのだが、先回しにする。
そんなことを呟きつつも、クリスの歩み寄りも先に。

[メイン] 歳納京子 : ……まだ鳴いてる。

[メイン] 歳納京子 : ゆっくりと、扉に手を伸ばして。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] はなこ : 「メェ~」

[メイン] はなこ : そこには、確かに一匹の羊がいた。

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : 目に見える、迸る電流の檻の中に囚われている、一匹の羊が

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : 「メェ~」

[メイン] 雪音クリス : 「……そりゃ、鳴くし触るなとも言うわな」

[メイン] 歳納京子 : 「…………なっ」

[メイン] 雪音クリス : 電気羊はなんの夢を…なんてタイトルがある
答えは決まった

[メイン] 雪音クリス : 「こりゃあ寝不足だな…」

[メイン] 雪音クリス : 眩しく煩く眠れない

[メイン] 歳納京子 : 思わずその有様の異質さに、声をあげようとするが。
慌てて口を手で覆い、ゴクリと息を飲み。

[メイン]   : 「─────あれ?歳納さん?雪音さん?」
居間の方から、裕翔の声が聞こえるだろう。

[メイン] 歳納京子 : 「……ちょっ、私も眠いけど!
 これはマジのやつだよ!大マジ!」

[メイン]   : 二人が突然いなくなってしまったことに、困惑している様子の声だ。

[メイン] 雪音クリス : 「っと、戻るか」

[メイン] 歳納京子 : 「…………!
 ……あ、そう……だね」

[メイン] 歳納京子 : ……なんであんなことが?電流ということは、ブラックドッグなはず。
じゃあ……裕翔が?それとも、羊自身が……?

[メイン] はなこ : 羊は、京子とクリスを、じっと見たままだった。
─────暗い部屋の中、牢獄を象る電気の中で。

[メイン] はなこ : 「メェ~」

[メイン] 雪音クリス : 「………」

[メイン] 歳納京子 : 「…………ぁ」

[メイン]   : 「歳納さ~ん?雪音さ~ん?」

[メイン] 雪音クリス : 「……おい、京子」

[メイン]   : 裕翔の声、足音が徐々にこちらへと近づいてくる。

[メイン] 雪音クリス : 「どうする?」

[メイン] 歳納京子 : クリスに、ゆっくりと目を向けて。
その額には冷や汗をかきながら。

[メイン] 歳納京子 : 「…………"聞いて"みる」

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 : 《インスピレーション》

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 80 → 82

[メイン] 歳納京子 : インスピレーション。
それは自らの脳を回転させて、自分には知りえない真実を知ることが出来るエフェクト。

[メイン] 歳納京子 : 一時的にであれば、情報獲得能力を向上させる。
……例えば、ほかのエフェクトの真似事だとしても。

[メイン] 歳納京子 : 『……はなこ、ちゃん
 きみは……そこから出たい?』

[メイン] はなこ : 『出せ』

[メイン] はなこ : 『出せ』

[メイン] はなこ : 『出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ』

[メイン] 歳納京子 : 『なッ…………!? う、くっ……!!!」

[メイン] はなこ : 一匹の羊はじっと、京子を見つめる。

[メイン] はなこ : 無機質な瞳を向けたまま。

[メイン] はなこ : 「メェ~」

[メイン] 歳納京子 : 頭を押え、声が漏れる。
……ドクタードリトルの真似事は、頭の中が強い"意志"で埋め尽くされることに終わった。

[メイン] 歳納京子 : 「……出せ、って言ってるね」

[メイン] 雪音クリス : 「そりゃ道理だが…なんでだ?」

[メイン] 歳納京子 : 頭の中が埋め尽くされたことにより、姿勢を崩し。
はぁ、はぁ、と息をつきながら。

[メイン] 歳納京子 : 「……わからない」

[メイン] 歳納京子 : 「ただ、"出せ"
 ……その言葉しか、無かった」

[メイン] 歳納京子 : ちらりと、その無機質な瞳を見つめる。
……動物にも、ある程度の感情はあるはず。
それすらも……この子には、ない?

[メイン] 雪音クリス : 「ふーん……」

[メイン] 雪音クリス : 「なあ、はなこ。お前、どうして出たいんだ?」

[メイン] はなこ : 「メェ~」

[メイン] 雪音クリス : 視線を合わせる様に屈む

[メイン] 雪音クリス : 「向こうにいる、お前の友達の為か?」

[メイン] はなこ : 「メェ~」

[メイン] 雪音クリス : 「…ダメだな、さっぱりわからねぇ」

[メイン] 雪音クリス : どうやら対話は不可能だ、ともかくとして

[メイン] 歳納京子 : 「…………」
頭を抑えつつも、話し続けるクリスに目を向けつつ。

[メイン]   : 近づく、裕翔の足音。

[メイン] 雪音クリス : 「…京子、これで最後で。なにもなけりゃあ私は私の判断で動くが」

[メイン] 雪音クリス : 足音は意にも介さず
電気の檻の背後へ周って扉を睨む

[メイン] 歳納京子 : 「…………わかった
 じゃあ、クリスはそっちを……お願い」

[メイン] 歳納京子 : こくりとうなづき、電気檻を背にする。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────!?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「なっ……!?ど、どうして………!?!?」

[メイン] 雪音クリス : 「よう、柏森。約束はまだ守ってるから、安心してくれよな」

[メイン] 雪音クリス : 触るな、とは言われたので触ってない
減らず口を叩くと、そのまま

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「あ、安心って………!?だ、だって………!?」

[メイン] 雪音クリス : 電気の檻を掴み、開く様に力を込めていく

[メイン] 歳納京子 : 「……ごめん!!
 気になっちゃって……入ったんだ!」

[メイン] GM : クリスの手、そしてそのまま腕、肩、体へと迸る、電撃。

[メイン] GM : そして。

[メイン] はなこ : 「メェ~」

[メイン] 歳納京子 : 入ったことには変わりなく、頭を下げつつも。
……そこから見えるクリスの行動に、目を見開く。

[メイン] 雪音クリス : 「や、っぱり、電撃は──ヤバいか…!!」

[メイン] はなこ : 羊の顔が少し、ほんの少しだけ─────。

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : 笑った。

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : 《縮地》

[メイン] はなこ :  

[メイン]   : ─────そして、羊の姿は消えた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……ッッッ!!!」

[メイン] 雪音クリス : 「……ッ!?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「な、何をやってるんですかッッ………!!!!!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 裕翔の怒鳴り声が室内に響く。

[メイン] 歳納京子 : 「……なっ!?」

[メイン] 雪音クリス : ……

[メイン] 歳納京子 : 電流を躊躇なく掴むクリスにも驚いたが。
目の前から一瞬にして消えた羊にも、また。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「はなこを……はなこを、逃がしたらッ……!!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : その表情には、大きな焦りの感情の色があった。

[メイン] 雪音クリス : 残ったのは、黒焦げになって落ちていく炭の腕と大失態

[メイン] 歳納京子 : 「……はなこちゃんは……一体……何を……?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 頭を掻きむしりながらも、京子の方を向き。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「っ……… ……信じては、もらえないでしょうけど……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………はなこは……」

[メイン] 歳納京子 : 「……っ!」
裕翔の必死な顔に、冷や汗を流しながらも。

[メイン] 雪音クリス : 「…おう」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────僕らを、殺そうとしてます」

[メイン] 雪音クリス : 「…………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 裕翔の顔に、冷や汗が流れる。

[メイン] 雪音クリス : 暫し、息を整え

[メイン] 歳納京子 : 「なっ…………!?
 ……裕翔が話しててくれたことだから、信じないわけじゃない……けど
 ……でも、どうして……?」

[メイン] 雪音クリス : 《リザレクト》

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「わからないッ………!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「はなこは、僕の、唯一の家族だったのに………!!」

[メイン] 雪音クリス : 炭になった腕を捨て
そのまま肉の腕を取り戻すと、端末を手に取る

[メイン] 歳納京子 : 殺す。……その言葉は、京子にも焦りを産んだ。
……羊と全く関わりがなさそうな言葉でもありながら……それが可能なものを知っているから。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 苦虫を嚙み潰すような表情で、自分でも訳が分からないといった顔で。

[メイン] 雪音クリス : 「…散々やらかしやがったアホの分際で、何を言うかと思うだろうが」

[メイン] 歳納京子 : 「…………」
クリスが躊躇なく、エフェクトを使用したのを見て。

[メイン] 雪音クリス : 「話を聞かせてもらえるか?」

[メイン] 歳納京子 : 焦る彼の肩を、がっ、と掴む。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………っ!?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「腕が、元に……… ……へ……あ、れ
 ……僕や、はなこ以外にも、同じような人が………?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 修復されたクリスの腕を見やりながら
唖然とした表情で、クリスをじっと見て。

[メイン] 歳納京子 : 「……大丈夫、私達も……"同じ"だから」

[メイン] 歳納京子 : その問いに、こくりと頷く。
落ち着かせるように、ゆっくりと。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……………!」

[メイン] 歳納京子 : 「……こっちこそ信じて貰えないかもしれないけど
 私は、"異質"の裕翔の様子を見に来てたんだ」

[メイン] 歳納京子 : そして、同じはなこちゃんも、また。と付け加え。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………え?……歳納さん達は、酪農の研究で……じゃなく……?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 不安そうな表情で、瞬きを。

[メイン] 歳納京子 : こくり、と頷く。

[メイン] 歳納京子 : 「……嘘をついてたのはごめん!
 でも、その代わり……能力に関しては、私たちは慣れてる」

[メイン] 歳納京子 : ぺこっ、と頭を下げ。

[メイン] 歳納京子 : 「……はなこちゃんも、傷を負わせる前に、捕まえる
 誰にも傷つける前に、保護出来たら……何も無かったと同じだよね」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………!!」

[メイン] 歳納京子 : 傷つける前に保護すれば、何も起きていないのと同じ。ちらりと、クリスへと目をやりながら。
そして、裕翔へと青い瞳を向ける。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……歳納さん………」

[メイン] 雪音クリス : 「……話も聞かずに、勝手やったザマがこれだ。死ぬ気でかかるよ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………僕達、まだ出会ったばかりだというのに……そこまでして……
 ……あの、僕からも……先程怒鳴ってしまい……
 そ、それと、僕も………隠したままで………すみませんでした」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子とクリスに頭を下げる。

[メイン] 歳納京子 : 「……それには、私も手伝う!
 元々……私が見なければ起こらなかったから!」
と、クリスにもそう返しつつ。

[メイン] 歳納京子 : 「…………!」

[メイン] 歳納京子 : 頭を下げた裕翔に、目を大きくしながら。

[メイン] 歳納京子 : 「……それじゃ、隠し物した同士でこれでおあいこね
 ……何があったのか、落ち着いてからでいいから……話せそうかな」

[メイン] 歳納京子 : にっ、と笑いつつも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………ありがとう、ございますっ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : か細かった心が温まっていったようなのか、瞳が潤んでいる様子。

[メイン] 歳納京子 : 「へへへ、私は天才だからねっ!」
と、ハンカチでその涙を拭き取りつつ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子に涙を拭き取られ、気恥ずかしそうな反応をしつつも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………あのっ、すみません……我儘になってしまうの、ですが……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………はなこは……僕の、家族……だと、思ってます
 なので……どうか……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 要は、殺さないでほしい。というお願いだ。

[メイン] 歳納京子 : 「……もちろん、約束する!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………!!ほ、本当ですか……!」

[メイン] 歳納京子 : 裕翔に強く頷きながら。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 目を大きくさせながら。

[メイン] 歳納京子 : 「……クリスも、大丈夫……だよね?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……あ、ありがとうございますっ、歳納さん……!」

[メイン] 雪音クリス : 「トーゼン……っつーか、これでダメだなんて言える程面の皮は厚くないよ」

[メイン] 歳納京子 : もちろん、《縮地》を使うオーヴァードが容易く捕まるとは思いにくい。
侵蝕率すらも確かめていない、まだわからないことだらけ。
……それでも、たった一匹の家族を、失わせるわけには行かない。

[メイン] 歳納京子 : 「……へへ、クリスなら言ってくれると思った!
 ありがと!」
ニッと、そちらにも笑いつつ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「雪音さん……ありがとうございます……!!」
改めて、深く頭を下げる。

[メイン] 雪音クリス : …家族、形見どころか
今や唯一の家族だ、どんな事であれ受け止める他なかろうよ

[メイン] 雪音クリス : 「…さて、それじゃ。ハナコについて聞かせてもらおうか」

[メイン] 歳納京子 : はっとその言葉に、掴んでいた肩を離し。
こくりと頷き、目を向ける。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………わかりました」
こくりと頷き、そして次のように説明をした。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 両親の死後、裕翔は悲しみに沈みながらも、なんとか二人の残したものを
生きた証として継ぐべく、頑張ってきた。
そんなある日、羊達を出荷する際に、一緒に連れてきたはなこの様子がおかしかった。
どこか忙しない様子でいた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 不思議に思いながらも、特にこれといった異変も見られなかったため
普段通りに過ごしていた……のだが。
そんなある日の夜、はなこが突然人語を話したそうだ。

[メイン] はなこ : 『許さない』

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 精神的ストレスによって、そう聞こえたのかもしれない。
そう思い込み、その日は眠りについたのだが……。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ─────殺された、いや、はなこに殺されかけた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : その時、自分の中で不思議な力が芽生え始め
なんとか九死に一生を得たものの、はなこから発せられる謎の物質は
白兜村全域を覆い尽くすほどのものであったため

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 微弱な電撃を放ち、深い眠りに着くことを妨げることで、永眠を阻止した。
そしてはなこは、電撃の檻に閉じ込めた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : はなこの殺意が沈むまで、こうしていれば、きっとなんとかなる。
裕翔は、そう思っていたそうだ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────という……こと、なんです」
視線が少し下に落ちながらも、二人に真実を話した。

[メイン] 雪音クリス : 「許さない、ねぇ……」

[メイン] 歳納京子 : その話を聞いて────思わず、彼の手を握る。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………!」

[メイン] 歳納京子 : 「……よく一人でここまでやれたね
 ほんっと、お疲れ様!」

[メイン] 歳納京子 : 彼の瞳に目を向けて、じっと。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「ぁ………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………歳納、さんっ……」
感極まり、涙がまた、溢れそうになる。

[メイン] 雪音クリス : 「…そうだな、普通ならとっくにおかしくなってても仕方がない。 お前は本当によく耐えたよ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「う……うぅっ……!うぁぁぁ………」

[メイン] 歳納京子 : 裕翔は、レネゲイドの関わりがある訳ではない。
自らのペットが喋り、そして人に手をかけようとする。
異常事態にも関わらず、出来るベストを尽くしてくれた。

[メイン] 歳納京子 : 「……うんうん……
 君のおかげで、まだ誰も被害にあってない
 偉いよ、裕翔」

[メイン] 歳納京子 : ゆっくりと、肩を撫でながら。にっ、と笑いかけて。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「あ、ありが、と……ござい、ばずっ………!!」
ぼろぼろと涙を流しながら、京子に縋るように泣く。

[メイン] 歳納京子 : 「おっとっと!涙は……流した分だけお姉さんが受け止めますからねっ!」
と、その涙を、ハンカチで拭き取りつつ。

[メイン] 歳納京子 : 縋るような彼に、安心させるために、背中を撫でて。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : こくこくと頷きながら、京子の介抱のおかげでなんとか、精神が安定していく。

[メイン] 雪音クリス : …さて、それじゃあ。こっちは仕上げを終えるかね

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 雪音クリス : 柏森の侵蝕率の状態、及びロイスの空き
知覚で判定

[メイン] GM : 8

[メイン] 雪音クリス : 5dx+1 (5DX10+1) > 8[2,4,4,6,8]+1 > 9

[メイン] GM : ・柏森の侵蝕率の状態、及びロイスの空き
現在、侵蝕率138%となっている。
昨夜の大規模な微弱放電による影響で上昇したのだろう。
また、「ロイス」を2つ持っていることが確認できる。
空きは4つ。

[メイン] GM :  

[メイン] 雪音クリス : 「まだまだ危ういが……ひとまず、希望は見えたか」

[メイン] 雪音クリス : 京子へと視線で結果を伝え、一息付く

[メイン] 歳納京子 : その視線に、ふぅ、と息をつき。

[メイン] 歳納京子 : 「……良かった、これで……もしかしたら、は防げるかもしれない」

[メイン] 歳納京子 : そして、裕翔へと目を向けて。

[メイン] 歳納京子 : 「……まだ終わったわけじゃないから、裕翔が不安なのも、わかるよ」

[メイン] 歳納京子 : 「……結果を横取りするっていうのは、いいものじゃないかもしれない……
 ……でも、せめて、私たちに……その頑張りを……受け継がせて欲しい」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………!」

[メイン] 歳納京子 : 青い瞳を向けて、裕翔の青い瞳に写りこませる。

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 : ロイス獲得
柏森 裕翔
〇約束する。/もう、二度は起こさない
────絶対、家族とまた会えるように。

[メイン] system : [ 歳納京子 ] ロイス : 2 → 3

[メイン] 歳納京子 : 力強い瞳で、"約束"を結ぶ。
ロイスというものは、日常に戻ってくるための絆。
京子の日常として、絶対に果たさなくてはならないと思ったもの。

[メイン] 歳納京子 : それを、"天才"として、京子はそう誓った。

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] ガユス : middle「『羊が軍備を持たない』という理由で、狐が平和主義者になることが有ったか?」登場:任意

[メイン] ガユス : 58+1d10 (58+1D10) > 58+3[3] > 61

[メイン] system : [ ガユス ] 侵蝕率 : 58 → 61

[メイン] リセット・カラー : 77+1d10 登場/リザレクト (77+1D10) > 77+5[5] > 82

[メイン] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率 : 77 → 82

[メイン] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率B : 1 → 2

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス : 第三者の可能性を詰めてみる。そう意気込んで一同と別れ、一人色々と調べを進めるため、今日日まず使わない公衆電話を利用して……ガユスは方々の伝手を辿り、調査を進めていたが。

[メイン] ガユス : 「……ああ、すまない、ヴィネル。何かあったらまた頼む。うるせぇ、俺だって好きでこんな骨董品使ってるわけじゃない」

[メイン] ガユス : 調査は思うように進んでいなかった、村はずれ、人気のない畑の道端にぽつんとある公衆電話を若干乱暴に切って、電話ボックスから出る。相手は懇意の情報屋なので、こちらも遠慮はない。
実は公衆電話は他所からかけることもできるため、ここを遺憾ながら活動拠点としていた。
普通の端末がつながらないド田舎であるため、衛星通信を利用しないなら、こうして有線を使うしかない。

[メイン] ガユス : 電話ボックスの隣にあるボロいベンチに腰掛けて、大きくため息をつく。本来なら牧場にまで自分も乗り込むところだが、迂闊な接触を避ける必要もあると自分で言った手前、まずは外堀を埋めるところからやることにしたが。

[メイン] ガユス : 「……収穫なし、か。最悪、忍び込むことになるな。牧場の少年にはあまり好意的に見られていない可能性が高い」

[メイン] ガユス : 京子やクリスがうまくやってくれているといいが、逆に丸め込まれている可能性もある。非情な判断を下す必要が出た場合……二人に断りをいれることはできない。

[メイン] ガユス : そうなると、取れる手段は限られる。まぁ、ボンドルドが上手くとりなしてくれるとは思うが……時間がない場合はそうもいっていられない。

[メイン] ガユス : 最悪の可能性に備えるなら、事は慎重に進める必要があった。

[メイン] リセット・カラー : 「……ガユスさーん…!」
とてとてと小さい歩幅でどうにかガユスの元に駆け足で詰めてくる

[メイン] ガユス : 「ん? どうした、リセット」

[メイン] リセット・カラー : 「いえ、結構長電話だなあ、と思ったので少し様子を見に…」
この時期の北海道、それも農村部で外はとっても冷える
暖房を入れた車内で待っていたけど風邪を引いたりしたらと思いつい心配になって出てきてしまった

[メイン] リセット・カラー : 「なんでも無いなら良かったです…京子ちゃん達も大丈夫だと良いんだけど…」

[メイン] ガユス : 「……そうだな」

[メイン] ガユス : 気のない返事で、コートの襟を立てる。当然、そうなるなら当然それが一番いい。しかし、どこか胸騒ぎがする。これで穏便に終わるとは思えない。

[メイン] GM : 辺りはもう、すっかりと暗くなってしまっている。
北海道という土地は、都心よりも日没が早く
街灯の数も少なく、当然のことながらビルの明かりなども無い
今近くにある公衆電話の明かりくらいしかないような場所で

[メイン] ガユス : 謎の第三者による眠りのエフェクト。そして、明らかに挙動不審な少年。どれもこれも懸念の域を超えることはない。

[メイン]   : 「─────メェ~ メェ~」

[メイン] ガユス : だが、だからこそ……この状況が、ガユスはどうにも不安だった。

[メイン] ガユス : 「……羊の鳴き声?」

[メイン] リセット・カラー : 「………?」

[メイン] GM : ここは酪農業が盛んな場所であり、羊の鳴き声など聞こえて当然なのだが。

[メイン] GM : "近い"。

[メイン]   : 「メェ~」

[メイン]   : いつの間に、そこにいたように。

[メイン] リセット・カラー : 「…だ、脱走!?ここそんな農場と近くないよね!?」

[メイン] はなこ : 公衆電話の明かりが、その存在を照らす。
確かにそれは、羊であった。
薄暗い闇から出てきたそれは、その顔半分に影が差し掛かっており。

[メイン] はなこ : リセットを、そしてガユスを、ただじっと見つめながら。

[メイン] ガユス : 「いやまぁ、それでも羊くらいは珍しくもないが……」

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : 《眠りの粉》

[メイン] はなこ :  

[メイン] ガユス : 「!?」

[メイン] はなこ : ─────それは、非オーヴァードのみならず

[メイン] はなこ : オーヴァードであったとしても、戦闘不能
或いは、死に至らしめる程の、強力なエフェクト。

[メイン] リセット・カラー : 「ふにゃっ…」
ややくらっとする…十分な睡眠が取れてないのも後押しして…ただその程度で何とか落ち着いてる

[メイン] はなこ : 「…………」

[メイン] ガユス : 抜かった、その可能性は十分あった。

[メイン] ガユス : むしろ、何故今まで気付かなかった? 自分でもいっていたろうが、レネゲイドはあらゆる物に宿る、人に限らない、無機物や逸話にまで実態を与えるそれは……当然、動物にも宿る。

[メイン] リセット・カラー : 「あ、あー………はっ!?」
え、エフェクト…!!!嘘…!

[メイン] はなこ : 「─────効かないということは、少年と同じか」
それは、当然のように人語を話す。
その通りだ。ガユスの思案通りであった。

[メイン] ガユス : 田舎の寒村で、いくら探しても影も形もない第三者の正体……そんなもの、消去法で考えれば……簡単にたどり着く答えだったはずだ。

[メイン] ガユス : クソ、どうして……今まで気づかなかった……!

[メイン] リセット・カラー : 「えっあっ初めまして!?」
喋った!?

[メイン] リセット・カラー : 「えっと、私リセット・カラーです!貴方は…お、お名前あるんですか…?」

[メイン] はなこ : リセットの方を、ゆっくりと向き。

[メイン]   : 《ヒューマンズネイバー》

[メイン] はなこ : 「─────さぁ、"はなこ"、とは呼ばれていたが」

[メイン] ガユス : 「チッ……!」

[メイン] はなこ : 「無いな」

[メイン] リセット・カラー : 「そ、そうですか…」
あ、《ヒューマンズネイバー》持ってるんだ~

[メイン] はなこ : そこに顕現するは、真っ白な髪と、赤く光る瞳の女。

[メイン] はなこ : 「しかし、厄介だ、ああ厄介─────
 我が望みを叶えようにも、幾多もの障害が次々に現る
 ああ─────これが試練なのだろうか」

[メイン] はなこ : まるで劇団員のような口調と、両腕を広げながらそう説明する女。
リセットとガユスの周りを、ゆっくり、ゆっくりと回るように歩きながら。

[メイン] ガユス : 即座に、眼鏡に軽く触れる。実はガユスは近眼でもなんでもない。むしろ視力はいいほうだ。つまり、この眼鏡は視力補佐のためにつけているものではない。

[メイン] リセット・カラー : 「?」
似たように両手を伸ばす ちんちくりん

[メイン] ガユス : 自らのエフェクトを補助するためにつけているもの、知覚眼鏡(クルールレプリ)を起動し、速やかにそれを調べる。

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス : 『目前の羊女について』

[メイン] GM : 8

[メイン] ガユス : 3DX 知識レネゲイド (3DX10) > 5[3,4,5] > 5

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス : 「……っ」

[メイン] はなこ : ギラりと、赤の瞳をガユスへ向け。

[メイン] はなこ : そして目を細めながら、小さく笑う。

[メイン] ガユス : 咄嗟に解析できない、つまりは……相応の力を持ったオーヴァードであるということ。しかも、いきなり初対面の相手に「眠りの粉」なんて、一般人相手なら十分命を奪えるエフェクトを躊躇いなく使用してきた。

[メイン] ガユス : つまり、そこから導き出される答えは……!

[メイン] はなこ : 「─────見ようとしたな?」

[メイン] はなこ : ─────そう、"理性"の無い存在。

[メイン] ガユス : 「リセット!」

[メイン] リセット・カラー : 「は、はい!」

[メイン] ガユス : 咄嗟に声を掛ける、今何の準備もなく相手をするのはヤバい!

[メイン] はなこ : 「おお神よ、迷える子羊達の無念を晴らさんとすることの
 一体何が否か?我が望みに賛同するならば、今!
 この我に力を与えたまえ─────」

[メイン] はなこ : ゆっくりと……手を、ガユスとリセットへと、向けようとする。

[メイン] ガユス : 速やかにエフェクトを練り上げ、せめて相手の出鼻を挫こうとするが……間に合うか……!?

[メイン] はなこ : そこには、オーヴァードでは出力できないほどの、膨大なレネゲイドの奔流。

[メイン] リセット・カラー : 「…………!」

[メイン] リセット・カラー : 「………待って下さい」
「私はまだ貴方の目的も何も聴いていません」
それを前に、小さな歩を進める

[メイン] はなこ : ゆっくりとリセットへと赤の瞳を向け、小首を傾げ。

[メイン] はなこ : 「お前は─────ああ、なるほど……」
理解をしたように、小さく笑い。

[メイン] はなこ : 「……我と同じく、人ならざる者、か」

[メイン] リセット・カラー : 「半分は、そうです。」

[メイン] リセット・カラー : 「…貴方の攻撃はすべて目的があっての行動だと思いました」

[メイン] リセット・カラー : 「何を思っての、何を願っての物なのかを…まずは知りたいです。」
じりじりと歩みを進めて

[メイン] リセット・カラー : 「まだ、致命的な被害は出ていません…ですので…会話の余地があります」
大きく彼女の顔を見上げる位置まで来た

[メイン] はなこ : 「交渉の余地、か─────」

[メイン] はなこ : ニヤリと笑い。

[メイン] はなこ : 「─────我にはあるとは、到底思えぬ話ではある……が
 我が願いに耳を傾けるとあらば、我と同族に近き者の言付けとならば
 聞き届けぬのもまた、不届きであろう」

[メイン] はなこ : そして、白の女は両腕を広げたまま、天を仰ぎ。

[メイン] はなこ : 「─────"解放"だ」

[メイン] ガユス : クソ、ずっとこっちも見張ってやがる……!
なんて視界の広さだ、そういえば、羊は捕食者から逃れるために広い視野角を持ち、ほぼ後ろからでも捕食者の牙から逃れられると聞いたことがある。
ヒューマンズネイバーはあくまで人間の姿を象るだけ……見た目、正面だけに目が向いているように見えても、実際は違うってことか……!?
迂闊に動けねぇ……!

[メイン] はなこ : 「我が同朋達の、死の運命を変える
 痛みの死から、安らかな死へと─────」

[メイン] はなこ : 「我は、貴殿らの言葉で語るならば、"羊"に部類されるであろう
 しかし─────如何ともし難き、ああ、なんたる残酷か」

[メイン] はなこ : 「我が友は、その皮を削ぎ落され、血肉の一滴に至るまでを狩られ
 その身を供物として、食肉として、"人"なる種族の口の中へと送られる
 これは、弱肉強食の縮図なり、自然の摂理なり、ああ、そうであろう」

[メイン] はなこ : 「─────だが、気に食わない」

[メイン] はなこ : 手をゆっくりと差し伸べるように、リセットへ向け。
微笑をその真っ白な顔に作る。

[メイン] はなこ : 「同族の死を前にし、その定めを受け入れることなど、できるか?」

[メイン] GM : 要は、羊肉に定評のあるこの土地の、出荷される羊達の食肉化をなんとしても止めたい。
そういった、至極単純な願いであった。

[メイン] GM : 本来羊は、知性など持たない。同族意識も高いとは言えないだろう。
されど今、こうして考える頭を手にした今
自分と同じ起源の者達が、抵抗もせずに、異種族の腹に送られるのを見るのに耐えられなくなった。

[メイン] GM : 思考能力、そして反逆の旗を揚げるに相応しい力があるならば
奮起し、立ち上がらない者は、少なくないだろう。

[メイン] はなこ : 「答えてみせよ、半人よ」

[メイン] リセット・カラー : 「………」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方は…とっても…」

[メイン] リセット・カラー : 「優しいんですね」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方のように、力を持ったとしても誰かの為に立ち上がる存在と言うのは、多い訳じゃないんですよね…」

[メイン] リセット・カラー : 「まず、自分と同種族ってだけで仲間や身内扱いするだけで素晴らしいと思います」

[メイン] はなこ : 目を細めながら、リセットの言葉を静かに聞く。

[メイン] リセット・カラー : 「そして…質問の回答ですね」

[メイン] リセット・カラー : 「そうですね、私も目の前で誰かが殺されるのは嫌だと思います、その目的が何であれ助けたいと思います」

[メイン] はなこ : 「ほう……であらば、我が願いに賛同する、というのであらば……
 ─────手を貸してくれるのか?小さき半人よ」

[メイン] はなこ : 怖い程に、慈母のような微笑を向ける。

[メイン] リセット・カラー : 「………」

[メイン] リセット・カラー : 彼女のシンドロームを《知覚》で知りたいです!

[メイン] GM : 8

[メイン] リセット・カラー : (1+2)dx>=8 (3DX10>=8) > 8[6,7,8] > 8 > 成功

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ・はなこのシンドローム
ソラリスとオルクスのクロスブリード。

[メイン] GM :  

[メイン] リセット・カラー : 「…私は貴方の目的に手を貸せませんが」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方の目的に手を貸してくれる人を知っているかもしれません」

[メイン] はなこ : 「ほう─────?」

[メイン] リセット・カラー : 「ええーっと…」

[メイン] リセット・カラー : 「な、何から話したら良いんですかね?これ…」
そ、組織周りや人やRBの派閥のお話とか彼女理解示してくれるかな…

[メイン] リセット・カラー : 「私が所属している…組織、って単語はわかりますかね?」

[メイン] はなこ : 小首を傾げる。

[メイン] リセット・カラー : 「ああ…」

[メイン] リセット・カラー : 「ううん…………」

[メイン] リセット・カラー : 「お、お友達!お友達なら分かりますか!」

[メイン] はなこ : 「ああ、わかるぞ、友か!親愛なる友、それは分かるぞ!」

[メイン] リセット・カラー : 「良かった!私はお友達と一緒に今回のように色々な所に来ているのですが…」

[メイン] リセット・カラー : 「それと同じように、色々な所に来ている方が、今回居るみたいなんです」

[メイン] リセット・カラー : 「その方達は、ゼノスってお名前で…貴方とならお友達になれるかもしれませんよ?」

[メイン] リセット・カラー : 「特に、貴方が…えっと…相容れない人では無い方々のお話を他にも聞ける事が利点ですね」

[メイン] ガユス : 黙って聞いてはいるが、この方向でいくなら……彼女と俺達が相容れることはない。

[メイン] ガユス : 彼女の願いは要約するなら……羊の食肉化、並びに獣肉の食肉化の一切を禁じ、人と同等の権利をもった隣人として扱えということだ。

[メイン] ガユス : しかもその要求が受け入れられないなら、実力行使も厭わない……達成不可能な要求だ、リセットには悪いが、この場で丸め込んだら、そのまま騙して捕縛するしかない。

[メイン] はなこ : 「ふむ、なるほど、実に興味深い─────が」

[メイン] はなこ : 「─────ここにいる友達は、如何とする?」

[メイン] リセット・カラー : 「ふむ、そうですね………」

[メイン] はなこ : 白兜村には、多くの羊達がいる。
それら皆を、食肉化から解放せよ、という願いであるのだが。
そんなことをすれば、白兜村の経営は大きく傾くのは必然。

[メイン] リセット・カラー : 「とても、とても難しい問題です…が」

[メイン] リセット・カラー : 「………お金って分かります?」

[メイン] はなこ : 「ほう?」
小首を傾げ。

[メイン] はなこ : 「通貨が、如何とする?」
その概念自体は、把握している様子だ。

[メイン] リセット・カラー : 「!!よくご存知です!」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方のお友達は、通貨を支払う事で開放する事が出来ます!」

[メイン] はなこ : 「?」

[メイン] はなこ : 「何故そのような手間を?」

[メイン] はなこ : 「この土地に住む者達を一人残らず眠らせる
 それが最も簡単なやり方ではあらんか?」

[メイン] リセット・カラー : 「確かにその場では簡単です…」

[メイン] はなこ : その言葉の後に、はなこの周囲に膨大なレネゲイドが渦巻く。
それを実行し得る力を、確かにこの存在は持ってしまっている。

[メイン] リセット・カラー : 「ですが…」

[メイン] リセット・カラー : 「人はまたやってきてしまいます」

[メイン] はなこ : 「その度に、我が力を振るえば良い
 むしろ……だ」

[メイン] はなこ : 「"権利"を主張せんとするのであらば
 我らと人が、"対等"であるということを指し示さねばなるまい?」

[メイン] はなこ : 「我らを弱き存在として、その知に留めているというのであらば
 まずはその形を変えねばなるまい
 反逆とは、革命とは、そういうものであろう?」

[メイン] リセット・カラー : 「…ふむ………」

[メイン] はなこ : 「そこからであろう、通貨による取引は、違うか?」

[メイン] リセット・カラー : 「なるほど、まずは貴方達の生存権の所有、対話、取引に応じるのはそこから、と…」

[メイン] はなこ : 「左様」

[メイン] はなこ : 「しかし、ふむ、貴殿はやはり面白き者よ」

[メイン] はなこ : 「人の立場、そして我らと同じ様な立場を持つ者だ
 ということならば、我らの権利主張に、貴殿の存在は
 必要不可欠なのかもしれん、おお、これぞ神の恵み」

[メイン] はなこ : 顎に手をやり、ニヤりと笑いながら。

[メイン] はなこ : 「─────答え、それは一瞬で出ることなどあるまい」

[メイン] はなこ : 「この土地に住まう者達に宿す眠りの誘いを、ほんの少し止めよう」

[メイン] はなこ : 「─────数日以内に、我に貴殿の、否……"人"の答えを聞かせ給え」

[メイン] はなこ : そして、白の女は両腕を広げると、灰色の煙がその体を覆い始め。

[メイン] はなこ : 《瞬間退場》

[メイン]   : ─────そこから、姿を消す。

[メイン] リセット・カラー : 「………」

[メイン] リセット・カラー : 「はふう」
ぺたん、と尻もち

[メイン] ガユス : 「……」

[メイン] ガユス : 眼鏡を軽く上げて、頭を振る。

[メイン] ガユス : 「リセット、帰るぞ。準備が必要になった」

[メイン] リセット・カラー : 「は、はい!」

[メイン] リセット・カラー : わたわたーっと立ち上がる

[メイン] ガユス : 「北海道支部に連絡する」

[メイン] ガユス : 北海道支部、それは北海道一円のUGN支部を統括する支部である。序列だけでいうなら関東支部と同等の大支部だ。

[メイン] リセット・カラー : 「…や、やっぱり…あの子は…」

[メイン] ガユス : 「殺処分する。この場で上手く丸め込めなかった以上、しょうがない」

[メイン] ガユス : 「凍結が理想的ではあるが……単純に危険だ」

[メイン] ガユス : 「羊なら、人権上の問題もない」

[メイン] ガユス : 「『害獣駆除』の名目で構わないだろう」

[メイン] リセット・カラー : 「…………」

[メイン] リセット・カラー : 「………」

[メイン] リセット・カラー : 「………難しいですね、任務って」

[メイン] ガユス : 「……気に入らないか?」

[メイン] リセット・カラー : 「はい…何せ…」

[メイン] リセット・カラー : 「お名前も聞けなかったので」

[雑談] system : [ リセット・カラー ] ロイス : 2 → 3

[メイン] ガユス : 「奴は名前はないといった」

[メイン] ガユス : 「リセット、名前とは何かわかるか」

[メイン] リセット・カラー : 「その人を、その人だけを呼ぶ為、識別する為にある物…だと思います」

[メイン] ガユス : 「違うな」

[メイン] ガユス : 「『区別』して『分類』して『決めつける』ためにあるものだ」

[メイン] ガユス : 「『レッテル』であり、『記号』であり、『偏見』だ」

[メイン] ガユス : 「奴はそれを否定した」

[メイン] ガユス : 「……俺たちの流儀に合わせる気はないってことだ」

[メイン] ガユス : 「まぁ、当然だけどな。アイツからすれば俺たちはただの捕食者。外敵でしかない」

[メイン] ガユス : 「命を脅かす相手に、譲歩してやる理由はない」

[メイン] リセット・カラー : 「そうですね、ですが…」

[メイン] リセット・カラー : 「人の形は、取ってくれました」

[メイン] ガユス : 「擬態は捕食者を欺くための基本だ」

[メイン] ガユス : 「奴は人の形をとったんじゃない」

[メイン] ガユス : 「『進化』したんだ」

[メイン] ガユス : 「……牙と爪を得て、奴は捕食されるだけの羊から、恐るべき獣になった」

[メイン] リセット・カラー : 「…とても可哀想ですね、彼女のあんなに綺麗な声もそれから出る言葉を作る知恵も」

[メイン] リセット・カラー : 「彼女のお友達は理解出来ないのに…」

[メイン] ガユス : 「だから今のうちに殺してやったほうがいい」

[メイン] ガユス : 「奴は同胞を求めている。だが、失望するまで長く時間はかからないだろう」

[メイン] ガユス : 「守るべき同胞がただの無知な羊……言葉ではアイツは理解しているかもしれない」

[メイン] ガユス : 「だが、肌で理解は恐らくしていない」

[メイン] ガユス : 「共感も、賛同も、連帯もない。羊はどこまで行っても羊だ。それでも」

[メイン] ガユス : 「アイツはもう羊ではなくなった」

[メイン] ガユス : 羊に牙はない。爪はない。知恵もない。擬態能力も無ければ、言葉を喋る声帯もない。

[メイン] ガユス : だが、その全てを奴は持っている。

[メイン] ガユス : ……それのどこが『羊』だ。

[メイン] ガユス : 「今は義憤と怒りからああして戦っていられる」

[メイン] ガユス : 「人の歴史じゃあ、よく見た話だ」

[メイン] ガユス : 「……ああいう独裁者はな」

[メイン] ガユス : かつて、己たちは羊であり、だからこそ羊に甘んじるべきではないと民衆を鼓舞した男がいた。

[メイン] ガユス : その男は諸外国……狐から身を守るためと嘯いて、国を挙げて武を設え、恫喝によって狐から多くの土地と利権を奪い、それでも足りないと叫んで世界中を敵に回して戦争を始めた。

[メイン] ガユス : その男は多くの羊を救った。だが、それ以上の羊と狐を殺し、最後には……薄暗い地下壕で自ら命を断った。

[メイン] ガユス : 「アイツにはもう、友なんていない。今後出来ることもないだろう」

[メイン] ガユス : 「アイツに寄り添える者がいるとしたら、それはもう……」

[メイン] ガユス : 「自分自身の野望だけだ」

[メイン] ガユス : それは、あまりに哀れな怪物だった。あまりに不幸な怪異だった。

[メイン] ガユス : 彼らは大いなる勘違いをする。自らと他者は同一であると。

[メイン] ガユス : だが、それは幻だ。他者はどこまでいっても他者でしかない。

[メイン] ガユス : そして、それが認められず、同じ志を持っていた者がそうではなく……まさしく、ただの惰眠を貪る羊であるという真実に触れてしまった時に。

[メイン] ガユス : あまりの孤独に、正気を失うのだ。

[メイン] リセット・カラー : 「それなら、私は」

[メイン] リセット・カラー : 「彼女の行末次第だけど…」

[メイン] リセット・カラー : 「見届けたいです」

[メイン] ガユス : 「……」

[メイン] ガユス : リセット・カラー……レネゲイドビーイング。彼女もまた、孤独のはずだ。

[メイン] ガユス : レネゲイドビーイング……RBには、同種は基本的に存在しない。

[メイン] ガユス : 生態系という軛の外にいる、異邦人。人の姿を模し、人に譲歩し、人の法に合わせることで「隣人」であることを強制され続ける。

[メイン] ガユス : そんな彼女の覚悟に……俺は何も言うことができなかった。

[メイン] リセット・カラー : 「…そんな顔しないで下さい」

[メイン] リセット・カラー : 「大丈夫!…とまでは言えませんが」

[メイン] リセット・カラー : 「人間は納得の行く結末になれればと思います」
「人の不利益を背負わせる事は…あまりこの場に居る私がやって良い行動では無いので」

[メイン] ガユス : 「……すまない」

[メイン] ガユス : 辛うじて出したその安い謝罪に、一体どれだけの意味があるのか。

[メイン] ガユス : 俺には、わからない。

[メイン] ガユス : せいぜい出来ることは、52ヘルツの鯨を一方的に哀れんでやることだけ。

[メイン] ガユス : それに、何の意味もないというのに。

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン] ボンドルド : middle 『世界に一つだけの花』 登場:任意

[メイン] ボンドルド : 54+1d10 登場/リザレクト (54+1D10) > 54+5[5] > 59

[メイン] system : [ ボンドルド ] 侵蝕率 : 54 → 59

[メイン] ガユス : 1d10 (1D10) > 8

[メイン] system : [ ガユス ] 侵蝕率 : 61 → 69

[メイン] リセット・カラー : 82+1d10 登場/リザレクト (82+1D10) > 82+1[1] > 83

[雑談] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率 : 82 → 83

[メイン] 歳納京子 : 82+1d10 登場/リザレクト (82+1D10) > 82+7[7] > 89

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 82 → 89

[メイン] 雪音クリス : 67+1d10 登場/リザレクト (67+1D10) > 67+5[5] > 72

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[メイン] system : [ 雪音クリス ] 侵蝕率 : 67 → 72

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド : 「1日が経ちました」

[メイン] 雪音クリス : 「…経っちまったな」

[メイン] ボンドルド : 「どれほどに我々の心持ちが穏やかであろうと慌ただしかろうと、機械仕掛けの時計の針は残酷にも同じ速度で進み続けます」

[メイン] ボンドルド : 昨日、それぞれの目的のもとに動くことを決めたあの時から24時間。
事態は急変していた。
白兜村の住民の皆殺しを図り、柏森 裕翔によって監禁されていた『はなこ』という名の羊が脱走し解き放たれ、交渉を試みるものの失敗。
以降も逃走を続ける羊に対して、UGN北海道支部との連携のもとに周囲に包囲網が敷かれていた。

[メイン] 雪音クリス : 「休んでくれりゃあ良いんだけどな……んで」

[メイン] 雪音クリス : 「…どうすっかな。アイツ」

[メイン] 歳納京子 : ブロンドの髪に、ぐしぐし、と手を入れて混ぜるように。
現状は理解できていても、感情で理解できない、というように。

[メイン] 歳納京子 : 「……どうする、って……
 お話は、聞いてくれなかったの?……ダメそうだった……?」

[メイン] リセット・カラー : 「時間は作れたんだけどね…ごめんなさい」

[メイン] 雪音クリス : 「…いや、頭下げんのはあたしだ」

[メイン] ボンドルド : 「今気に病むことはありません。幸いにも、まだ被害は出ていないのですから」

[メイン] 雪音クリス : 「あんな凡ミスでジャームと仲間が激突寸前……流石に、これで気にすんなは……」

[メイン] 歳納京子 : 包囲網が張り巡らされている以上、それ程UGNから脅威と認定されている、ということ。
焦りを感じながらも、それでも、確認するように訪ねる。

[メイン] 雪音クリス : 「…いや、今は悔やんでる場合じゃねえか」

[メイン] ガユス : 「いや……遅かれ早かれだ。聞いた話、少年は殺処分には反対なんだろう」

[メイン] ガユス : 「なら、どの時にどちらにしろ揉めていた」

[メイン] 雪音クリス : 自身の両頬を強く叩き

[メイン] 雪音クリス : 「…期待はしてたんだが、ジャームでしかも革命家か」

[メイン] ガユス : 「ああ……端的に結果だけいうが、資料にも記載した通り、交渉は不可能だ。もっといえば……」

[メイン] 歳納京子 : こちらこそ、ごめん、とリセットに顔を下げつつ。
元々は”はなこ”を裕翔の管理を外した自分が悪い。

[メイン] ガユス : 「どう扱ったところで奴は『人間の都合』に振り回されることになる」

[メイン] ガユス : 「それ自体を嫌悪していた個体に無理に譲歩をさせたところで……侵蝕率が安定するとは思えない」

[メイン] 雪音クリス : 「…なんなら、暴れるだろうな。保護施設への道もオジャンだ」

[メイン] ガユス : 「そこもうまいこと仮にいったとしても、UGNに保護されれば、人間社会に迎合することを求められることになる。アイツの意志はどちらにしろ踏みにじることになるってわけだ」

[メイン] 雪音クリス : 更にいえば別組織への道など呑めるはずもない
端的に言えば、今のところ殺処分以上の有効な対策など無いわけだ

[メイン] ボンドルド : 各々の発言が止むのを一旦待ち、そして落ち着いたことを確認すれば。

[メイン] ボンドルド : 「改めて皆さんのお話を聞いた上で、支部長としての私の結論から言います」

[メイン] ボンドルド : 「『はなこ』は、大規模殺人を企む危険なオーヴァードであり」
「武力による鎮圧を何よりも優先し、早急に実行する必要があります」

[メイン] リセット・カラー : 「………異論は、無いですね」

[メイン] 雪音クリス : 「…必要性は認めるしかねえな」

[メイン] 歳納京子 : 「……ッ、それは……!」

[メイン] 歳納京子 : バン、と机に鳴らし、立ち上がる。
しかし、勢いだけで、その立ち姿はへろへろと、力ない。

[メイン] 雪音クリス : 「……」

[メイン] 歳納京子 : ……はなこが望んでいるのは、羊の権利を人と同じにすること。
食べられるだけの獣ではなく、共に生きるような立場になること。

[メイン] 歳納京子 : ……私だって、羊肉を食べられる、と喜々として喜んでいたのに。
あの子の願いを、認められるの……?

[メイン] 歳納京子 : 「確かに、話が通用しないジャームで……そういうことも引き起こそうとしている、っていうのは聞いた……けど!」

[メイン] 歳納京子 : 「……私は、アイツに約束したんだっ……!
 無事に、”家族”を連れ戻す……って……!」

[メイン] 歳納京子 : ぎゅっと、力を籠めるように握りしめる。

[メイン] 歳納京子 : 「はなこだって、まだ……わかんない!
 裕翔と話したら、もしかしたら考えを改めるかもしれない……!」

[メイン] ボンドルド : 「………」

[メイン] ボンドルド : 仮面で隠した顔が、確かに歪んだ。

[メイン] 雪音クリス : 俯き、静かに首を振る
白髪の奥の瞳は、被さり見えなかった

[メイン] ボンドルド : 例えば、ニュースで見た人里に降りて来た熊の殺処分に心を痛める行為。

[メイン] ボンドルド : 確かにそれは無責任だ。熊の被害に遭うかも知れない近隣住民の恐怖も痛みも分からないままそんな風に思うのは。

[メイン] ボンドルド : しかしながら、人の姿を取れるようになった羊がもう羊ではいられないように、都会の裕福な子供と僻地の人間は、やはり決定的に違ってしまうものだ。

[メイン] ボンドルド : 共感は出来る。
家族を失った少年が、例えそれが人でなくとも身近な存在に深く入れ込んでしまうことも。
そんな少年を見て、少しでも力になってあげたいと思うことも。
また、同族の境遇を改善しようと独り戦う羊のことも。
だからこそ、今こうして強張っている京子を痛々しく思い自らも苦しさを覚えているのだから。

[メイン] ボンドルド : けれども、それでも…ボンドルドは立場や経験の差異から、まだ若く自分よりも手の汚れていない京子と同じようになることは努力では出来ないし、その努力を人間に対して放棄した『はなこ』と共に歩むことは出来ない。

[メイン] ボンドルド : 「……京子さん」

[メイン] 歳納京子 : 「…………!」

[メイン] ボンドルド : 「アナタの手は幾つありますか?」

[メイン] 歳納京子 : 声をかけられた方────、ボンドルドへと顔を移す。
どこか縋るように。どうにかなる、というよりは、どうにかなって欲しい、と思うような心地で。

[メイン] 歳納京子 : 「………手……
 ……っ、それは……」

[メイン] ボンドルド : 「2つの手で掴めるのは2つまでです」

[メイン] ボンドルド : 「そして今までにその手に収めた物は、手放せばいとも簡単に落ちてしまいます」

[メイン] 歳納京子 : ボンドルドの言葉に、目線を手に落とす。
ぎゅっと握っていた手を、その言葉に、さらに強く掴むように。

[メイン] ボンドルド : 「考え、そして見極めるのです」
「アナタに今、何が掴むことが出来るのかを」

[メイン] 歳納京子 : 「……でも、手だけじゃなくて、私の体全部だって使える!
 胸も、足も、使えるだけ使ったら、掴めるかもしれない……し……!」

[メイン] 歳納京子 : 切り詰める。自分のできる事、それ以上も含めて、全部こなす。
京子が言葉として発したのはそれだった、が。

[メイン] 歳納京子 : ボンドルドの、ゆっくりと、こちらに諭すように発する言葉。
はねのけるわけではなく、むしろ、共感を含めるように聞こえた言葉に、眉が下がる。

[メイン] 歳納京子 : 「……………………」

[メイン] 歳納京子 : 握ったままの手を、無言のまま、胸元に持ち上げて。
ゆっくり、両手を開く。

[メイン] 歳納京子 : ……掴めなかったものも、掴めたものも、沢山ある。
掴んだからこそ、私が戻ることが出来たものもある。
……その度にいっぱい、周りの人に迷惑をかけている。今、だって…………

[メイン] 歳納京子 : この仕事を始めた時は、何だって出来るように思えた。
だって、”天才”なんだから。天才なら、周りの不安もなくせる。
……手が、ずっとずっと大きく見えた。

[メイン] 歳納京子 : ジャーム。理性のない怪物。絆を無くしてしまったもの。いつか……私もああなるかもしれない、誰か。

[メイン] 歳納京子 : いつか自分の手で助けてみせる、とは、思っていたけれど。
…………今のこの手は、随分、小さく見える。

[メイン] 歳納京子 : 「…………」

[メイン] 歳納京子 : 両手を、硬く、決意したように握りしめて。

[メイン] 歳納京子 : 「……せめて」

[メイン] 歳納京子 : 「持てるものに限りがあるなら……せめて、自分の目で確かめたい」

[メイン] 雪音クリス : 「…どうするつもりだ?」

[メイン] 雪音クリス : 両の手を重ねて握り
苛立ちをぶつける様に額へ擦りながら、声を上げる

[メイン] 歳納京子 : 「……話してみる
 裕翔のことも、止まって欲しい、ってことも……言ってみる」

[メイン] リセット・カラー : 「…ふふ」
にっこりと笑って

[メイン] リセット・カラー : 「ミックスちゃんが言ってた通りだねえ」

[メイン] リセット・カラー : 「すっごく優しくって、困ってる人を見るだけじゃなくて聴いただけで助けに行っちゃう子」

[メイン] リセット・カラー : 「うんうん…いい子だね」
尚話を聴いた本人からはあいつ優しいけど危なっかしいから見張れる奴居ないなら見といて程度しか言われてない

[メイン] リセット・カラー : 「…ね!京子ちゃん!」

[メイン] 歳納京子 : 知り合いだったんだ……!?って顔で、まんまると目を大きくするも。

[メイン] 歳納京子 : 「……何か、恥ずかしいやらなんやら……!
 ……でも、ありがとう……ちょっと、元気出た」

[メイン] 歳納京子 : 向けられた笑顔に、少し、硬直していた顔が緩みつつも。

[メイン] 歳納京子 : 「……”はなこ”とお話して、それでも優しくしてくれようとしてた、って聞いた……そこも、ありがとう……!」

[メイン] 歳納京子 : 「だから……リセットがもし、あの子と話すつもりなら……
 一緒に行く!んで、さっきのことを言わせてほしい……お願いしますっ!」

[メイン] 歳納京子 : ぺこり、と、自分より小さな少女の背丈よりも、頭を下げるようにしつつ。

[メイン] リセット・カラー :

[メイン] リセット・カラー : 「ま、分かったよ~」

[メイン] リセット・カラー : 「…んー…そんな訳で、だけど」

[メイン] リセット・カラー : 「もうちょっとだけお話して見ます、折角頑張ろうとしてる子が居るんだから、私だって頑張らなきゃね」

[メイン] ガユス : 「……俺は反対だ」

[メイン] ガユス : ずっと、黙って聞いていた男。

[メイン] ガユス : しかし、そうして二人の少女が今一度、あの怪物と向き合うという結論には……真っ向から噛みついた。

[メイン] リセット・カラー : 「ガユスさんはそうだよね~」

[メイン] 歳納京子 : 「…………ガユスさん」

[メイン] 雪音クリス : 「…言いたいことは大体わかるが、一応聞かせてもらえるか?」

[メイン] ガユス : 「意味がない」

[メイン] ガユス : 「単純に危険」

[メイン] ガユス : 「勝算がない」

[メイン] ガユス : 眼鏡をかけ直し、溜息をついて。

[メイン] ガユス : 「……まだ理由がこれ以上必要か?」

[メイン] リセット・カラー : 「も~厳しいんですから~」

[メイン] ガユス : 「命が掛かってんだぞ!」

[メイン] ガユス : ドン、とテーブルを拳で叩き、大声を上げる。

[メイン] ガユス : その瞳は瞋恚に揺れており、到底冷静とは思えない。

[メイン] 雪音クリス : 音に怯み、しばし瞠目し

[メイン] 歳納京子 : ガユスの言っていることは……正しいし、理解している。
……経験故に、ジャームと対峙することの危険が身に染みている。だからこそ……

[メイン] 歳納京子 : 「う、っ……!」
その音に、びくりと、体を震わせながらも。
向き合っている顔は……変えない。

[メイン] ガユス : 今までも決して冷静で有り続けたというわけではない。それでも、ガユスが明白に怒鳴り声をあげたのは、これが初めてだった。

[メイン] リセット・カラー : しん、とした中で表情を変える

[メイン] ガユス : 「お前ら、話をするだけといっているけどな」

[メイン] ガユス : 「向こうは前にあった時に最後通牒を叩きつけてきた」

[メイン] ガユス : 「アイツが求めてる答えは『全面的な譲歩』だけだ」

[メイン] ガユス : 「そこにのこのこと、『お話が聞きたいから行ってみたいです』だ……?」

[メイン] ガユス : 「遠足じゃねぇんだぞ」

[メイン] ガユス : 「手ぶらで話をしにいって大団円なんて、そんな甘い話……あるわけねぇってわからねぇのか」

[メイン] 歳納京子 : 「………っ、そんなのっ!……わかってる!!!!」

[メイン] 雪音クリス : …ジャームと正面から相対したガユスは
成熟した精神と合わせ、この中でジャームの危険度を確かに認識している

[メイン] ボンドルド : 実際、もはや状況は予断を許さない。
既に包囲網が敷かれたというのは、つまりそれだけのことをする必要性があるという事実の裏付けだ。

[メイン] 歳納京子 : 思わず、その声に、声を張り上げてしまう。
はっ、と思うも、それは止まらずに。

[メイン] 歳納京子 : 「……"はなこ"が危ないって、ジャームだって……
 私がしたいことにっ、意味がないって、思うかもしんないけどっ……!!!」

[メイン] 歳納京子 : ぎゅううぅ、とつねるほどの痛みを握る拳に感じながらも。

[メイン] 歳納京子 : 「でも、それで……裕翔は、納得できない、出来るはずがない!!!
 だって、アイツは、例えジャームでも、羊でも、なんでも……」

[メイン] 歳納京子 : 「……家族って……思ってるのに、そんなので終わったら、悲しい、じゃんっ………………」

[メイン] ガユス : 「それは」

[メイン] ガユス : 「ただの『思い込み』だ」

[メイン] ガユス : 「リセット」

[メイン] ガユス : 軽く、視線を向ける。

[メイン] 歳納京子 : お母さんも、お父さんもおらず。
ひとりぼっちと思っていたあいつが、唯一家族と思えた"絆"が、あの"はなこ"。
……それなのに、それすらも消えてしまっては。

[メイン] ガユス : 「……奴には、飼い主とやらへの情があったか?」

[メイン] リセット・カラー : 「無いですね」
バッサリ

[メイン] リセット・カラー : 「むしろ、仇敵…?」

[メイン] 雪音クリス : 「…虚しいな、オイ」

[メイン] ガユス : 「どこがだ」

[メイン] ガユス : 吐き捨てるように、クリスのセリフにまで噛みつく。ガユスは、誰から見ても憤っていた。

[メイン] 歳納京子 : 「……ぅ……」
……二人の言葉に、ギュッと唇を噛みつつ。

[メイン] ガユス : 「自分を食い殺そうとする言葉も通じない異種族のガキだぞ。挙げ句、自分を奴隷以下の扱いしかしない癖に家族と宣う」

[メイン] ガユス : 「それを憎むなんて……当然の話だ。そこに相互の愛情があると思えるのだとしたら、カニバリズムだって愛の形と世界で広く賞賛されているだろうさ」

[メイン] ガユス : 「ペットがペットとして愛される理由は簡単だ」

[メイン] ガユス : 「意思疎通が互いに出来ないからだ」

[メイン] ガユス : 「猫も犬も鳥も、人と言葉がかわせないからペットになれる」

[メイン] 雪音クリス : 「勘違いだけが成立させる愛情か……古い歌みたいで、なんともな」

[メイン] 雪音クリス : 頬を引き攣らせ、苦虫を噛み潰したような顔と笑顔の混ぜ物が浮かび出る

[メイン] ガユス : 「極論、誰かを思い合うことなんてそれが全てではあるけどな……だが、今回は」

[メイン] ガユス : 「もう勘違いしてるのはガキの方だけだ」

[メイン] 雪音クリス : 「…まあな」

[メイン] 雪音クリス : 「だから虚しいんじゃないか、ガユス」

[メイン] 雪音クリス : 「全部、ぜーんぶ当然妥当」

[メイン] 雪音クリス : 「……夢のない話だ」

[メイン] 雪音クリス : 暗く、沈み込んだ声で呟くと
また塞ぎ込む

[メイン] ガユス : 「……それすら、その虚しさすら」

[メイン] ガユス : 「……人間の勝手だ。言葉が喋れないのを良いことに、動物の鳴き声に勝手な意味を見出そうとする人間の都合だ」

[メイン] 雪音クリス : 「…そうだな」

[メイン] 雪音クリス : 「そう、なんだろうな…」

[メイン] ガユス : 深く、重い溜息をついて。

[メイン] ガユス : 「助ける相手を勘違いするな」

[メイン] ガユス : 「俺たちUGNは」

[メイン] ガユス : 「『人間の日常』を守る組織だ」

[メイン] ガユス : 「……動物愛護団体になりたいなら、他所をあたれよ」

[メイン] リセット・カラー : 「んー、ならちょっと許可取りたい事あるんだけど良いかな?」

[メイン] ボンドルド : 「……許可、ですか?」

[メイン] リセット・カラー :    ゼノス
「その他所さんがあの子救う気あるのか聞いてみようかなって」

[メイン] リセット・カラー : 「あ、一応意味はあるよ?もし救う気でゼノスさん側からの奇襲とかあったら困るし…」

[メイン] 雪音クリス : 「救うって言ってもよ。リセット、はなこ……いや」

[メイン] 歳納京子 : 「…………」
息を飲み、リセットに、目を向けつつも。

[メイン] 雪音クリス : 「例の羊の件で全部が全部上手く行ったとして、その後逃すなんて大損したとして……さ」

[メイン] 雪音クリス : 「…諦め続けるなんて、できると思うか?」

[メイン] リセット・カラー : 「んーしないんじゃないかな…でも」

[メイン] リセット・カラー : 「こっちにも諦めきれない子がいるし?」

[メイン] 雪音クリス : 「……」

[メイン] 雪音クリス : 頭を掻き、缶の中の炭酸飲料を流し込んで暫し瞑目して

[メイン] 雪音クリス : 「リセット、お前の気持ちはわかる……わかるさ」

[メイン] 歳納京子 : 「………………」
……助けてもらって……ばかり。でも……一緒に考えてくれる人がいるのは、……心強い……。

[メイン] 雪音クリス : 「…それでもな、もし実行しても、アイツを救う事はできないんだよ」

[メイン] 雪音クリス : 空き缶を握り離さぬまま、リセットに視線を合わせながら話を続ける

[メイン] 雪音クリス : 「これはな、リセット。理想の話になるんだ」

[メイン] 雪音クリス : 「…一度捨てたら、二度と帰ってこない物のお話にな」

[メイン] 雪音クリス : バッグから新しいジュースを取り出し、リセットに差し出す

[メイン] 雪音クリス : 「お前には、そういうのあるか?」

[メイン] リセット・カラー : 「え、えーっと…あるよ?」
ジュースぐぴぐぴ

[メイン] 雪音クリス : 「じゃ、聞かせてくれ」

[メイン] 雪音クリス : 笑ったりしないからさ、なんて言いながら
クリスは耳を傾けている

[メイン] リセット・カラー : 「う、う~ん…」

[メイン] リセット・カラー : 「か、家族…」

[メイン] 雪音クリス : 「……そっか、良い理想だな」

[メイン] 雪音クリス : 「あたしも、そういうのにすれば良かったかもな」

[メイン] 雪音クリス : 笑顔を浮かべ、心からの賛辞を送り

[メイン] 雪音クリス : 「…それを捨てるのは、さ」

[メイン] 雪音クリス : 「無理だろ?」

[メイン] リセット・カラー : 「…うん、出来ない」

[メイン] リセット・カラー : 「それだけは、絶対に手放さない」

[メイン] 雪音クリス : 「…良い子だ」

[メイン] 雪音クリス : リセットへ手を伸ばし
グシグシと頭を撫でた後……

[メイン] 雪音クリス : 「…奴には理想がある、私達には道理がある」

[メイン] 雪音クリス : 「だから、やる事も、やってやるべき事も。全部が全部決まってるんだ」

[メイン] 雪音クリス : 「……わかってくれるか?」

[メイン] リセット・カラー : 「あう」
撫でられ 同年代位なのに…

[メイン] リセット・カラー : 「…分かりました…」
凄い頑張って高い椅子によじ登って座った

[メイン] 雪音クリス : 「……ごめんな、リセット」

[メイン] 雪音クリス : 「本当に、ごめん」

[メイン] 雪音クリス : もっと早く、手遅れな事に気づくべきだった
危険性にも、奴の覚悟にも、全てに気づくことが遅かった

[メイン] 雪音クリス : ……奴と、リセットを合わせなければ
こんな事を言わせずに済んだってのに

[メイン] リセット・カラー : 「んーん、大丈夫」

[メイン] リセット・カラー : 「ん」
にこーっと、笑い返して

[メイン] 雪音クリス : 「…お前は、本当にいい子だな」

[メイン] ボンドルド : 「…先ほどのリセットさんからの質問への答えですが」

[メイン] ボンドルド : 「外部のことを考える必要はありません」

[メイン] ボンドルド : 「我々は、今ここで我々のなすべきことを」

[メイン] ボンドルド : 「…それが何だか、分かりますか?」

[メイン] ボンドルド : ゆっくりと、見回すように首を捻る。

[メイン] 歳納京子 : 「………………」
……まだ、はなこ以外の全てが終わっているわけじゃ……ない。

[メイン] 歳納京子 : 「…………裕翔を、守ること……」
……何からかはわからない。……でも、守らなくてはならない。
それも……約束の1つ。

[メイン] ボンドルド : 「それは、アナタの望みですが」

[メイン] ボンドルド : 「叶うのならば、それも一つの道です」

[メイン] ボンドルド : 息を吸う。

[メイン] ボンドルド : 「……UGNである以上。ジャームは、どうであれ見逃すことはできません」

[メイン] ボンドルド : 「今、この村には2体のジャームと思しき個体がいます」

[メイン] ボンドルド : 「それらは別々に動いていますが、同時に対処します」

[メイン] ボンドルド : どのみち、包囲網を敷いた以上。
はなこの生死に関わらず、柏森裕翔が同じように処分されるのも時間の問題だ。

[メイン] ガユス : 「……羊の方は俺一人で対処する」

[メイン] ガユス : 「見たところ、適切に対処できる人員がそう多くいるとは思えない」

[メイン] 雪音クリス : 「…責任を取る、なんて言いたいが。どうにも指が重い」

[メイン] ボンドルド : 「そうですね」

[メイン] ボンドルド : 「私の目には、この場にそんな人材はいないという風に映っていますから」

[メイン] ガユス : 「……っ」

[メイン] ガユス : 思わず、ボンドルドを睨みつけるが、彼の言葉は正しい。

[メイン] ガユス : しかし、それでも。

[メイン] ガユス : 「……攻性イリーガルとしての仕事くらいは果たせるつもりだ、現場責任者や女子供に行かせるくらいなら、消去法で誰が行くかなんて決まってるんじゃないのか?」

[メイン] リセット・カラー : 「え、えーと…」

[メイン] リセット・カラー : 「………」
一瞬、ボンドルドさんの方をちらっと見て

[メイン] リセット・カラー : 「………」
大きく息を吸い込んで

[メイン] リセット・カラー : 「がおーーーー!!!」

[メイン] ガユス : 「!?」

[メイン] リセット・カラー : 「ガ!ユ!ス!さん!!何ですかそれ!!」

[メイン] ガユス : 「う、うるせぇな! なんだよ!?」

[メイン] リセット・カラー : 「京子ちゃんとクリスちゃんは別の役割があって、私は兎も角、何でボンドルドさんの事を見てないんですか!!」

[メイン] リセット・カラー : 「周りを見きれてない…いや見限っちゃってるじゃないですかー!!」
ぼかーんどかーん テーブルばんばん 音は安らか

[メイン] ガユス : 「何が言いたいんだよ! 要約しろ要約を!」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方だって冷静じゃないって言いたいんですーーー!!すごく焦ってるんですー!!」

[メイン] ガユス : 「じゃあもうちょっと冷静に言えよお前こそ!? さっきのスンとした態度なんだったんだよ! お前のキャラがわからねぇよ!」

[メイン] ボンドルド : 「まあまあ…落ち着いて…」

[メイン] リセット・カラー : 「はっ」

[メイン] リセット・カラー : 「ぷしゅん」

[メイン] ガユス : 「はぁ……はぁ……大声あげてすまん」

[メイン] リセット・カラー : 「…最初に上げたのこっちだから…」

[メイン] リセット・カラー : 「…あ、でもね、ガユスさん…感情にまかせて言ったけど…」

[メイン] リセット・カラー : 「言ってた事は今も思ってるよ…ガユスさん、焦ってるって」

[メイン] ガユス : 「……」

[メイン] ガユス : 「完璧に落ち着けるほど、事態は穏やかじゃない」

[メイン] ガユス : 「それを加味しても、熱くなりすぎていたのは申し訳なかった」

[メイン] ガユス : 「この通りだ」

[メイン] ガユス : そう、一同に頭を下げる。実際、熱くなりすぎていたのは事実だ。面目次第もない。

[メイン] 雪音クリス : 「言いづらい事を代わりに言ってもらった……そうとすれば、こっちが謝るべきかもな…」

[メイン] リセット・カラー : 「うん、こちらこそ…ごめんなさい…」

[メイン] 歳納京子 : 「…………私も、ちょっと…………
 ごめんなさい」

[メイン] 歳納京子 : こくりと、返すように、頭を下げて。
……我儘をかけてしまった分。

[メイン] ボンドルド : 「ここで、同じように頭を下げるわけにもいかないのが責任者の辛いところですね」

[メイン] ガユス : 「はは、それは確かに申し訳ない……」
頭を下げられるばかりというのも、いい気分ではないだろう。

[メイン] ガユス : 「改めて……羊の討伐は俺と」

[メイン] ガユス : 視線を、青い少女に向けて。

[メイン] ガユス : 「リセットに任せてくれ」

[メイン] ガユス : 「俺たちは、牧場の少年とはあまり縁がない。ロイス保護などの観点なども考えると、俺たちがこっちを担当するのが適任だ」

[メイン] ガユス : 「元々……追いかけていた第三者でもあるしな?」

[メイン] ガユス : そう、軽く笑みを浮かべて。

[メイン] ガユス : 「構いませんか、支部長」

[メイン] ガユス : 今度は、表情を引き締め、そう尋ねる。

[メイン] ボンドルド : 「………本当は、私一人でそちらを片付けるつもりでしたがね」

[メイン] ボンドルド : 肩をすくめる。

[メイン] ボンドルド : 「お二人にお任せしましょう」

[メイン] ボンドルド : 「では、そうと決まれば早速動きますよ」

[メイン] 雪音クリス : 「…あいよ」

[メイン] ガユス : 静かに頷く。

[メイン] ボンドルド : 「老いる前の若き時間は使える時に使っておかねば」

[メイン] ボンドルド : 「後で悔いてしまうものですから」

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド :

[メイン] GM : climax『CASE: the shepherd boy』 登場:任意

[メイン] 歳納京子 : 89+1d10 登場/リザレクト (89+1D10) > 89+10[10] > 99

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 89 → 99

[メイン] 雪音クリス : 72+1d10 登場/リザレクト (72+1D10) > 72+4[4] > 76

[メイン] system : [ 雪音クリス ] 侵蝕率 : 72 → 76

[メイン] ボンドルド : 59+1d10 登場/リザレクト (59+1D10) > 59+10[10] > 69

[メイン] system : [ ボンドルド ] 侵蝕率 : 59 → 69

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ─────UGN北海道支部の戦闘員によって、既に周囲を包囲された白兜村。

[メイン] GM : しかし、それは裏の世界の話。

[メイン] GM : 今も白兜村は、大自然広がる、長閑な光景が広がっていた。

[メイン] GM : そして、そこに住む裕翔少年もまた、羊達の世話をしていた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 浮かない表情。家族が消えて、どこかに行ってしまったという不安は。
どうあっても拭い取れることは無い。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 今すぐにでも、はなこの捜索を行いたいところではあるが
他の羊達の世話もまた、しなくてはならない。
この牧場は、裕翔のワンオペ状態なのだ。

[メイン] 歳納京子 : 「よー、裕翔!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………!」

[メイン] 歳納京子 : ぽん、と彼の肩に手が置かれる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ハッとした表情で、京子の方を向く。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「と、歳納さん……!!!」

[メイン] 歳納京子 : そこには────

[メイン] 歳納京子 : ────片手で顔をゆがませる、物凄い出来の変顔をした京子が。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……………!?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 不安という感情の気持ちでいっぱいであったため、それは不意打ちであり。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………ちょっ、と、歳納さん、なんですかその顔……!?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 思わず吹きかけてしまうも、直ぐに真剣な表情へと戻り。

[メイン] 歳納京子 : 不意打ちに成功し、にっしっし、と笑みを浮かべながら。
ふざけた様子はない。むしろ、その裕翔の顔を見るために変顔をしたように。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「と、というよりも……そ、その!!歳納さん……!!
 ……はなこは……はなこは、どうでしょうか……!?
 見つかり、ましたでしょうか………!?」

[メイン] 歳納京子 : その言葉に、息を呑み。
真剣な眼差しで、彼の方を見やる。

[メイン] 歳納京子 : 「……はなこね、ちゃんと見つかったよ
 UGN……によって、捕まった」

[メイン] 歳納京子 : 少し詰まる部分もありながらも、そう返す。
確かにUGNに発見され、そして捕獲された。けれど、それ以上の”真相”を伝えるには……口が重い。
それに────その”真相”を伝えて、裕翔はどう思うのか。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………?……UGN……?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………それは……えっと……?」

[メイン] 雪音クリス : 「…あー、それについては。あたしが説明するよ」

[メイン] 歳納京子 : UGN。普通”日常”を過ごしていれば、まず聞きなれない言葉。それを発しても、真剣な眼差しは変わらず。
口を開こうとしたその時────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「雪音さん……?」

[メイン] 雪音クリス : 遠方から、少々引き攣った笑顔でクリスがやってきた

[メイン] 歳納京子 : 「あ、クリス……!」

[メイン] 雪音クリス : 「UGNってのは……あたしに、京子」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : こくりと頷き、クリスの方を向き、話を聞く。

[メイン] 雪音クリス : 「そして、お前や、あの子みたいな超能力を持った存在を秘密裏に保護する……」

[メイン] 雪音クリス : 「平たく言えば、秘密結社だ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「そ、そんな組織が………」

[メイン] 雪音クリス : 「…そして」

[メイン] 雪音クリス : 歯噛みする様に、今の世の。何より

[メイン] 雪音クリス : …優しい者に嘘をつく度し難さを
面の皮の奥に押し込めながら、虚言を述べる

[メイン] 雪音クリス : 「…残念ながら、はなこは……”ジャーム“と形容される状態だった」

[メイン] 雪音クリス : 「…そして、現在。それを治療する為。そして、隔離する為には私達はある手段を取る」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………っ………!!」

[メイン] 雪音クリス : 「冷凍保存……UGN式で言えば」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : その言葉に、裕翔の顔が歪む。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……そん、な………」

[メイン] 雪音クリス : 「凍結、未来に託す事しかできないから。閉じ込める…」

[メイン] 歳納京子 : ”凍結”。その重い言葉に、きゅっと唇を噛みながら。
よく言えば未来に託す。悪く言えば、後任せ。
────”本当”は、そんなことないのに。

[メイン] 雪音クリス : 「……柏森」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………は、い……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 今にも崩れてしまいそうな瞳を、クリスへと向ける。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : その手は、足は、震えていた。喪失感だ。

[メイン] 雪音クリス : 悪い、すまない
そんな事を言う資格が何処にある。家族を奪う分際で、赦しなど請える物かよ

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………………」
そんな顔を見て─────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………どうにか、ならないん、ですか………!?」

[メイン] 雪音クリス : 「………そう、思うよな」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……僕、分からないです………ジャーム、とか……!
 た、確かに、はなこは……僕達を、殺そうと、してました……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「でも………!!……な、何か……別の、方法、と、か………」
それは、子どもの我儘であった。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 専門家である京子やクリスらですら思いつかなかったものを
素人である裕翔が、どうして思いつくのか?

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 突き付けられた事実を、まだ受け入れ切れていない……ということもあり。

[メイン] 雪音クリス : 「…それは」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………お、お願いします!!!どうにか……!!
 ……お願い、します………!!皆さんっっ……………」

[メイン] 雪音クリス : 言い淀み、表情を歪め

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子とクリスに、大きく頭を下げる。
地面の牧草に、ぽたぽたと、涙が零れ落ちる。

[メイン] 歳納京子 : 服を握り締める。強く強く、自分の想いが籠るように。

[メイン] 歳納京子 : 「……UGNという組織は規則として、そうしなくちゃならない」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………やだっ………」

[メイン] 歳納京子 : 「……私も、頑張ってどうにかしようとしたけど……
 ……約束したはずなのに、これじゃ……面目ないよね」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………僕の、家族を……どう、か……奪わないで、くだ、さいっ……」

[メイン] 歳納京子 : 裕翔の顔に、ぐっと、顔と気持ちが潰れそうなる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 二人に頭を下げる裕翔の体は、不安げに震えていた。
結局自分でどうにかしたくとも、何もすることができない、無力な少年だ。

[メイン] 歳納京子 : 「はなこは……話が出来なかった」

[メイン] 歳納京子 : 「それでもどうにか、って頑張ってみたけど……
 ……裕翔、それでも、ごめん……!!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「っっっ………………!!!!」

[メイン] 歳納京子 : と、頭を下げている裕翔に対して、深く、頭を下げる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : それは、怒りの感情であった。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 誰に向けてなのか、定かではない。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 思いっきり拳を握り締め─────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「なん………でッ…………!!!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ……地面を、思いっきり殴る。超越した身体能力の、異能の体で。
そこには、裕翔の拳の大きさの穴が、ぽっかりと出来上がる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「なんで、こうなっちゃうんだよッッ………!!!!」

[メイン] 歳納京子 : その衝撃から生まれて風圧に、びゅう、とブロンドの髪が揺れながらも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 喉を切り裂いてしまうほどの声で、少年は叫ぶ。

[メイン] 雪音クリス : …どうして、いつもこうなるのか
どうして、全てに手が届かないのか

[メイン] 歳納京子 : 「……なんで、だろう」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ─────少年の、"日常"との繋がりが、今。

[メイン] 歳納京子 : 殴りつけた手に、京子の手を添えて。

[メイン] 雪音クリス : その光景に、燃え盛る我が家と
友人にぶつけた怒りを想起しながら

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 断ち切られようと─────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ゆっくりと、涙で濡れた顔を京子へと向ける。

[メイン] 歳納京子 : 「…………なんで……なんで、裕翔が、こうやって苦しまないといけないのかな」

[メイン] 歳納京子 : 顔を伏せたまま、ぽつぽつと。

[メイン] 雪音クリス : 「…京子」

[メイン] 歳納京子 : 「……だってさっ、お母さんもお父さんも、いなくなっちゃって……
 もう一人の家族だって、こうなって…………」

[メイン] 歳納京子 : 「…………それなのに、何も出来なかった……
 ……大事な人がいなくなることが、どれだけ辛いか、わかってるのに……」

[メイン] 歳納京子 : ぎゅうう、と、掴んだ両手に力が籠められる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「っ…………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……歳納さんも………?」

[メイン] 歳納京子 : 「……私は、何も出来なかったバカだよ
 ……でも、ごめん。バカだから……裕翔に、お願いしたい
 殴らないで……ほしい、って」

[メイン] 歳納京子 : その言葉に、ゆっくりと顔を上げる。

[メイン] 歳納京子 : くしゃっと、潰れそうな顔。普段の元気そうな京子の笑顔とは真反対のそれ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子の言葉に、握り締めた拳を見て、紐の切れた人形のように
ゆっくりと、開く。

[メイン] 歳納京子 : そして、こくりと頷いて。

[メイン] 歳納京子 : 「……基準を満たしてしまえば、UGNは”ジャーム”として、凍結対象にされてしまう」

[メイン] 歳納京子 : 「……私が任務で話した友達も、一緒。
 全然何ともないんだ、話しても普通の人に見える」

[メイン] 歳納京子 : 「……でも、凍結されちゃった
 その時も何も出来ずに、ただ……辛くて、苦しかった」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………………!」

[メイン] 歳納京子 : 片手を胸に当て、とん、と胸を強く。
……UGNの参加してても、こんなにつらかったんだ。
何も知らない裕翔は、きっとそれ以上の辛さを抱えてる。

[メイン] 雪音クリス : そんな事があっても、何も言わずにあんな風に笑ってたのか…

[メイン] 歳納京子 : 「……ほんと……バカ、だよね
 そんな事があって、ぜったい次は!って意気込んでたのに……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……歳納さんは……これまで、ずっと……UGNで……」

[メイン] 歳納京子 : 少しだけ、自虐のようにへらっと笑い。
口がきゅっと、閉まる。

[メイン] 歳納京子 : その問いに、こくり、と小さく頷き。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : UGNという組織については、まだ知ったばかりで多くは分からない。
しかし─────京子と、クリスの顔に浮かぶ表情を見れば
察するものが、ある。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……………………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………それ、なら……お二人は、どうして……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「だってっ……こんなの、辛くて……
 ……叫びたくて、どこかに、走って、そのまま消えてしまいたい……!
 ………お二人だって、そんな経験を、したことがあるなら……
 どう、して……………!?」

[メイン] 雪音クリス : 「…色々と、理由はあるが」

[メイン] 雪音クリス : 「…諦めたくなかっただけなんだよ、散々失敗した癖に」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………」

[メイン] 雪音クリス : 「手を伸ばす事、平和な世界を目指す事。中々どうして、諦めきれなくてさ…」

[メイン] 歳納京子 : そして、裕翔の顔を見ながら。

[メイン] 歳納京子 : 「……私も、諦めたくなかった」

[メイン] 歳納京子 : 「だって、頑張らなかったら……きっと、その分だけ辛い思いをする人が出てきちゃう……!
 今までもたくさん、そんな人は見てきた……!」

[メイン] 歳納京子 : エージェントになる前。なってから。
自分の日常のあり方や、日常を守るために一人で抱え込んできた人は沢山見てきた。
その人に……何も出来ないなんて。

[メイン] 歳納京子 : 「そっちの方が辛いし、それに……いいことだって沢山あったからね」

[メイン] 歳納京子 : へにゃりと、また、笑いかけて。

[メイン] 歳納京子 : 「……裕翔だって……こうして続けてなかったら、きっと会えてなかったもん!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……………え」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ハッ、とした表情で、京子を見上げる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : その姿は、どこか輝いて見えた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……すごい、な………お二人は、本当に………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………」
裕翔は、口を結び、そして何かを思案し。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……………僕も……僕も、二人みたいに、なれますか……?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……はなこは、凍結される……その治療は、未来に託される……なら
 ………それなら……僕も………!……何かの形で……関わりたいんです……!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「このまま……ここにいて、はなこのいない生活を送っても、僕は……
 ……両親にも、はなこにも……顔向け、できないので………!」

[メイン] 歳納京子 : 「…………っ」

[メイン] 歳納京子 : 凍結。それは未来に託す行為。
いつかレネゲイドへの完治の道が目指すことが出来れば、治るもの────。

[メイン] 歳納京子 : しかし、それは……はなこには、訪れない。
……あの子は、"討伐"されてしまうから。

[メイン] 歳納京子 : はなこは、とても強い力を持つジャームだ。
傷を付けずに捕獲することは難しいだろうし、きっとそれは彼女が望んだことじゃない、と言われた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────どう、でしょうか……?」
恐る恐るといった表情を京子へ向ける。

[メイン] 歳納京子 : 喋ることは出来る、けれど、人との関わりを拒否し、人を殺そうとするジャームとして、討伐する。
…………そんな残酷なこと……言えるわけ、ない。

[メイン] 歳納京子 : 「ぁ…………」

[メイン] 歳納京子 : 一瞬。顔が、きゅっと、詰まった。
不安で一瞬苦しくなったけれど。

[メイン] 歳納京子 : 「…………まっかせて!!」

[メイン] 歳納京子 : 「裕翔なら、なれる!絶対!
 なれなくても、なれるように練習しよう!!」

[メイン] 歳納京子 : 「なーに!この天才の京子ちゃんがついてるなら、楽なもんよ!」

[メイン] 歳納京子 : あっはっは、と大きく声を上げて空に笑う。
顔は、ちゃんとは見せられない。……笑えてるかもわかんない。

[メイン] 歳納京子 : 嘘を……付いてしまった。…………いつかなんて、来るはずもないのに。

[メイン] 歳納京子 : 「…………偉いよ、裕翔
 そんな事、選べる……なんて……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……!!………歳納さん………!!」

[メイン] ボンドルド : そうして、3人の顔が前を向いたところで

「おーやっやっやっやっやっ」

という声が、高らかに響いた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………! ボンドルドさん……!」

[メイン] 歳納京子 : 「……ボンドルド」

[メイン] 歳納京子 : 声を漏らしつつも、ちらりとそちらを向く。

[メイン] ボンドルド : 「どうもどうも。昨日ぶりですね、裕翔さん」
「その件はどうもお世話になりました…酪農研究サークルというのは嘘でしたが、貴重な体験を楽しませて頂いたのは本当ですからね」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「は、はい!お久しぶりです……!
 ……はい、僕も、すごく、驚きましたけれども……
 僕も……皆さんと一緒に過ごしたあの一日は……楽しかった、ので……」

[メイン] ボンドルド : 仰々しく、仮面の男は深々と頭を下げる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : い、いえいえ!と裕翔も頭を下げつつも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………」
その心中には、はなこが凍結されてしまうという事実と。
そして……ここにいる、親切な方々が、命を懸けた仕事をするという事実が。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : まだ、裕翔少年は、オーヴァードとして目覚め、日も浅く。
UGNでの訓練ももちろん、一度もしたことが無いため、即戦力になることは1%もあり得ない、が。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………あの……!!………ボルドルドさん……!
 ……何か、僕にも手伝えること……あります、でしょうか……!?」

[メイン] ボンドルド : 「おやおやおやおやおや。立派な志ですねえ。この地にゆかりの深いクラーク博士も、きっと御喜びになるでしょう」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ボルドルドの言葉に、少し嬉しそうに頬を染めつつも、真剣な表情は崩さず、ボルドルドを見つめ。

[メイン] ボンドルド : 「…ですが、そのことを話す前に私から一つ、皆さんに語らなければならないことがあります」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………?」
ちらりと、京子やクリスらを見やりながら、再びボルドルドへと視線を。

[メイン] ボンドルド : 裕翔、京子、そしてクリスを順に見渡す。

[メイン] 歳納京子 : 「…………!」

[メイン] 歳納京子 : 顔をゆっくりと、ボンボルドへと向ける。
浮かない顔であった。しかし、それを隠しながらも、ちらりと。

[メイン] 歳納京子 : 「私たち……に?」

[メイン] 雪音クリス : 「…ん?」

[メイン] ボンドルド : 「はなこが既に捕まった…というのは、正確には間違いです」
「いやはや、これは私の不手際なのですが、『直に捕まる』という風にお二人にもお伝えすべきでしたね」

[メイン] ボンドルド : 今突然現れたこの男も、話を聞いていたのだろう。恐らくは初めから。

[メイン] ボンドルド : その上で、身内の二人には『私の話に合わせてくれ』ということを口に出さないまま素振りで伝える。

[メイン] 雪音クリス : 頷き返し、様子を見る

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ごくりっ……と緊張したように、唾を飲み込む。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「これから………」
冷や汗を垂らしながら。

[メイン] ボンドルド : 「そして…私は御三方のやりとりを見ながらずっと思案していました」

[メイン] ボンドルド : 「ずばりそれは」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………!」

[メイン] 歳納京子 : 頷き返し。息を飲み、ボンドルドの言葉を待つ。

[メイン] ボンドルド : 「裕翔さん。アナタを、『はなこ』の元へとお連れするかどうかということです」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────!………はなこの、ところに……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : そして、間は……置かなかった。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……我儘で、申し訳ありません……!僕は……行きたいです……!」
ボルドルド、京子、クリスの顔を順々に見やりながら。
─────家族に、最後に会える機会なのだとしたら……それを手放す理由など、無い。

[メイン] 歳納京子 : 「…………!!」
それは……!と、口を開きそうになるも。

[メイン] 雪音クリス : 「……そうか、そりゃあ。そうしたいか」

[メイン] 歳納京子 : 「それって……大丈夫……なの?」
濁し、口をもごもごとさせながら、ボンボルドへと目線を送る。
そもそも会わせないようにしたのは、今のはなこと裕翔は傷ついてしまうだろうから。
そこが崩れてしまえば、もしや……と思うが。

[メイン] ボンドルド : 「大丈夫ではないでしょう。当然、このまま彼とここでお話をするよりもケタ違いのリスクを負うことになります」
「我々と裕翔さん、お互いにね」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………っ……」

[メイン] ボンドルド : 柏森裕翔は、暴れてこそいないが侵蝕率が100%を遥かに上回る数値を出している推定ジャームであり、そしてはなこという強力なオーヴァードを閉じ込めていられる力を持っている。

[メイン] ボンドルド : そんな彼を、彼が家族のように思っている相手を捕らえようとする場所に連れて行くなど、UGNにとってはリスクでしかない。

[メイン] ボンドルド : また、それが真意かは分からずとも、少なくともはなこが柏森裕翔に好意的な感情を持っていないことは明らかである。そんな相手に引き合わせることは、やはりこちらも柏森少年の身の安全を考えればリスクでしかない。

加えて言えば、はなこを家族だと想う柏森裕翔に、変わり果てたはなこを見せることはロイス保護の観点から見ても危険だ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………それ、は………」
申し訳なさそうな表情の色を、浮かぶ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 素人の自分を、戦場に連れていくことの意味。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : それは、戦場を知らない、平和な土地で育ってきた裕翔も分かることであった。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 戦士が、非戦闘員を戦場へ連れていくこと、その規律を破るという行為。
……状況を考えれば、自分を、はなこに会わせるという考えは、「ナシ」だ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………本当に、申し訳、ありません……
 僕は……ただ、皆さんに迷惑をかけるだけの存在、です……
 それは、事実です………」
自分の服の裾を握り締めながら。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……………ですが……一目でも、良いんです……!
 ……どうか………はなこと……会いたい、ので……!」
ボルドルドに、頭を深々と下げ─────。

[メイン] ボンドルド : 「頭を下げるのは、まだ止めておいた方が良いでしょう」
裕翔の肩を掴み、頭を上げさせる。
謝罪も懇願も、使い所が肝心なのだ。タダではない。目に見えないだけで、行為に価値があるのなら乱用は避けるべきだ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「っ…………」

[メイン] ボンドルド : 「ここからが本題です」

[メイン] ボンドルド : 「…裕翔さん。アナタは、まだはなこのことを諦めていないのでしょう」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………はい」
こくりと、頷く。

[メイン] ボンドルド : 「それは、アナタがまだはなこのことで納得出来ていないから。突然様子の変わったはなこのことを理解出来ていないから…ではないですか?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : その言葉は、的を得ていた。
実際、こういった事件が起こるまで過ごしてきた日常とは、一変した世界に自分達がおり。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : それをすぐに飲み込み、整理し、把握する……というのは
無理がある、というものであった。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………はい……どうしてはなこが、あんな風になってしまったのか……
 まだ、何も分からなくて……今も、モヤモヤしてます」

[メイン] ボンドルド : ゆっくりと頷き。

[メイン] ボンドルド : 「そう。アナタは諦めが付かなかった…当然ですよね。ご家族のことなのですから」

[メイン] ボンドルド : 「そして、その諦めの悪さから、UGNに加わりたいとまで決意なさった」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………はいっ……!」
強く、頷く。
ボルドルドの言葉は、裕翔の心に響いた。

[メイン] ボンドルド : 「……分かって頂けますか?京子さん、クリスさん」
「諦めない彼は、アナタ達と似ているのです」

[メイン] ボンドルド : 「そんな彼が…このまま侵蝕率を抑えることに成功しUGNに入れたとして」

[メイン] ボンドルド : 「果たして、この件を思い出にしておけますか?」

[メイン] ボンドルド : つまり、ボンドルドは
『柏森裕翔ははなこのことを、他人から聞かされた報告だけで納得することはない』と言っている。

[メイン] ボンドルド : そうなれば彼はきっと、またいつか真実に触れて、その時の彼が何を思うかは分からないが、キミ達に騙されていたことを知るだろう。

[メイン] ボンドルド : そうしたいのか?と問うている。

[メイン] 歳納京子 : ボンドルドの言葉に、唇を固く結ぶ。
裕翔を連れていかない理由は、あくまでも真実を知らせないため。傷つかせないため。
……でも、それで納得できるの?裕翔はそもそも、何も知らない側。巻き込まれただけなのに、何も知らされないまま、終わる。
果たしてそれは…………モヤモヤしたまま、なんじゃないか。

[メイン] 歳納京子 : 私が頼れと言ったのに……その私自身が嘘をついてたら……果たして、アイツは何を頼れるんだろう。

[メイン] 歳納京子 : 「…………甘かったや
 私は……もしこんなことになったら、一人でも見に行くかもしんない」

[メイン] 歳納京子 : と、言い裕翔へと目を向ける。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………歳納さん……」

[メイン] 歳納京子 : 「裕翔、その…………もしかしたら……見たくないものまで見てしまうかも、しれない」

[メイン] 歳納京子 : ぐしぐしと、髪を擦りながらも。

[メイン] 歳納京子 : 「それでも……裕翔は、会いたいんだよね
 ……"家族"、に」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………… ………僕は……見なくちゃいけないんだと、思うんです
 ……それを見ないまま……生き続けるのは、なんだか……
 気持ち悪くて………ごめんなさい」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 見たくないものを、見る。
その覚悟が必要であると、京子に尋ねられる。
……見たくないから、臭い物に蓋をする、という行為、それは、別に悪い行為ではないと思いつつも。
それはでもやっぱり、自分と共に生きてきた家族に対する、侮辱なのかもしれないとも、感じた。

[メイン] 歳納京子 : 「ううん……覚悟ができてるなら、凄い事だよ」

[メイン] 歳納京子 : 少しばかり、にこりと笑いつつも。

[メイン] 歳納京子 : 「……じゃあ、今度こそ約束させて欲しい……!
 もし"何か"あれば、裕翔の体は私が守る……絶対……!」

[メイン] 歳納京子 : 裕翔は、本来見なくてもいいものを見る。
家族として接してきたはなこに、想いを伝える。果たしてどうなっているのかその目で確かめる。そういった覚悟を持った。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………!!!歳納さん………!
 ……ありがとう、ございます………!!」

[メイン] 歳納京子 : そんな彼に、嘘をつきづけることも出来ない。
ましてや、裕翔自身が望んでいることなら……それを、拒みたくはなかった。

[メイン] 雪音クリス : 慣れないことしようとして、気分悪くなって
やっぱり、理想に負けるか……

[メイン] 雪音クリス : …それなら良い。悪くない

[メイン] 雪音クリス : 「やっぱり、妥協なんざするもんじゃないな……」

[メイン] 雪音クリス : 頭をガシガシと掻き

[メイン] 雪音クリス : 「了解、無茶で無謀だが笑わず付き合うさ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……!雪音さん………!」

[メイン] ボンドルド : 「ご理解頂き、ありがとうございます」
「……きっと、ガユスさんには怒られると思いますが」
なんて、少し苦笑を漏らす。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………ほ、本当に……申し訳、ありません……
 ……皆さん………ありがとう、ございます………!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : まだ出会って、間もないというのに。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 何も知らない自分に対し、ここまで真剣に向き合ってくれた人達が、いただろうか。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 両親が亡くなり、一人で牧場を経営していかなければならず。
あまり人口密度の大きくない村で、繋がりと呼べるものも
自分には、そこまで無く……日々の世話に心身共に、燃やして。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : だからこそ─────京子、クリス、ボンドルドという
誰かのために頑張れる人達の姿を見て
裕翔の心には─────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) :  

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ロイス取得
歳納京子 〇感謝と友情/申し訳なさ
雪音クリス 〇感謝と誠意/申し訳なさ
ボンドルド 〇感謝と信頼/申し訳なさ

[メイン] system : [ 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) ] ロイス : 2 → 5

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) :  

[メイン] ボンドルド : ボンドルドは、二人ほど若い考えで言っているのではない。
もちろんのこと同情や申し訳なさもあるが、ただ単純に、騙し切れない上に近寄ろうとしている相手を中途半端に騙すことはまた別のリスクがあると言う判断もあった。

[メイン] ボンドルド : ただそれでも

[メイン] ボンドルド : 最後には、少年と、短いながらも彼と過ごした時間を信じた。

[メイン] ボンドルド : そして…これから邂逅する、あの孤独なRBの最期を思えば

[メイン] ボンドルド : 少年は、立ち会うべきだと思った。
どちらにとっても必要だと。

[メイン] ボンドルド : 仮面の中で閉じていた目を開く。

[メイン] ボンドルド : 「…では、参りましょう」

[メイン] ボンドルド : 「ここからは…覚悟を要します」

[メイン] ボンドルド : 「何があっても受け止めるという覚悟がね」

[メイン] 歳納京子 : "何があっても受け止める"。
…………受け止める。怪我はないように守るとは言ったけど、そもそも何かが起こるのか。

[メイン] 歳納京子 : もしかしたら……裕翔と出逢えば、また違う思いを抱いてくれるんじゃないか。
全員が納得することが出来るんじゃないか。なんて、思わないでもない。

[メイン] 歳納京子 : ……ただ、ここはレネゲイド渦巻く非日常。
何が起きても、受け入れなくてはならない。
例え────想像と真逆のことが起きたとしても。

[メイン] 歳納京子 : ……私は、甘い。仕事仲間に何回も言われるくらい、甘い人間なんだって思う。

[メイン] 歳納京子 : でも、覚悟がないほど甘いわけじゃない。
……私だって、諦めたくはないから。

[メイン] 歳納京子 : 「……わかった」

[メイン] 歳納京子 : 一人のエージェントは、すっくと立ち上がった。

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] 歳納京子 :

[メイン] GM : climax2『Silence of the lamb』 登場:任意

[メイン] ガユス : 1d10 (1D10) > 3

[メイン] ボンドルド : 69+1d10 登場/リザレクト (69+1D10) > 69+7[7] > 76

[メイン] system : [ ガユス ] 侵蝕率 : 87 → 90

[メイン] system : [ ボンドルド ] 侵蝕率 : 69 → 76

[メイン] 雪音クリス : 76+1d10 登場/リザレクト (76+1D10) > 76+3[3] > 79

[メイン] リセット・カラー : 83+1d10 登場/リザレクト (83+1D10) > 83+3[3] > 86

[メイン] system : [ 雪音クリス ] 侵蝕率 : 76 → 79

[雑談] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率 : 83 → 86

[メイン] 歳納京子 : 99+1d10 登場/リザレクト (99+1D10) > 99+3[3] > 102

[メイン] system : [ 歳納京子 ] 侵蝕率 : 99 → 102

[メイン] GM :  

[メイン] はなこ : 「─────半人と、人の子よ、時は満ちた」

[メイン] はなこ : 白髪と、赤い瞳の少女は、語り掛ける。

[メイン] はなこ : 場所は、どこまでも広がる草原。落日の夕焼け色が辺りを照らす。

[メイン] はなこ : はなこは、"交渉"を願い出た。リセットとガユスの二人に。
自分達羊と、人間種が"対等"な関係になるための。

[メイン] リセット・カラー : 「………良い景色ですね」
夕日によく映える白髪の彼女を正面に迎えて

[メイン] はなこ : その言葉に、白の女もまた、太陽へと目を向け、その目を細める。

[メイン] はなこ : 「…………天とは、日とは、なんと自由なるものか」
手を伸ばし、その顔には羨ましそうな色が、見えるだろう。

[メイン] はなこ : そして伸ばした先の手は、太陽と重なり、握り締める。
やがて、視線は再びリセットへと戻し。

[メイン] ガユス : 黙ったまま、少し離れた場所で動向を見守っている。本来、こんなことをする義理はない。目前にいる羊だった女は、人類とは相容れない。向こうが全面的に折れるなら話は別だが、その望みは半ば絶たれている。

[メイン] ガユス : 何より、それは彼女の「尊厳」を踏みにじることと同義だ。彼女が尊厳よりも生存を望むなら交渉もできる。だが、それは……おそらくありえない。
おそらく、そう、おそらく。まだ可能性は残っている。だから、リセットが彼女と喋るなら邪魔はしない。
……甘えた話だ、本来なら問答無用で処分するべきだ。人類と日常を思うなら、そうするべきだ。
だが、それでも……ガユスは愚かにも、ただ待っていた。
この愚かなバケモノの弔辞くらいは、待ってやりたい。
……そういう、身勝手な自分の倫理観を守ることを選択した。我ながらバカな話だ。どこまでも自分の都合でしかない。ダブルスタンダードもいいところだ。

[メイン] はなこ : 「"人"よ、我らの、自由に生きる願いは、いかにして叶う?
 革命の火を起こす他に、手立ては、果たしてあったのか?」

[メイン] リセット・カラー : 「…………」
とても、苦い顔をして

[メイン] リセット・カラー : 「難しい、と思います…」

[メイン] リセット・カラー : 「…ですが!その方法を取ってしまったら貴方は何も得られないまま終わってしまいます…」

[メイン] はなこ : その瞳は、決意を表していた、真っ直ぐと、二人を見ていた。
羊達の、食肉としての死を受け入れることは、決してないだろう。
そして、革命が果たされるその時までこの個体は、甘んじた生を受け入れないだろう─────。

[メイン] はなこ : 「違うな」

[メイン] はなこ : 「……同朋のために戦い、そしてもしも朽ちるというのであれば
 それはなんたる、誉れ高いことであろうか」

[メイン] はなこ : 「我一人の生のために、この革命を止めるのであればそれこそ」

[メイン] はなこ : 「─────我の、本当の"死"」

[メイン] はなこ : 「……半人よ、其方の"同朋"がもしも、大きな存在に
 虐げられていた時、どうする?指を咥えるか?」

[メイン] リセット・カラー : 「…貴方と同じ状況であるのならば」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方と同じ事を、しますね」
手を繋げられる子だけで逃げ出すとか
そんな事は、出来ない

[メイン] はなこ : その白の顔に、微笑が浮かぶ。賛同の意だ。

[メイン] はなこ : 「……やはり本質的には、我らは……"同じ"」

[メイン] はなこ : そしてリセットに手を差し伸べ。

[メイン] はなこ : 「我と歩まぬか?半人よ」

[メイン] はなこ : 「本当の、"自由"を勝ち取るために
 ─────これは、我らと"人"が、"友"になるためには、必要なことだ」

[メイン] リセット・カラー : 「…………」
きゅっとした顔を浮かべて

[メイン] リセット・カラー : 「出来ません。」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方の求める自由とは」

[メイン] リセット・カラー : 「人にとっての不自由で」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方のみが自由に感じる物でしか無いからです。」

[メイン] はなこ : 「……………」
ギリィッ、と歯を食いしばり。

[メイン] はなこ : 「─────食べるものなど、他にあるだろうッッッ!!?!?!」

[メイン] はなこ : 「牛ッッッ!!豚ッッ!!!!」

[メイン] はなこ : 「草に、果実ッッ!!!!お前達は、なんでも食べれるであろうッ!?!?」

[メイン] はなこ : 「何故だッッ!?!?!」

[メイン] リセット・カラー : 「………今、貴方が挙げた他の動物達から」

[メイン] はなこ : その瞳には、怒りが宿されていた。
白の髪は、レネゲイドによって逆立つ。

[メイン] リセット・カラー : 「貴方と同じ様な存在が産まれたら…」

[メイン] リセット・カラー : 「貴方の意見を通してしまい、またそうやって産まれて、権利を求めて、求めて、求めて」

[メイン] リセット・カラー : 「………そうなってしまうかもしれません…」
「誰も何も食べられなくなってしまうかもしれません…」

[メイン] はなこ : 「………屁理屈だッッ」

[メイン] はなこ : 「そのような理由で我らが、食肉となるための狭い箱庭で
 都合の良いように扱われることなど……一切認められないッ!!!」

[メイン] はなこ : そして、白の女は腕を掲げると─────。

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : 《動物使い》

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : それは、動物を"操る"ことができる能力。

[メイン] はなこ : 白の女の周囲に─────。

[メイン]   : 「メェ~……」「メェ~」「メェ~~~」

[メイン] GM : 羊達が、集う。

[メイン] はなこ : 「さぁ同朋達よッ!!今こそ反逆の狼煙を掲げるのです!!!
 全ては我らの、栄光のためにッ!!輝かしい未来のために!!!!」

[メイン]   : 「「「「メェ~~~~~」」」」

[メイン] リセット・カラー : 「…………」
どうしたら どうすれば 良かったんだろう
何にも分からない ただ身の危険だけは迫ってきている

[メイン] GM : 夥しい数の殺意、敵意、害意が、そこに存在した。

[メイン] ガユス : ため息をつく。

[メイン] ガユス : 「もういいか?」

[メイン] ガユス : それは、リセットにだけ聞いていた。羊には聞いていなかった。

[メイン] リセット・カラー : 「…ガユス、さん…」
震える声を振り絞って

[メイン] リセット・カラー : 「…はい、これ以上は…望めないので」
その宣言を行い、レネゲイドに力を込める

[メイン] ガユス : 「そうか」

[メイン] ガユス : それだけ言うと。

[メイン] ガユス : 直後、はなこの右腕が轟音と共に吹き飛ばされ。

[メイン] はなこ : 「─────ぐほぁッッッ……!!!?」

[メイン] ガユス : 遅れて……ガユスの背後、草むらから、煙があがった。赤熱化した火砲が、そこから覗いている。

[メイン] ガユス : 「急所を狙ったんだが……咄嗟に逸らしたか。やめとけよ。苦しむ時間が長引くだけだ」

[メイン] はなこ : 怒りに満ちていた顔はもう、圧倒的火力の前に、ただ吹き飛ばされる哀れなジャームの、激痛の顔に変わりつつ。

[メイン] はなこ : ガユスの言葉に、にぃっ、と笑い。

[メイン] はなこ : 「これは試練、苦しみの時を超えてこそ─────」

[メイン] はなこ : 「─────我らの、悲願がッ!!!」

[メイン] ガユス : 「そんなものには、何の意味もない」

[メイン] はなこ : もう片方の腕を、ガユスへと掲げようとするも、その言葉に眉を顰める。

[メイン] ガユス : 「どんなに苦行を積もうが、努力しようが、焦げるほど求めようが」

[メイン] はなこ : 「黙れ……」

[メイン] ガユス : 「それと結果には何の因果関係もない」

[メイン] はなこ : 「黙れ」

[メイン] ガユス : 「世界は最初から不公平で無慈悲で理不尽で、誰か個人のためにできちゃいない」

[メイン] はなこ : 「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れッ………!!!!」

[メイン] はなこ : 「同朋よッッ……!!圧政者を駆逐せよッッ……!!!」

[メイン] はなこ : レネゲイドによって、力を増幅させた羊達は
統制された動きによって、四方八方より、その牙をリセットとガユスへ立てようとする。

[メイン] ガユス : さらに、ため息をつくと。

[メイン] ガユス : 「『竦め』」

[メイン] ガユス : ガユスの言葉と共に……周囲にエフェクトによって多重生成された化学物質が散布され、羊たちの小さな脳に強制的に、絶対的な恐怖が植え付けられる。脳内のオレキシンを薬物で少しばかり調整するだけで、動物は勝手に恐怖のイメージをその小さな頭の中に生成する。ただの生物である羊に、抗う術などない。

[メイン] GM : そして羊達の猛攻は、一瞬にして止まり。

[メイン] はなこ : 「ッッッッ………!!!おのれぇ………!!」

[メイン] はなこ : 「……不公平と、無慈悲が!この世界にあるならばッ!!!」

[メイン] はなこ : 「それを壊そうとすることの、何が悪しきかッッ!!!!」

[メイン] ガユス : 「悪くはねぇよ」

[メイン] はなこ : 白の女は─────地を蹴り、駆け出す。
真っ直ぐ、ガユスの方へと、猛進。

[メイン] はなこ : 《リザレクト》を使うことができないジャームは
片方だけになった腕のみで振るい、ガユスへ、羊の蹄の質量で殴らんとするも。

[メイン] ガユス : 「『跪け』」

[メイン] ガユス : 負傷して、体力の衰えたジャーム。しかもエフェクト訓練など受けているわけもいない個体。

[メイン] ガユス : 先程羊にしたのと同じように、空気中に散布した合成薬物によって、脳内のオレキシン受容体の抵抗力を調整し、その脳裏に絶対的な恐怖を無理矢理生成する。端的にいえば、強制的に重度のPTSDを誘発させるエフェクト。

[メイン] はなこ : 「─────ッッ……!!!?」

[メイン] はなこ : その言葉通りに、体が勝手に動く。
猛進の勢いはピタリと止まり、地に膝を着くも。

[メイン] はなこ : 腕だけは地に着くまいと、ギリギリのところで持ちこたえ
憎悪の感情が込められた、真っ赤な瞳をガユスへと向ける。

[メイン] はなこ : 体は、ガユスに対し恐怖を抱き、臨戦を拒もうとしていた。

[メイン] ガユス : 最大出力で人間に放てば……だいたいは恐怖のあまり自害する。それほどまでに生物と言うのは脆く、弱い。自らの想像する恐怖に簡単に屈する。しかし、目前のそれは……自害は踏み留まった。生まれたばかりということは、「想像できる恐怖」にも限りがあるからだろう。

[メイン] ガユス : 怖いもの知らずとは、よく言ったものだ。

[メイン] はなこ : 実際、もはやそこから一歩も進むことは、しばらくできないであろう。

[メイン] はなこ : 「………ク、ソッ………!!まだ、止まる、わけにはッ……!!!」

[メイン] はなこ : では、何が彼女を戦わせる?羊達のため?解放?自由?決意?覚悟?情熱?

[メイン] はなこ : 結論から言おう。

[メイン] はなこ : "衝動"だ。

[メイン] はなこ : 衝動のために、周囲も、自らの体すらも、考慮に入れずに
目標達成するために、進み続ける。それが、"ジャーム"だ。

[メイン] ガユス : 「俺とお前達の違いがわかるか?」

[メイン] はなこ : 「種族であろうッ!?」

[メイン] ガユス : 「違う」

[メイン] はなこ : 「何ッ………!?」

[メイン] ガユス : 「『先に席に座ってたのが俺達』というだけだ」

[メイン] はなこ : 「─────!」

[メイン] はなこ : その瞳が、大きく開く。

[メイン] ガユス : 「『進化』の理屈は解き明かされていない。仮説にすぎない」

[メイン] ガユス : 「俺達は猿から進化したといわれている。だが、レネゲイドなんてデタラメが発見された以上、俺達も最初は『お前のように』進化したのかもしれない」

[メイン] ガユス : 「最初はお前と同じだったのかもしれない」

[メイン] ガユス : 「俺達が猿からホモサピエンスになる前に、お前たち羊がお前のようになっていたら……」

[メイン] ガユス : 「きっと立場は逆だったろう」

[メイン] ガユス : 「つまりはな」

[メイン] ガユス : 「……お前は『不運』だった」

[メイン] はなこ : 「─────」

[メイン] ガユス : 「話は、それで終わりだ」

[メイン] はなこ : ジャームとは、"理性"が無い。

[メイン] はなこ : だが、"知性"がないのか?という質問であれば、それは否、だ。

[メイン] はなこ : ガユスの言葉は、生命競争における理屈として、大きく正しかった。

[メイン] はなこ : 早い者勝ちなのだ。権利を主張するとは、実際そういうものなのだ。
後から主張したとしても、先に座る者達がそれを快く受け入れるわけがない。
つまりもう、この状況下、何を意味するのかというと─────。

[メイン] はなこ : 「………あ、ああああ、あああああぁあああぁぁあああぁッッッ………!!!!」

[メイン] はなこ : 自我の崩壊だ。衝動を満たすために動く存在が。
それが満たされないと知ると、どうなるのか。

[メイン] ガユス : それは――哀れな怪物だった。

[メイン] ガユス : 言葉を理解する知性を得た時点で、彼女の世界はすでに崩壊していた。

[メイン] ガユス : 言葉を理解できるということは、意味を理解できるということ。意味を理解できるということは、機序がわかるということ。

[メイン] ガユス : そして、機序が理解できるなら。

[メイン] ガユス : ……無慈悲な弱肉強食の理すら、淡々と理解できてしまう。

[メイン] ガユス : 「……羊は黙ってりゃよかったんだ」

[メイン] ガユス : 「お前の仲間は……種としてはお前より賢い」

[メイン] ガユス : 「羊はあらゆる動物の中でもかなり知性で劣っている。しかし、だからこそ……家畜としてより強い生物である人間に『飼育』されることで繁栄してきた」

[メイン] ガユス : 「立派な生存戦略だ。より愚鈍に、より脆弱に、より無知に『進化』することで……絶滅してきた数多の生物を差し置いて、全世界で10億頭を超えて今もなお増え続けている」

[メイン] はなこ : 「──────────」

[メイン] はなこ : "生存"する、つまり……種を残す、という意味であれば。

[メイン] ガユス : 「お前はそういう意味じゃあ」

[メイン] ガユス : 「『退化』したんだ」

[メイン] ガユス : 「お前は、環境に適応できなかった」

[メイン] はなこ : その言葉にはなこは……。

[メイン] はなこ : ……跪いた。

[メイン] はなこ : もはや、言葉を出すことすら、できなかった。

[メイン] ガユス : 「……お前たちを歴史上脅かし続けた、狼の末路をしっているか」

[メイン] ガユス : 「絶滅したよ。この国には一匹もいない」

[メイン] ガユス : 「俺達が殺した」

[メイン] はなこ : 羊達の自由のために革命を起こしたというのにも関わらず。
それが、退化の道であるということであれば、それは……あまりにも、道化だ。

[メイン] ガユス : 「一頭残らず殺し尽くした」

[メイン] ガユス : 「――それだけの話だ。牙と爪は、お前が思っているより」

[メイン] はなこ : 人種が先に席に座る、そして歯向かう牙を持つ狼が断たれた今。

[メイン] ガユス : 「ただ生きるだけなら、役に立たないもんだ」

[メイン] はなこ : 「………………………」

[メイン] はなこ : 虚ろな瞳で、聞きたくもない話を、聞いてしまう。
事実だからだ、それは理として、完全に通るものだ。

[メイン] はなこ : 自分という存在が起こしたこの革命は、自分の衝動すらも、満たさないものであり。

[メイン] はなこ : そもそも、羊達の解放という衝動、であれば。
半ば、満足に至る程に、満たされているという。
結局の所、このジャームが成したことは、何もかもが。

[メイン] はなこ : 無意味だった。

[メイン] はなこ : 羊は、沈黙した。

[メイン] ガユス : 踵を返す、リセットに一瞥だけ送り。

[メイン] ガユス : 「言葉は時に残酷だ」

[メイン] ガユス : 「……話は終わりだ」

[メイン] リセット・カラー : 「………はい」
棒立ちのまますべてが終わったのを見届けて

[メイン] ガユス : いい気分だろう、ガユス。人間の傲慢さを、人間ではない少女に見せつけて……少しはこれで鬱憤が晴れたか?

[メイン] ガユス : ……最悪の気分だ。言わなくてもいいことと、やらなくていいこと。全部やった。

[メイン] ガユス : 「沈黙は金、か」

[メイン] ボンドルド : 「それはどうでしょう」

[メイン] ボンドルド : 「言葉を尽くしてみなければ分からないこともありますよ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────はなこッッ!!!」

[メイン] ガユス : 「……支部長」

[メイン] ガユス : 視線を向けた先、そこにいたのは……ボンドルドを始めとしたUGNの面々と、牧場の少年。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ボンドルド達と共にやってきた中には、調査対象である少年の顔も。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : そしてその少年は─────戦地へと、走り出していた。

[メイン] ガユス : 「京子にクリスもか……そのガキがいるってことは、『そういうこと』か」

[メイン] リセット・カラー : 「え!?裕翔君…!?って事はってちょっと危な…!」
諸々の困惑によって静止も間に合わない

[メイン] 歳納京子 : 「……どうしても会いたい、って」

[メイン] 歳納京子 : その後ろからはぁはぁ、と息を上げながら、声を送る。
ガユス、リセットの面々に、顔を向けながら。

[メイン] 雪音クリス : 「…悪い、根負けした」

[メイン] ガユス : ボンドルドを見る、事情はだいたい察した。

[メイン] ガユス : 英断だ。嘘は長続きしない。

[メイン] ガユス : それをする気がない奴なら、なおのことだ。

[メイン] ガユス : 「……奴は無力化した。後は任せる、支部長」

[メイン] ボンドルド : 「感謝を」

[メイン] ガユス : 「こっちこそ」

[メイン] ガユス : それだけ言って、その場から立ち去る。もう仕事は終わった。

[メイン] ガユス : あとは羊は羊らしく。

[メイン] ガユス : ……人の役にたって、消費されるだけだ。

[メイン] ボンドルド : 「さて、裕翔さん」

[メイン] ボンドルド : 「あちらにいらっしゃる成人女性に見えるものが」

[メイン] ボンドルド : 「はなこです」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………!!!……ありがとうございます……!ボンドルドさん!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ボンドルドへ会釈し、そしてはなこ……と呼ばれている。
片腕を無くした、白の髪の女の方へと走り止まり。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……はなこ……なんだよ、ね……?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : そっと、白の女の肩に、優しく手を触れる。
その表情は、弱々しく、心配するように。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………っ……!こ、こんな、出血を………!!」
白の女の片腕が吹き飛ばされ、そこから流れ出る血にぎょっとしながら。

[メイン] はなこ : 「……………」

[メイン] はなこ : 沈黙の羊は、ゆっくりと顔を上げ……"人"を、見る。

[メイン] はなこ : そして、何を思っているのか、虚ろな瞳を、向け続ける。

[メイン] はなこ : 羊は、"人"によって支配され、その種を残し続けたという事実を知るも
目の前にいるは─────。

[メイン] はなこ : ……自分達の仲間を、良いように飼い、そして……食肉として加工すべく
故郷から連れ出し、冷たい工場へと送り出した、元凶。

[メイン] はなこ : 反逆の意味は無い。と知りながらも─────。
ジャームは、"衝動"に生きる。
合理性は、無い。だからこそ理性が無い存在なのだ。

[メイン] はなこ : 「…………触るなッ……!"人"がッッ……!!」

[メイン] はなこ : 憎悪の感情を叩きつけるように、"人"を睨む。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「っ………!?はな、こ…………でも……
 ……でもッ!!こんな怪我をして……放って、おけないよ……!!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「それに……はなこ!!僕と、君は─────」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────"家族"じゃないか!!」

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : プツン

[メイン] はなこ :  

[メイン] はなこ : 家族?

[メイン] はなこ : 自分達を都合よく飼い慣らし、食肉として扱っていたというのに

[メイン] はなこ : 家族?

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「ち、治療すれば、まだ間に合う……と思うから……!
 ………ね?……帰ろうよっ……!!!」

[メイン] はなこ : どこへ?

[メイン] はなこ : あの狭い箱庭へ、にか?

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「僕は……はなこと、一緒に、いたいんだ………!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「お願いだから………正気に、戻ってほしいんだ……」

[メイン] はなこ : 支配者と、一緒に?

[メイン] はなこ : ………"正気"?

[メイン] はなこ : 我が、正気ではない、と?

[メイン] はなこ : 「…………くく、くくくく……」

[メイン] はなこ : 「………ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

[メイン] はなこ : 「これがッ!!!先に席に座りし者の、余裕かッ!!!」

[メイン] はなこ : 大きく笑い、そして大きく叫ぶ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………っ!?は、はなこ……!?」

[メイン] はなこ : そしてはなこは─────。

[メイン] はなこ : ─────片方のみの腕を振るい。

[メイン] はなこ : 革命家として、最後の─────反逆を。

[メイン] はなこ : 拳は、蹄へと変わり─────裕翔の胸へと、めり込む。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「ぐ、はァッッ─────!?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 動物の力というものは、人の力を大きく、凌駕している。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 裕翔の胸の奥にある臓器、心臓が、悲鳴を上げる。
肋骨も、何本か折れ、そして少年の体は何回転もし、吹き飛ばされる。

[メイン] はなこ : 「ハハハハハハハハハ──────────」

[メイン] 歳納京子 : 「…………っ!!」

[メイン] 雪音クリス : 「このッ──!!」

[メイン] 歳納京子 : 吹き飛ばされた勢いを殺すように、飛び出て裕翔を庇おうとするものの。

[メイン] 歳納京子 : 勢いは凄まじく、抱えたままゴロゴロと転がっていく。

[メイン] 雪音クリス : 後ろへ転がる二人とすれ違う様にはなこへ突撃して固く握った拳を振り上げる

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子に抱えられたまま転がる。口からは、内臓が爆裂したことによる血が。

[メイン] はなこ : 瞳孔をかっ開いたまま、クリスの拳を見つめる。
もはや、防御態勢すらする余力も、体力も、精神状態でも無かった。

[メイン] 雪音クリス : 《カスタマイズ》

[メイン] はなこ : その顔は、衝動に近づくための、ほんの少しの笑みが。

[メイン] 雪音クリス : 弾薬ベルトをバンテージのように変形させ到達までの内に拳を凶器へ変貌させる

[メイン] 雪音クリス : 4dx (4DX10) > 8[2,5,6,8] > 8

[メイン] はなこ : リアクション放棄

[メイン] 雪音クリス : 1d10 (1D10) > 10

[メイン] system : [ はなこ ] HP : -100 → -110

[メイン] 雪音クリス : 「大馬鹿野郎がッ!!」

[メイン] はなこ : 「か、はッ─────」

[メイン] はなこ : 白の女もまた、大きく吹き飛ばされ、牧草に転がっていく。
失った片腕から垂れる血が、その軌跡を描いていた。

[メイン] 雪音クリス : 拳が硝煙を上げるという重傷に構わず後ろを振り返り

[メイン] 雪音クリス : 「おい、そっちは……!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「ぜ、ぇ………ぜ………ぇ…………」
少年の額には、大きく汗が滲み出ていた。
心臓が、異常な鼓動方法をしていた。肋骨が折れたことによる激痛が、裕翔の精神を蝕んでいた。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ぴくりとも動かず。荒げている呼吸も、段々と小さく─────。

[メイン] 歳納京子 : 「……っ、ごめん……!」
声をかけられた丁度、転がりが止まり、抱えたままの彼の手を握り。

[メイン] 歳納京子 : ……もうダメだって、わかってる時から……止めておけばよかった……!
……もう少し早く動けていれば、庇うことだって……!

[メイン] 歳納京子 : 「っ、だ、だめ、だめっ……!!」
小さくなる呼吸に、どくどくと冷や汗をかいて。
なにか出来ないかと体を動かそうとした時。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 少年は、二度目の死を、迎えようとしていた。

[メイン] リセット・カラー : 「…大丈夫、だよ…京子ちゃん」

[メイン] リセット・カラー : 「京子ちゃんにクリスちゃん、ボンドルドさん…皆が助けたい、助けられるから、色々やってくれたんだよね」

[メイン] リセット・カラー : 「だから私も、裕翔君の事を…助けちゃいます!」

[メイン] 歳納京子 : その声にハッと、顔を見上げて。

[メイン] リセット・カラー : 「………!」
ジェネシフト 小さな体にぎゅうっと力を込めて
少しずつ少しずつ レネゲイドの能力を増幅させる

[メイン] リセット・カラー : 86+4d10 ジェネシフト (86+4D10) > 86+22[1,10,7,4] > 108

[メイン] system : [ リセット・カラー ] 侵蝕率 : 86 → 108

[メイン] リセット・カラー : 「…よし…と」
体の調子は整った…だから後は…

[メイン] リセット・カラー : 「はい……」
《奇跡の雫》
とても小さな両手で掬った様な量を、瀕死の体の裕翔に飲ませる

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ソラリスシンドロームによって作られたその雫は、裕翔の体に存在する
自然治癒能力を超人的に増幅させ─────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 折れた骨、破れた内臓、千切れた血管、全てが、正常稼働状態へと修復されていき。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………げほっ!げほっ……!!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : なんとかその命を、繋ぎ止めることが、できた。

[メイン] リセット・カラー : 「ふう…良かったあ…」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……!……あれ、僕……」
胸の辺りを摩りながら、リセットの方を向き
額の汗を拭いながら。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………これ……貴女が…… ……ありがとう、ございます……」

[メイン] 雪音クリス : 「無事、か……」

[メイン] 歳納京子 : 流れるように、命の雫が裕翔に落とされていく。
その手腕、流れる動きに、感嘆としながらも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 申し訳なさそうな顔を向けながらも。
裕翔の心には、引っかかりだけが、取れきれず。
……"家族"に、二度も、殺されかけてしまったという事実が、残っており。

[メイン] 歳納京子 : 応急手当キットで、つなぎ止めた命にテープを巻いていく。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子にも、あ、ありがとうございます……!と告げ。
そして視線は─────"家族"へと、向ける。

[メイン] はなこ : むくりと、白の女がその体を、持ち上げる。
ガユスによって撃ち込まれた恐怖を感じさせる物質は
体内に眠る膨大なレネゲイドによって中和され─────。

[メイン] はなこ : 「………我、革命家としての生を……望むッッッ!!!」

[メイン] はなこ : 白の女の周囲の空間が、陽炎のように歪んで見えてしまうくらいに
強力な、大きなレネゲイドの奔流が渦巻く。

[メイン] 雪音クリス : 「野郎、自爆する気か…!!」

[メイン] はなこ : 白の女が、あなた達に掲げる手の先に集うは、爆発物質。

[メイン] はなこ : 白の女は、事実を前に足を折れてもなお、"衝動"のためだけに進む。

[メイン] はなこ : もはや、それが大義のある行為ではなくなったとしても。

[メイン] はなこ : それが、自分のあるべき姿というのであれば、それを選ぶ。

[メイン] はなこ : 「栄光あれッッッッ─────」

[メイン] はなこ : そして、その膨大なレネゲイドが放たれようとすると─────。

[メイン] ボンドルド : 黒き外套を纏った仮面の男が、白い女の眼前へと躍り出る。

[メイン] ボンドルド : 「そうです。アナタは、同胞の為に戦った誇り高き羊です」

[メイン] ボンドルド : 「大義を抱えたまま、最後まで戦った一人の革命の戦士として」

[メイン] ボンドルド : 「アナタは今ここで死ぬのです」

[メイン] はなこ : その言葉に、にぃっ、と笑い。

[メイン] はなこ : 「さらばッッ!!憎き"人々"よッッッ!!!!」

[メイン] はなこ : ここにいる者達、全員を殺害し得るほどの出力量。

[メイン] はなこ : 明確な殺意。異種族に対する、拒絶反応。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………っっ………!!!!そ、んな………!!」

[メイン] はなこ : 《エクスプロージ─────

[メイン] ボンドルド : 「よく覚えておきなさい!これが!」

[メイン] ボンドルド : 「はなこの生だったということを!!」

[メイン] ボンドルド : 怒号が上がったその瞬間。

[メイン] ボンドルド : ボンドルドとはなこを中心とした半径1mほどの空間が

[メイン] ボンドルド : ねじ曲がった。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────ッッッ!!!?」

[メイン] ボンドルド : 重力とは、引き合う力である。

[メイン] ボンドルド : 宇宙創世以来、遥かな暗黒空間に広がる孤独な粒子がぶつかり、結び合い、やがて星を作った。

[メイン] ボンドルド : そうして生まれた星は更に互いを喰らい合い、大きくなり
最後には、大きすぎる力で自らを縮小させ…死を迎える。
その何十億の時を経た成れの果て。ただひたすらに縮小を繰り返すだけの物質はやがて何物をも逃さない圧倒的な引力を放つ。

それを、宇宙の歴史の縮図を、ボンドルドはごくごく僅か、小規模なものであるが生み出すことが出来た。
オーヴァードならば、それが可能だった。

[メイン] 雪音クリス : 巻き込まれぬ様、冷や汗を流しながら後退し

[メイン] 雪音クリス : 「アレが、ボンの本気か……!」

[メイン] はなこ : 白の女は、そこへ形成された巨大な渦に、呑まれていく。
爆発物質すらも、その中へと─────。

[メイン] はなこ : 死を前に、白の女は。

[メイン] はなこ : 笑っていた。

[メイン] リセット・カラー : 「…あっ」
待っ…

[メイン] 歳納京子 : 圧倒的な力の前に、方式すらもネジ曲がる。
まさしく黒の星が生まれ、そして瞬く間に消えたような爆発。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………ッッ!!!は、はな、こっ………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 叫びたくとも、叫べなかった。

[メイン] 歳納京子 : 裕翔を庇うように、前に出ながらも。
風圧によって、びりびりとブロンドの髪が揺れる。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ……"家族"だと思っていたのに、二度も、殺されかけた。
どんなに対話しても、しても………拒まれた。
はなこにとって自分は……"敵"だった。その事実が、心に引っかかったまま。

[メイン] 歳納京子 : 「…………気持ちはわかる……!
 ……でも……近づいちゃ、ダメ…………」
裕翔の手を強く、握る。

[メイン] 歳納京子 : そして、その星に飲み込まれていく彼女を。
ただ、見やるしか無かった。冷や汗をかきながら、止めることも、助けることも出来なかった。
ぎりっと、歯をかみ締めながらも。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「っ…………!………は……い………」
やだ、という言葉は、吐き出せなかった。
無力感に、苛まれていた。そして何よりも─────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ボンドルドの言葉。
─────よく、覚えておく、ということ。はなこの……"生"を。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : はなこは……ずっと、必死、だったんだ………。
……僕だけが、一方通行の感情を、押し付けて……。

[メイン] はなこ : 特大級の引力は、はなこの体を、引き千切っていきながら。

[メイン] はなこ : ─────戦士としての死を、向かえるために。

[メイン] はなこ : ─────羊としての姿に戻り。

[メイン] はなこ : 言葉すらも、重力の中に吸い込まれていく中、口を、パクパクと動かす。

[メイン] はなこ : わ・ざ・わ・い・あ・れ

[メイン]   : ─────そして、その一匹の動物は、跡形も無くなった。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 繋がりは、断たれた、しかし─────。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ……覚えて、おかなくちゃいけない。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 一緒に生きてきたから、そして、はなこは最後の最後まで……戦ってきたんだと。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 自分達と、そして……羊は、違うんだと。
……覚えて、おかなくちゃ、いけない。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) :  

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : ロイス変更
はなこ 愛情/〇隔意

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) :  

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 涙が、止まらなかった。

[メイン] ボンドルド : 解放していた力を収めたボンドルドは、その場を離れながら少年少女を見遣り

[メイン] ボンドルド : 「後は、君たちの番です」

[メイン] ボンドルド : 「老人は潔く消えるとしましょう」

[メイン] ボンドルド : タッと駆けて姿を消した。

[メイン] 歳納京子 : それが耳に入りながらも、こくりとしか頷けず。

[メイン] 雪音クリス : 何も、残っていない場所を見つめしばし黙祷して

[メイン] 歳納京子 : 裕翔の涙を、とめどなくあふれるそれをハンカチで拭う。
背中を撫でながら。ゆっくりと。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 京子の介抱に、心に開いた穴が、温かなもので埋まりながら。

[メイン] 雪音クリス : 「…柏森、大丈夫か?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………大丈夫、でずっ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 鼻声で、はなこが立っていた場所を、その後ろにある夕日を、ずっと見つめたまま。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………この、世界には……こんな風な、ことがっ……
 まだまだ……たくさん、あるっ……ですよ、ねっ…………」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 肩を震わせ、止まらない涙を拭うことすらもできず。

[メイン] 歳納京子 : はなこを助けられなかったこと、体を守れなかったこと、約束を守れなかったこと。全て出来なかった。けれど、それを一番抱えているのは彼なのだから。

[メイン] 歳納京子 : 「…………ううん」

[メイン] 雪音クリス : 「…どうかな」

[メイン] 雪音クリス : 濁す様に言葉を返すも、京子の声に続きを語るのをやめる

[メイン] 歳納京子 : 「こんなのは、一つっきりだよ
 ……大切な人を失うくらい辛い経験なんて、沢山あっていいわけない……から……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………………で、もっ……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 自分の手のひらを、見つめ。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……こんなのがある限りはっ………きっと………
 …………それに、皆さんにも、ずっと迷惑かけて、ばかりでっ………!!」

[メイン] リセット・カラー : 「ううん、迷惑何かじゃないよ」

[メイン] リセット・カラー : 「皆、そうしたいって、そうする事が好きだからやってるんだよ…ね?」
二人の方を見て

[メイン] 雪音クリス : 「…その通りだ、柏森」

[メイン] 歳納京子 : リセットの言葉を受け、ちらりとクリスに目をやる。

[メイン] 雪音クリス : 「お前がそう言う気持ちも痛い程わかるが……迷惑の話をするときは、大抵お互い様だ」

[メイン] 雪音クリス : 自分自身、今回は羊の脱走の引き金となっている。更にいえば…

[メイン] 雪音クリス : 「お前も、私達も、レネゲイドやら何やらに振り回されてきた……」

[メイン] 雪音クリス : 「同類相手に、そう気を使いすぎなくていいさ」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………雪音、さんっ……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………」

[メイン] 歳納京子 : クリスの言葉に頷いて。

[メイン] 歳納京子 : 「私だって、クリス、リセット、ボンドルド、ガユス……
 そして、裕翔……他にもUGNの人たちとか、みんなに迷惑掛けちゃってるしさ」

[メイン] 歳納京子 : 「……これから起こることを、受け入れる
 そういうことには覚悟が必要……だった
 起こったことは、こうして……受け入れるしかないのかも、しれないけど」

[メイン] 歳納京子 : ……私自身が受け入れられてるわけじゃない。
あの”笑顔”は……きっと忘れられない。

[メイン] 歳納京子 : 「……でも、二度目はない」

[メイン] 歳納京子 : 「まだまだこんな風なことがあったとしても……」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………」

[メイン] 歳納京子 : 裕翔の目を見つめて。

[メイン] 歳納京子 : 「また、辛い想いをする人が出ないように
 ……”日常”を守ってみせるのが、私たちUGNだ」

[メイン] 歳納京子 : 「……だから……あと一回だけ、約束させてほしい!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……!……約束、ですか……?」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 目元を袖でゴシゴシと拭き、そして京子をじっと見て。

[メイン] 歳納京子 : そして、頭を下げる。
もう失われないように。大きなものを失ってしまった少年に。

[メイン] 歳納京子 : 「……私だけじゃ無理かもしれない……
 だから、手伝ってほしい、日常の守り手を」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「─────!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 自分を救ってくれた方が、こうして頭を下げ
そして……共に、日常を守ることを、お願いする。
……自分を頼りにしてくれる、という事に少年は。

[メイン] 歳納京子 : 「……あんなことがあったのに、こんな重荷を頼むって、悪い、けど……!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「…………いえ!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「……歳納さんに、雪音さんに、ボンドルドさん……
 それに、他の皆さんが……ここまで、頑張ってくださったのに!
 僕だけ何もしないのは、嫌なので………!!」

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : リセット、そして既に去ってしまったガユスへと視線を送りながらも
再び京子へと目線を戻し。

[メイン] 柏森 裕翔(かやもり ゆうと) : 「………よろしく、お願いします……!」

[メイン] 雪音クリス : 黙して頷く

[メイン] 歳納京子 : 涙腫らした顔で、それでもニッ、と笑う。

[メイン] リセット・カラー : …にっこりと見上げた笑顔で返す

[メイン] GM : ─────夕焼けの光が、4人を照らす。

[メイン] GM : 肯定の、沈黙。

[メイン] GM : 人と、人ならざる者は、本当の相互理解に至るのは難しいのかもしれない。

[メイン] GM : それでも、手を伸ばし続けるのが

[メイン] GM : 人なのだろう。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] ガユス : Ending 「雄弁は銀」 登場:ガユス

[メイン] ガユス : 事件後。

[メイン] ガユス : 諸々の後処理を終えたガユスは、その足で東京にまで戻り、関東支部の駐車場に停めっぱなしにしていた愛車に乗り込んで、そのまま首都高を走っていた。

[メイン] ガユス : 得意気に何か語るような事件でもなければ、偉そうに何か言えるような事件でもない。例の少年とこれ以上関わる気もない。いや。

[メイン] ガユス : 関わる勇気がないだけかもしれない。

[メイン] ガユス : あの少年は、被害者である。

[メイン] ガユス : 不運であり、不幸であり、あの少年に非は何もない。

[メイン] ガユス : しかし、それでも。

[メイン] ガユス : 「……」

[メイン] ガユス : ガユスは、あの少年よりも、羊だった何かを哀れんでいた。

[メイン] ガユス : あの怪物は、結局。

[メイン] ガユス : 最後の最後まで……飼い主にすら理解されなかった。

[メイン] ガユス : 誰よりも愛を注ぎ、誰よりも情を注ぎ、そして誰よりも自分を思っていてくれていたであろう『誰か』が。

[メイン] ガユス : 結局……『人の尺度』でしか、自分を見ていなかった。

[メイン] ガユス : 当たり前の話だ、別にあの少年が悪いわけじゃない。

[メイン] ガユス : ガユスだって犬猫を人扱いなんて断じてしない。なんだったら近所の野良猫だって「愛らしい」と思いはしても、それ以上何もしない。見るだけだ。愛らしく鳴いて見せる猫が何を思っているかなんて、考えもしない。

[メイン] ガユス : だから、これは別に普通の話で。

[メイン] ガユス : だから、これは何の不思議もない話で。

[メイン] ガユス : だからこそ、これは。

[メイン] ガユス : 「……理不尽だな、本当に」

[メイン] ガユス : 当たり前の現実。

[メイン] ガユス : 家畜はどんなに美辞麗句を並べたところで、結局は家畜でしかない。

[メイン] ガユス : つまり、家畜は家畜であるからこそ、家畜としての権利の一切が認められる。

[メイン] ガユス : 人でいうところの衣食住を認められる。消費され、屠殺されるその時まで。

[メイン] ガユス : では、家畜になりたくない獣はどうすればいいのか?

[メイン] ガユス : その答えも決まっている。

[メイン] ガユス : 多くの絶滅動物達の骸が、無言で全てを語っている。

[メイン] ガユス : この問題の答えなんてわかりきっている。いや、問題ですらないのかもしれない。

[メイン] ガユス : 「……羊の群れに混じった狼は、殺されるか」

[メイン] ガユス : 「飼い殺されるだけ」

[メイン] ガユス : 人の群れで飼い殺されることを選んだ狼。

[メイン] ガユス : UGNに飼い殺されることを良しとして生きるガユスは、ただただ、飼い殺されるくらいなら殺されることを選んだ一匹の羊を。

[メイン] ガユス : 「……当たり前の話だろ」

[メイン] ガユス : ――蔑んだ。

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン] ガユス :  

[メイン] ボンドルド : Ending 「種」 登場:ボンドルド

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド : 娘がいる。

[メイン] ボンドルド : 正確には、娘と呼んでいるRBだが。

[メイン] ボンドルド : 彼女は、Rラボを内包し、特殊なオーヴァードに関する実験を行っている私の支部において『ナナチ』の名で呼ばれている個体だ。7番目の検体だから『ナナチ』だなんて言う、実に適当な呼び方だ。

[メイン] ボンドルド : 彼女は、言葉というモノから何かしらのレネゲイド反応を引き起こすことのできるノイマンやソラリスといったシンドロームを発症したオーヴァード達が密室で作り上げた架空の噂話からレネゲイドビーイングが生まれるかどうかといった内容の実験によって生まれた存在である。

[メイン] ボンドルド : つまるところ、彼女は恣意的に作られ世界でたった数人を除いて誰にも知られることのない都市伝説をオリジンに持つ。

[メイン] ボンドルド : そんな彼女は───────。

[メイン] ボンドルド :

[メイン] 『ナナチ』 : 「んな〜!」

[メイン] 『ナナチ』 : ビシビシ、と男の仮面を叩く。

[メイン] ボンドルド : 「おやおやおや」

[メイン] ボンドルド : 「痛いですよ」

[メイン] ボンドルド : 「仮面の下にある顔にまで衝撃が伝わって来ています。痛いですよ」

[メイン] 『ナナチ』 : 「んな〜〜!」
びしばしと殴打を続ける。

[メイン] ボンドルド : 「おやおやおやおやおやおやおやおやおや」

[メイン] ボンドルド : 本当に痛い。

[メイン] ボンドルド : 『身体が細菌型の植物で出来ている様々な動物の人造キメラがコンクリートや機械を手当たり次第に喰らいながらインターネットを媒介して人々を襲う』

[メイン] ボンドルド : 彼女を産んだ架空の都市伝説とはこう言った内容のものである。どこのB級映画の話だろうか。

[メイン] ボンドルド : つまり、彼女はオリジン:アニマル、コロニー、サイバー、ヒューマン、プラント、ミネラル、レジェンドの全てを兼ね備えたRBなのだ。

[メイン] ボンドルド : 今私をこうして殴っている手は細菌型の植物で構成された大型の人造生物兵器のものである。

[メイン] ボンドルド : 痛いに決まっている。

[メイン] 『ナナチ』 : 「あのな、ナナチはな、昨日もな、その前もな、ボンドルドをな、待ってたのな」

[メイン] 『ナナチ』 : 「なのにな、ボンドルドはな、今日までな、帰ってこなかったのな」

[メイン] 『ナナチ』 : 「だからな、ナナチはな、悲しいんな、怒ってるんな」

[メイン] ボンドルド : そんな、独特の話し方で私を叩く彼女は、コンクリートや機械を食べて成長する細菌型の植物によって構成された空想上の人造肉食獣である。

[メイン] ボンドルド : 決して人間ではない。

[メイン] ボンドルド : 人間には、なれない。

[メイン] ボンドルド : 各々のオリジンを反映させた結果なのか、あるいはそこまで容量が足りなかったのか、彼女は『ヒューマンズネイバー』を取得出来なかったのだ。

[メイン] ボンドルド : 「おやおやおやおやおやおやおや」

[メイン] ボンドルド : また、彼女は植物ではないし、細菌でもないし、動物でもないし、石ころでも、機械でもないし、都市伝説でさえない。

[メイン] ボンドルド : ではこうして今、甘えるように私に寂しがる彼女は、孤独なのだろうか。

[メイン] ボンドルド : 私はそれを知りたくなった。

[メイン] ボンドルド : 「すみません…ナナチ。遅くなったのには遠くに行っていたからなのです」

[メイン] 『ナナチ』 : 「んな〜?遠く〜?」

[メイン] ボンドルド : 「ええ。北海道と呼ばれるところでして……自然が豊かなところです」

[メイン] 『ナナチ』 : 「いいな〜。ナナチ、そういうとこ好きなんな」

[メイン] ボンドルド : 「そうでしょう?そこで、アナタの為に……ホラ、こうして…沢山写真を撮ってきましたよ」

[メイン] ボンドルド : パサ、と何枚かの現像した写真を見せれば…そこには、フルフェイスの仮面をつけた黒衣の男が北海道の大自然の中にその姿を収めていた。大体クラーク博士のポーズだった。

[メイン] 『ナナチ』 : 「んな〜!楽しそうだな〜!行ってみたいな〜!!」

[メイン] ボンドルド : それは、無理だろう。
おそらく彼女がこの研究所から出ることは一生叶わない。
きっと彼女自身がそれをよくわかっている。

[メイン] ボンドルド : それでも、そう願うことを妨げることなど出来はしない。

[メイン] ボンドルド : 「……ナナチ、アナタは可愛いですね」
「私の自慢の娘です」

[メイン] ボンドルド : 「でも時々不安になります」

[メイン] ボンドルド : 「私は、アナタとは身も心も同じ生き物であるとは言い難い」

[メイン] ボンドルド : 「そんな私とアナタは本当に一緒にいられるのかと」

[メイン] ボンドルド : 自分の倫理観や常識が一般的なそれと大きく外れていることは知っている。それでも、その自覚が出来る以上は私は人間なのだ。

[メイン] ボンドルド : 彼女とは、違う。

[メイン] 『ナナチ』 : 一方の彼女はと言えば、その言葉を聞き、しばらく首を傾げていたが。

[メイン] 『ナナチ』 : 「よく分かんないな」

[メイン] 『ナナチ』 : 「今一緒にな、いるんだからな」

[メイン] 『ナナチ』 : 「一緒にな、いるんだと思うな」

[メイン] ボンドルド : 「………」

[メイン] ボンドルド : 一緒にいるのだから一緒にいる。というのは、確かにそうだ。

[メイン] ボンドルド : 誰とも同じでない彼女にとっては、誰でも同じになれるのだろう。

[メイン] ボンドルド : でもそれは、つまりはナナチの考え方がそうであるということであって…

[メイン] ボンドルド : 「…なるほど」
そこで、ハッと頭が晴れる感覚がした。
そう。言われなくても知っているような、そんなことを思い出したようなあの感覚。

[メイン] ボンドルド : 「つまりは」

[メイン] ボンドルド : 「本人次第というわけですか」

[メイン] ボンドルド : 答えは案外に近くに眠っている。
そんな古びた諺めいたことに今更気が付いた。

[メイン] ボンドルド : ダメですね、どうも。
歳を取ると、こんな小さい子でも知っていることを忘れてしまうのですから。

[メイン] ボンドルド : 「おやおや……」
「…本当に、ナナチは可愛いですね」

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド :

[メイン] ボンドルド :

[メイン] 『ナナチ』 : 「んな〜!」

[メイン] 『ナナチ』 :

[メイン] 『ナナチ』 :

[メイン] 『ナナチ』 :

[メイン] リセット・カラー : Ending『もしその手を』登場:リセット

[メイン] リセット・カラー :  

[メイン] リセット・カラー : ジャーム化の危機だった方を救って犠牲者なくしてジャームを討伐した、と言う結果だけ見れば何も問題のに事件だった…んだけど

[メイン] リセット・カラー : …やっぱり、胸に引っかかる

[メイン] リセット・カラー : 私、どうしたら良かったんだろう
そもそもジャームなのは…そうだけど

[メイン] リセット・カラー : それでも、といつも和解の手を探るけど大体は上手く行かない、ジャームと言う存在との隔意は深まっていくばかり

[メイン] リセット・カラー : ………あの子の差し出した手を握って居たら…とちょっとだけ考える

[メイン] リセット・カラー : …もこもこ羊さんに囲まれて案外たのしい…?

[メイン] リセット・カラー : いやそんな事じゃなくて…ううん…

[メイン] リセット・カラー : あの子自身と一緒に居れたら…

[メイン] リセット・カラー : …ああ…止めとこう…だんだん悲しくなってきちゃう

[メイン] リセット・カラー : ………はあ………

[メイン] リセット・カラー : 早く、治せるようになれば良いのにね…ジャーム…………あ…

[メイン] リセット・カラー : あああ~~~~

[メイン] リセット・カラー : 何できょうだい皆へのお土産、事前に羊肉って言っちゃったんだろ…

[メイン] リセット・カラー : とても微妙な顔をして、お土産を選別していく
お金で買って 飛行機に乗って

[メイン] リセット・カラー : "人"の日常に戻っていく………はあ………

[メイン] リセット・カラー : …………いただきます

[メイン] リセット・カラー :  

[メイン] リセット・カラー :  

[メイン] リセット・カラー :  

[メイン] 雪音クリス : 『夢についての所感』ED

[メイン] 雪音クリス :

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 雪音クリス : 任務にほと疲れて、家に帰り着いたらベッドへと倒れ込んだ

[メイン] 雪音クリス : …慣れない嘘に、胸糞の悪い結末
いくら歪まぬ方法を見つけようが、疲れは出る

[メイン] 雪音クリス : …だから、だろうか

[メイン] 雪音クリス : 明かりも付けずに寝付いた結果
嫌な夢を見る羽目になるのは

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 雪音クリス : 走る、走る。怒りを胸に
義憤を掲げて、大義もあった

[メイン] 雪音クリス : 無力感は心の熱に蒸発し
心を無敵の鎧が覆っていった

[メイン] 雪音クリス : 手には、渡されたばかりの武器
首には……

[メイン] 雪音クリス : ───バカな奴だ、渡された物に舞い上がって

[メイン] 雪音クリス : それを遠く、近く。何処にいるかもあやふやな様子で眺めながら。冷めた瞳で見つめる

[メイン] 雪音クリス : これから、あそこのバカは復讐に行く
自分の尊厳を踏み躙った者を

[メイン] 雪音クリス : 或いは、家族を奪った戦争行為の根絶
前者であり、後者でもあっただろうが…

[メイン] 雪音クリス : 今や、昔の話だ
戻りたくも無く、戻りたくもある。そんな昔の

[メイン] 雪音クリス : 視点は、走る者へと戻り
ドアを蹴破ると、紙切れのように砕けていった

[メイン] 雪音クリス : 突きつけ、何かを吠え立てる

[メイン] 雪音クリス : ……後は、“許せない物”を見て
更に叫ぶ言葉は訳がわからなくなっていった

[メイン] 雪音クリス : 後は、喧しい音が鳴り 終わりだ
結果なんぞ、振り返る価値もないが……

[メイン] 雪音クリス : ただ一つ言える事がある

[メイン] 雪音クリス : 理想を捨てた分際で、成し遂げたつもりになった阿呆は、この後もろくな事をしなかった

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 雪音クリス : 夜景の明かりの様に過去の光景が写っていく
眺める度に、どのツラを下げてUGNにいるのか……などと、呟く羽目になる

[メイン] 雪音クリス : 夢は嫌いだ、悪夢は覚めないし。いい夢は覚めるから

[メイン] 雪音クリス : そして、終点に着く

[メイン] 雪音クリス : 『今日は、何が出るかな』

[メイン] 雪音クリス : 口にも出さず、歩んでいく

[メイン] 雪音クリス : ここに来るまでは、燃え盛る家が見えた
ここに来てからは、粉微塵のカップが見えた
少ししてから、砕け散る鏡が増えた

[メイン] 雪音クリス : そして今日は────

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 雪音クリス : 「……本当に、碌でもない夢だった」

[メイン] 雪音クリス : 起きて、些か喚き
枕に向かい八つ当たりをしてベランダへと寄りかかり毒付いた

[メイン] 雪音クリス : 「………しかも、まだ暗いし」

[メイン] 雪音クリス : こんな最悪の夢を見ては寝る気が失せた
それに、今日に限っては羊を数えるのもゴメンだ

[メイン] 雪音クリス : 「明日の昼頃には後悔するだろうが……このまま起きておくかな…」

[メイン] 雪音クリス : 夜景を眺めながら思い起こすのは
真っ暗な場所へと消えていった者を思い起こす

[メイン] 雪音クリス : 「わざわいあれ、か」

[メイン] 雪音クリス : この程度なら、安いのだが…

[メイン] 雪音クリス : 「…一度決めたら真っ直ぐに、諦めず。折れずか」

[メイン] 雪音クリス : 憧れない訳ではない
己がなるとすれば御免だが

[メイン] 雪音クリス : 「……お前は、一度も諦めなかった」

[メイン] 雪音クリス : 「私は……」

[メイン] 雪音クリス : 「何度諦めたかな」

[メイン] 雪音クリス : 夜街へとそんな言葉を投げようが
もっと暗い場所へ消えた者に届くわけもない

[メイン] 雪音クリス : 目を細めると、手摺を離し部屋へと戻っていった

[メイン] 雪音クリス : 早く、夢を忘れよう

[メイン] 雪音クリス : クリスは、そう思う度想起した

[メイン] 雪音クリス : 羊と、人が笑う姿を
それを、見つめ微笑む自分を

[メイン] 雪音クリス : 「反吐が出る……何もできなかった分際で……ッ!!」

[メイン] 雪音クリス : 瞳に怒りを映しながら、クリスは部屋の中へと姿を消した

[メイン] 雪音クリス : 残ったのは、真っ黒な空と
人口の光の群れだけ

[メイン] 雪音クリス : それもいずれは消えるだろう

[メイン] 雪音クリス : 羊が残した爪痕の様に

[メイン] 雪音クリス :  

[メイン] 歳納京子 : ending「手で握ることができるもの」登場:任意

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 : UGNエージェントには指令が下される。

[メイン] 歳納京子 : それは日常を守るための命令。
その指令に従わなければ、命令無視というだけではない。

[メイン] 歳納京子 : 大切な誰かも、その誰かの日常すらも奪われてしまう。

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 : UGNの規範に従うなら、今回の事件は成功なんじゃないか、って言える。

[メイン] 歳納京子 : 裕翔はあの後UGNに保護をしてもらった。
監察か協力を選んだ際に、協力と詰まりなく言ったらしい。

[メイン] 歳納京子 : ……裕翔は頑張りたい、とは言っていた。
その”頑張る”という想いを抱え続けることが、この世界で苦しいのは、私が一番わかってる。

[メイン] 歳納京子 : だからこれからも、アイツの面倒は見る。
きっと詰まったり、悩んだりするだろうから、それの手伝いをしてやりたい。
リセットやクリス、ボンドルド、あとはガユスも、呼んでみるのもいいかもしれない。

[メイン] 歳納京子 : 奪われかけた日常を守り、危機が訪れるはずだった非日常を防いだ。

[メイン] 歳納京子 : ……これでいい、はず。

[メイン] 歳納京子 : ………なのに。

[メイン] 歳納京子 : あの笑顔は、こびりついて離れない。

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 : ……アイツは、非日常だったのか?

[メイン] 歳納京子 : 羊のために、革命を目指そうとしていたはなこは……
アイツにも、日常があったんじゃないのか?

[メイン] 歳納京子 : 達成された指令の通りなら、アイツ自身も、アイツの日常も。
……果たして守られたの?

[メイン] 歳納京子 : ………………。

[メイン] 歳納京子 : 日常に戻れなかったジャームを見るのは、二人目。

[メイン] 歳納京子 : まだイリーガルだったころ。エージェントになんて思いも浮かばなかったころ。
そんな時、私は今よりもずっと甘かった。

[メイン] 歳納京子 : 任務で出会ったとある田舎の少女。
田舎でエフェクトを使い、村に恩恵をもたらしていた。
……笑顔いっぱいで、すっげー元気な子。

[メイン] 歳納京子 : ……それが祟ったのか、元々か。
侵蝕率はオーヴァードのソレを越えていて。

[メイン] 歳納京子 : 何とかしたくても、それは通らない。
安定してしまった侵蝕率は、もう下がることはない。

[メイン] 歳納京子 : ……凍結してしまった。
数少ない友達だったあの子を、未来に託してしまった。

[メイン] 歳納京子 : だから、せめてでも、いい未来を望みたい。
天才なんだから、って思って、ずっと仕事を受けてきたけど……。

[メイン] 歳納京子 : 「…………はぁ………」

[メイン] 歳納京子 : いやだな。

[メイン] 歳納京子 : 一人ぼっちにさせてしまったことが。

[メイン] 歳納京子 : 「…………はぁああ……」

[メイン] 歳納京子 : わかってる。

[メイン] 歳納京子 : アイツは、誰の話も聞かなかった。
崖から飛び降りるのを、止められなかっただけ。

[メイン] 歳納京子 : 相容れないんだから、いつか一人になるなんて……当然のこと。
誰かの日常を奪おうとしたのは、アイツが先だ。

[メイン] 歳納京子 : わかってはいる、けど。

[メイン] 歳納京子 : 「………………もう少し頑張らなきゃな、歳納京子」

[メイン] 歳納京子 : 大きく開いた手をぐっぱ、と開き。
そして硬く、握り締める。

[メイン] 歳納京子 : 浮かない顔をしていたら、アイツに心配かけちゃう。

[メイン] 歳納京子 : 私は、少しでも……握れたんだから。

[メイン] 歳納京子 : 手は、ボンドルドが言ってたように二つしかない。
欲張りすぎると、零れてしまう。

[メイン] 歳納京子 : だから、せめて。

[メイン] 歳納京子 : 掌を大きく握れるように、見せかけないと。

[メイン] 歳納京子 : 「……支部長昇格に向けて、頑張るぞーーー!」

[メイン] 歳納京子 : 両拳を、大きく掲げて空に向けた。

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 :  

[メイン] 歳納京子 :